薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > ヒストンメチル基転移酵素 (HMT) 阻害薬
一般名バレメトスタットトシル酸塩錠
薬価12017
メーカー第一三共
最終更新2022年12月改訂(第2版)

用法・用量

通常、成人にはバレメトスタットとして200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

7.2. 食後に本剤を投与した場合、Cmax低下及びAUC低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.1参照〕。

7.3. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。なお、同一副作用による減量は2段階までとすること〔8.重要な基本的注意の項、11.1.1参照〕。

[本剤の減量段階]

1). 通常投与量:200mg。

2). 1段階減量:150mg。

3). 2段階減量:100mg。

4). 3段階減量:50mg。

5). 4段階減量:投与中止。

[本剤の用量調節基準]

1). 好中球減少:好中球数500/mm3未満が7日間を超えて継続;好中球数が1000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、好中球数が1000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

2). 血小板減少:血小板数25000/mm3未満;血小板数が50000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、血小板数が50000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

3). 貧血:ヘモグロビン値8.0g/dL未満で赤血球輸血を要する貧血;ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

4). 非血液毒性:*Grade3以上の非血液毒性;*Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(*再開した後に再び発現した場合、Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

*)GradeはNCI−CTCAEに準じる。

7.4. 強いCYP3A阻害剤又はP糖蛋白(P−gp)阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること〔10.2、16.7.1、16.7.4参照〕。

[CYP3A阻害剤又はP−gp阻害剤との併用時の用量調節基準]

1). 強いCYP3A阻害剤、P−gp阻害剤(本剤の投与量200mg):本剤の投与量を100mgに減量すること。

2). 強いCYP3A阻害剤、P−gp阻害剤(本剤の投与量150mg又は100mg):本剤の投与量を50mgに減量すること。

3). 強いCYP3A阻害剤、P−gp阻害剤(本剤の投与量50mg):本剤を併用しないこと。

4). 強いCYP3A阻害作用及びP−gp阻害作用を有する薬剤(本剤の投与量200mg):本剤の投与量を50mgに減量すること。

5). 強いCYP3A阻害作用及びP−gp阻害作用を有する薬剤(本剤の投与量150mg又は100mg、50mg):本剤を併用しないこと。

効能・効果

再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 骨髄抑制:血小板減少(73.0%)、貧血(40.5%)、好中球減少(27.0%)、白血球減少(21.6%)、リンパ球減少(16.2%)があらわれることがある〔7.3、8.重要な基本的注意の項参照〕。

11.1.2. 感染症(24.3%):上気道感染(5.4%)等があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 皮膚:(20%以上)脱毛症(40.5%)、(10〜20%未満)皮膚乾燥、発疹。

2). 精神神経系:(20%以上)味覚不全(40.5%)。

3). 消化器:(10〜20%未満)悪心、(10%未満)下痢。

4). 肝臓:(10〜20%未満)ALT増加、(10%未満)AST増加。

5). その他:(10〜20%未満)食欲減退、(10%未満)疲労。

副作用発現頻度は、再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者を対象とした国内第2相試験並びに再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第1相試験において本剤200mgを投与した再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者集団の結果から算出した。

警告

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度の肝機能障害のある患者:本剤は重度肝機能障害を合併する患者*を対象とした臨床試験は実施していない(本剤の主たる消失経路は肝臓である)〔16.4、16.6.1参照〕。

*)NCI−ODWG(National Cancer Institute−Organ Dysfunction Working Group)基準による分類。

(生殖能を有する者)

9.4.1. 妊娠可能な女性:妊娠可能な女性の場合、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

9.4.2. パートナーが妊娠している男性又はパートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠している又は妊娠する可能性のある男性の場合、本剤投与中及び最終投与後一定期間はバリア法(コンドーム)による避妊を指導する(精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある)〔9.5妊婦の項参照〕。

9.4.3. 生殖可能な男性:造精機能低下があらわれる可能性があることを考慮すること(動物実験(イヌ、ラット)において、精巣への影響が報告されている)〔15.2.2参照〕。

相互作用

本剤は主にCYP3Aによって代謝され、P−gpの基質である。また、P−gpの阻害作用を示す〔16.4参照〕。

10.2. 併用注意:

1). 強いCYP3A阻害作用及びP−gp阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル等)〔7.4、16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3A及びP−gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

2). 強いCYP3A阻害剤(ポサコナゾール、ボリコナゾール等)〔7.4、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

3). P−gp阻害剤(キニジン、ベラパミル、カルベジロール等)〔7.4、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がP−gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

4). 中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ジルチアゼム等)〔16.7.2参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

5). 強いCYP3A誘導剤又は中程度のCYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、エファビレンツ等)〔16.7.3、16.7.4参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。

6). P−gpの基質となる薬剤(ダビガトランエテキシレート、ジゴキシン、フェキソフェナジン等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある(本剤がP−gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)において、臨床曝露量の約0.05倍の曝露に相当する用量で胚毒性・胎仔毒性(着床後胚損失率高値)及び催奇形性が報告されている)〔9.4.1、9.4.2参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(ヒトにおける乳汁中への移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は吸湿性を有するため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

臨床試験において、慢性骨髄単球性白血病、慢性白血病等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。また、小児の神経芽腫<承認外効能・効果>患者で前駆B細胞型急性白血病が発現したとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. 動物実験(若齢ラット)において、本剤の反復投与により臨床曝露量の0.14倍の曝露に相当する用量でT細胞リンパ腫の発生が報告されている。

15.2.2. 動物実験(雌雄ラット及び雄イヌ)において、本剤の反復投与によりそれぞれ臨床曝露量の2.0倍及び0.13倍の曝露に相当する用量で、精巣形態学的変化(精上皮萎縮)、精巣上体形態学的変化(精巣上体管腔内精子数減少)、卵巣形態学的変化(卵巣萎縮)、子宮形態学的変化(子宮萎縮)等が報告されている。なお、それぞれ臨床曝露量の2.0倍及び0.38倍の曝露に相当する用量で回復性を伴わない精巣形態学的変化(ラットで精上皮消失及び精巣上体管腔内精子数減少、イヌで精上皮萎縮及び精巣上体管腔内の精子数減少)、子宮形態学的変化(子宮萎縮)も報告されている〔9.4.3参照〕。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(保険給付上の注意)

本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付、平成18年厚生労働省告示第107号一部改正)に基づき、2023年11月末日までは、1回14日分を限度として投薬すること。

エザルミア錠100mg
後発品はありません
エザルミア錠100mg
エザルミア錠100mg

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抗悪性腫瘍薬 > ヒストンメチル基転移酵素 (HMT) 阻害薬
2022年12月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > ヒストンメチル基転移酵素 (HMT) 阻害薬
一般名バレメトスタットトシル酸塩錠
薬価12017
メーカー第一三共
最終更新2022年12月改訂(第2版)

用法・用量

通常、成人にはバレメトスタットとして200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

7.2. 食後に本剤を投与した場合、Cmax低下及びAUC低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.1参照〕。

7.3. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。なお、同一副作用による減量は2段階までとすること〔8.重要な基本的注意の項、11.1.1参照〕。

[本剤の減量段階]

1). 通常投与量:200mg。

2). 1段階減量:150mg。

3). 2段階減量:100mg。

4). 3段階減量:50mg。

5). 4段階減量:投与中止。

[本剤の用量調節基準]

1). 好中球減少:好中球数500/mm3未満が7日間を超えて継続;好中球数が1000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、好中球数が1000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

2). 血小板減少:血小板数25000/mm3未満;血小板数が50000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、血小板数が50000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

3). 貧血:ヘモグロビン値8.0g/dL未満で赤血球輸血を要する貧血;ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

4). 非血液毒性:*Grade3以上の非血液毒性;*Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(*再開した後に再び発現した場合、Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する)。

*)GradeはNCI−CTCAEに準じる。

7.4. 強いCYP3A阻害剤又はP糖蛋白(P−gp)阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること〔10.2、16.7.1、16.7.4参照〕。

[CYP3A阻害剤又はP−gp阻害剤との併用時の用量調節基準]

1). 強いCYP3A阻害剤、P−gp阻害剤(本剤の投与量200mg):本剤の投与量を100mgに減量すること。

2). 強いCYP3A阻害剤、P−gp阻害剤(本剤の投与量150mg又は100mg):本剤の投与量を50mgに減量すること。

3). 強いCYP3A阻害剤、P−gp阻害剤(本剤の投与量50mg):本剤を併用しないこと。

4). 強いCYP3A阻害作用及びP−gp阻害作用を有する薬剤(本剤の投与量200mg):本剤の投与量を50mgに減量すること。

5). 強いCYP3A阻害作用及びP−gp阻害作用を有する薬剤(本剤の投与量150mg又は100mg、50mg):本剤を併用しないこと。

効能・効果

再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 骨髄抑制:血小板減少(73.0%)、貧血(40.5%)、好中球減少(27.0%)、白血球減少(21.6%)、リンパ球減少(16.2%)があらわれることがある〔7.3、8.重要な基本的注意の項参照〕。

11.1.2. 感染症(24.3%):上気道感染(5.4%)等があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 皮膚:(20%以上)脱毛症(40.5%)、(10〜20%未満)皮膚乾燥、発疹。

2). 精神神経系:(20%以上)味覚不全(40.5%)。

3). 消化器:(10〜20%未満)悪心、(10%未満)下痢。

4). 肝臓:(10〜20%未満)ALT増加、(10%未満)AST増加。

5). その他:(10〜20%未満)食欲減退、(10%未満)疲労。

副作用発現頻度は、再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者を対象とした国内第2相試験並びに再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第1相試験において本剤200mgを投与した再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者集団の結果から算出した。

警告

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重度の肝機能障害のある患者:本剤は重度肝機能障害を合併する患者*を対象とした臨床試験は実施していない(本剤の主たる消失経路は肝臓である)〔16.4、16.6.1参照〕。

*)NCI−ODWG(National Cancer Institute−Organ Dysfunction Working Group)基準による分類。

(生殖能を有する者)

9.4.1. 妊娠可能な女性:妊娠可能な女性の場合、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

9.4.2. パートナーが妊娠している男性又はパートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーが妊娠している又は妊娠する可能性のある男性の場合、本剤投与中及び最終投与後一定期間はバリア法(コンドーム)による避妊を指導する(精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある)〔9.5妊婦の項参照〕。

9.4.3. 生殖可能な男性:造精機能低下があらわれる可能性があることを考慮すること(動物実験(イヌ、ラット)において、精巣への影響が報告されている)〔15.2.2参照〕。

相互作用

本剤は主にCYP3Aによって代謝され、P−gpの基質である。また、P−gpの阻害作用を示す〔16.4参照〕。

10.2. 併用注意:

1). 強いCYP3A阻害作用及びP−gp阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル等)〔7.4、16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3A及びP−gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

2). 強いCYP3A阻害剤(ポサコナゾール、ボリコナゾール等)〔7.4、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

3). P−gp阻害剤(キニジン、ベラパミル、カルベジロール等)〔7.4、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がP−gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

4). 中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ジルチアゼム等)〔16.7.2参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

5). 強いCYP3A誘導剤又は中程度のCYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、エファビレンツ等)〔16.7.3、16.7.4参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。

6). P−gpの基質となる薬剤(ダビガトランエテキシレート、ジゴキシン、フェキソフェナジン等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある(本剤がP−gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)において、臨床曝露量の約0.05倍の曝露に相当する用量で胚毒性・胎仔毒性(着床後胚損失率高値)及び催奇形性が報告されている)〔9.4.1、9.4.2参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(ヒトにおける乳汁中への移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が認められている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は吸湿性を有するため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

臨床試験において、慢性骨髄単球性白血病、慢性白血病等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。また、小児の神経芽腫<承認外効能・効果>患者で前駆B細胞型急性白血病が発現したとの報告がある。

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. 動物実験(若齢ラット)において、本剤の反復投与により臨床曝露量の0.14倍の曝露に相当する用量でT細胞リンパ腫の発生が報告されている。

15.2.2. 動物実験(雌雄ラット及び雄イヌ)において、本剤の反復投与によりそれぞれ臨床曝露量の2.0倍及び0.13倍の曝露に相当する用量で、精巣形態学的変化(精上皮萎縮)、精巣上体形態学的変化(精巣上体管腔内精子数減少)、卵巣形態学的変化(卵巣萎縮)、子宮形態学的変化(子宮萎縮)等が報告されている。なお、それぞれ臨床曝露量の2.0倍及び0.38倍の曝露に相当する用量で回復性を伴わない精巣形態学的変化(ラットで精上皮消失及び精巣上体管腔内精子数減少、イヌで精上皮萎縮及び精巣上体管腔内の精子数減少)、子宮形態学的変化(子宮萎縮)も報告されている〔9.4.3参照〕。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(保険給付上の注意)

本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付、平成18年厚生労働省告示第107号一部改正)に基づき、2023年11月末日までは、1回14日分を限度として投薬すること。

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