【Lancet】T-DXdがT-DM1既治療のHER2陽性乳癌のPFS改善:DESTINY-Breast02
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1年前

【Lancet】T-DXdがT-DM1既治療のHER2陽性乳癌のPFS改善:DESTINY-Breast02

【Lancet】T-DXdがT-DM1既治療のHER2陽性乳癌のPFS改善:DESTINY-Breast02
Andréらは、 HER2陽性の切除不能または転移性乳癌患者を対象に、 トラスツズマブデルクステカン (T-DXd) の有効性と安全性を担当医が選択する化学療法 (TPC) と比較する目的で、 非盲検多施設共同第Ⅲ相ランダム化比較試験DESTINY-Breast02を実施。 その結果、 T-DXdがTPCに比し、 無増悪生存期間 (PFS) を改善させることが示された。 本研究はLancet誌において発表された。

📘原著論文

Trastuzumab deruxtecan versus treatment of physician's choice in patients with HER2-positive metastatic breast cancer (DESTINY-Breast02): a randomised, open-label, multicentre, phase 3 trial. Available online 20 April 2023. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(23)00725-0

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

DESTINY-Breast試験は03,04,…09,12・・とたくさんの研究があります。 HER2陽性転移性乳がんの新しい標準治療が、 昨年NEJMに発表されたDESTINY-Breast03試験および本研究(DESTINY- Breast02試験)の有効性と安全性のデータによってさらに裏付けられたといえると思います。

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乳癌のTNM臨床病期分類

乳腺腫瘍のTNM分類 (UICC-8版)

背景

DESTINY-Breast01試験では、 T-DXdがトラスツズマブエムタンシンに不応または抵抗性を示すHER2陽性転移性乳癌患者において強い活性を示した。

研究デザイン

対象

HER2陽性の切除不能または転移性乳癌(18歳以上)で、以下を含む適格基準を満たし患者。

  • トラスツズマブエムタンシン(T-DM1)の投与歴あり
  • 病勢進行を認める
  • 全身状態(ECOG PS)が0または1
  • 腎機能および肝機能が十分

介入

  • T-DXd群:406例
T-DXd 5-4mg/kgを3週間に1回静脈内投与
  • TPC群:202例
カペシタビン+トラスツズマブまたはカペシタビン+ラパチニブ

主要評価項目

盲検下の独立中央評価委員会によるPFS。

研究結果

独立中央評価委員会によるPFS

  • T-DXd群:17.8カ月 (95%CI 14.3-20.8カ月)
  • TPC群:6.9カ月 (95%CI 5.5-8.4カ月)
HR 0.36、 95%CI 0.28-0.45、 P<0.0001

最も一般的な治療起因性の有害事象

悪心

  • T-DXd群:73% (404例中293例)
  • TPC群:37% (195例中73例)

嘔吐

  • T-DXd群:38% (404例中152例)
  • TPC群:13% (195例中25例)

脱毛症

  • T-DXd群:37% (404例中150例)
  • TPC群:4% (195例中8例)

疲労

  • T-DXd群:36% (404例中147例)
  • TPC群:27% (195例中52例)

下痢

  • T-DXd群:27% (404例中109例)
  • TPC群:54% (195例中105例)

手掌足底発赤知覚不全

  • T-DXd群:2% (404例中7例)
  • TPC群:51% (195例中100例)

Grade 3以上の有害事象

  • T-DXd群:53% (404例中213例)
  • TPC群:44% (195例中86例)

薬剤関連間質性肺疾患

  • T-DXd群:10% (404例中42例、 grade 5の死亡事象2例を含む)
  • TPC群:1%未満 (195例中1例)

結論

DESTINY-Breast02は、 DESTINY-Breast01で報告された通り、 HER2陽性転移性乳癌患者におけるT-DXdの良好なベネフィット、 リスクプロファイルが示され、 抗体薬物複合体が前の抗体に対する耐性を克服できることが示された初めてのランダム化比較試験である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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