計算
概要
監修医師

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
50~15~30mg/kg12時間ごと
10~5015mg/kg24~96時間ごと
0~107.5mg/kg2~3日ごと
血液透析
トラフ値15~20μg/mLを達成するために、 次の透析が1日後なら15mg/kg、2日後なら25mg/kg、 3日後なら35mg/kgを追加投与する(CID 2011 Jul 15;53(2):124-9.)
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
サンフォード感染症治療ガイド2020
CID 2011 Jul 15;53(2):124-9.
CrCl
--
ml/min
バンコマイシン
VCM (バンコマイシン®)

ポイント

  • MRSAに対する第一選択薬である.
  • トラフ濃度は15~20µg/mLを目標とする.
  • 投与速度、 腎機能障害には注意が必要.

どんな細菌に効くの?

バンコマイシン
  • MRSA/CNSに対する第一選択薬
  • E. faeciumに対する第一選択薬
  • Bacillus, Corynebacteriumなどのグラム陽性桿菌に対する第一選択薬
  • △ MSSAはカバーはするが不十分であり第一選択薬にはならない → CEZが使用できれば優先させる
  • ❌ GNRに対しては活性を有さないため、 必要に応じて他の薬剤の追加を検討する

日常臨床で使用する疾患例

  • MRSAによるカテーテル関連血流感染症、術後創部感染・肺炎・骨髄炎などに対しての第一選択薬
  • E. faeciumによるカテーテル関連尿路感染症などに対しての第一選択薬
  • ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) 髄膜炎に対しての第一選択薬

臨床使用例

  • ローディングドーズ 25-30mg/kg
  • その後、15-20mg/kg 12時間毎(1日2回)
  • TDMが必要であり3-4回目投与の直前に血中濃度(トラフ濃度)を計測する

注意点

  • 腎機能障害 (間質性腎炎) には注意が必要であり適切なトラフ濃度を目標とする
  • PIPC/TAZとの併用で急性腎障害を起こしやすいことが知られており、併用注意
  • Red person症候群*には注意→ 500mgあたり30分以上かけて投与する
※アレルギーではなく、 緩徐な速度で再投与可能であることが多い. 使用できない薬剤として登録しないこと.

参考商品名

最終更新:2024年3月25日
監修医師:聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公

バンコマイシン
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
バンコマイシン
バンコマイシン

バンコマイシン

VCM(バンコマイシン®)
2021年11月19日更新

腎障害時の用量調整

CrCl1回投与量投与間隔
50~15~30mg/kg12時間ごと
10~5015mg/kg24~96時間ごと
0~107.5mg/kg2~3日ごと
血液透析
トラフ値15~20μg/mLを達成するために、 次の透析が1日後なら15mg/kg、2日後なら25mg/kg、 3日後なら35mg/kgを追加投与する(CID 2011 Jul 15;53(2):124-9.)
性別
kg
mg/dL
出典と注意点
サンフォード感染症治療ガイド2020
CID 2011 Jul 15;53(2):124-9.
CrCl
--
ml/min

概要

VCM (バンコマイシン®)

ポイント

  • MRSAに対する第一選択薬である.
  • トラフ濃度は15~20µg/mLを目標とする.
  • 投与速度、 腎機能障害には注意が必要.

どんな細菌に効くの?

バンコマイシン
  • MRSA/CNSに対する第一選択薬
  • E. faeciumに対する第一選択薬
  • Bacillus, Corynebacteriumなどのグラム陽性桿菌に対する第一選択薬
  • △ MSSAはカバーはするが不十分であり第一選択薬にはならない → CEZが使用できれば優先させる
  • ❌ GNRに対しては活性を有さないため、 必要に応じて他の薬剤の追加を検討する

日常臨床で使用する疾患例

  • MRSAによるカテーテル関連血流感染症、術後創部感染・肺炎・骨髄炎などに対しての第一選択薬
  • E. faeciumによるカテーテル関連尿路感染症などに対しての第一選択薬
  • ペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP) 髄膜炎に対しての第一選択薬

臨床使用例

  • ローディングドーズ 25-30mg/kg
  • その後、15-20mg/kg 12時間毎(1日2回)
  • TDMが必要であり3-4回目投与の直前に血中濃度(トラフ濃度)を計測する

注意点

  • 腎機能障害 (間質性腎炎) には注意が必要であり適切なトラフ濃度を目標とする
  • PIPC/TAZとの併用で急性腎障害を起こしやすいことが知られており、併用注意
  • Red person症候群*には注意→ 500mgあたり30分以上かけて投与する
※アレルギーではなく、 緩徐な速度で再投与可能であることが多い. 使用できない薬剤として登録しないこと.

参考商品名

最終更新:2024年3月25日
監修医師:聖路加国際病院/MDアンダーソンがんセンター感染症科 松尾貴公

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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抗菌薬ガイド

抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬の腎機能別投与量の計算や、主な適応疾患、スペクトラムを確認することができます。監修は、MDアンダーソンがんセンター 兼 聖路加国際病院感染症科の松尾貴公先生。

※薬剤選択時には、必ず添付文書および最新安全性情報も併せてご確認下さい。