治療スケジュール
概要
監修医師

BV:ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス®)

投与量コース投与日
1.8mg/kg1~Day 1

その他

1コースは21日間.
再発又は難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫に保険適用.
BV 1.8mg/kgを30分以上かけて点滴静注.
体重100kgを超える場合100kgとして計算.
レジメン
Brentuximab vedotin
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「武田薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

国内特定使用成績調査 (全例調査) 「再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫又は未分化大細胞リンパ腫」より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 22.54%)

主な有害事象

  • 感染症 (13.03%、 ≧Grade3 6.69%)
  • 末梢神経障害 (39.44%、 ≧Grade3 6.69%)

その他重要な有害事象

  • Infusion reaction (6.69%、 ≧Grade3 0.35%)
  • 肺障害 (4.58%、 ≧Grade3 3.87%)

特徴と注意点

特徴と適応

  • BVは抗CD30モノクローナル抗体に強力な微小管阻害薬MMAEを結合した抗体薬物複合体.
  • BV単剤での使用は、 再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫に保険適用.
  • BV併用AVDやBV併用CHPは別レジメン参照.

投与前の確認項目

  • CD30陽性であることを確認した上で使用.
  • ブレオマイシンの投与中でないことを確認.
  • Infusion reaction予防のための前投薬は必須ではないが、 重度症状出現に備えた対応を.
  • 重度腎障害 (CrCL<30mL/min)肝障害では減量を考慮.
  • MMAEの代謝は主にCYP3A4が関与. CYP3A4阻害剤との併用によるMMAE血中濃度増加の可能性あり.
  • 避妊を指導 (男女ともに投与中及び投与終了後6ヵ月間). 乳汁中への移行も不明.

副作用とその対策

  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要
  • 好中球数<1,000/µlとなった時、 ベースライン又は1,000/µl以上に回復するまで休薬.
  • Grade 2/3の末梢神経障害が出現した場合、 ベースライン又はGrade 1以下に回復するまで休薬. 回復後1.2mg/kgに減量し再開. Grade 4の場合は以後投与中止.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う
  • ニューモシスチス、 カンジダ、 ヘルペス含め日和見感染に注意.
  • 肺障害、 膵炎、 進行性多巣性白質脳症、 Stevens-Johnson 症候群の報告もあり.

投与時の注意点

  • 希釈後2~8℃で保存、溶解後24時間以内投与.
  • 投与前後にはラインを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液でフラッシュ.

関連する臨床試験の結果

SG035-0004試験¹⁾

概要

  • 自家造血幹細胞移植併用大量化学療法 (high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT) の治療歴を有する再発・難治性CD30陽性CHLを対象とした第2相多施設共同試験.

結果

  • 全奏効率:75% (95%CI 0.649-0.826).
  • 完全寛解率:34% (95%CI 0.252-0.444).
  • 12カ月全生存率:89% (95%CI 0.83-0.95).
  • 無増悪生存期間中央値:5.6ヵ月 (95%CI 5.0-9.0ヵ月).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2012 Jun 20;30(18):2183-9.

最終更新:2021年8月13日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
Brentuximab vedotin
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
レジメン
Brentuximab vedotin
レジメン
Brentuximab vedotin

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ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス®)
2023年05月29日更新

BV:ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス®)

投与量コース投与日
1.8mg/kg1~Day 1

その他

1コースは21日間.
再発又は難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫に保険適用.
BV 1.8mg/kgを30分以上かけて点滴静注.
体重100kgを超える場合100kgとして計算.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「武田薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

国内特定使用成績調査 (全例調査) 「再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫又は未分化大細胞リンパ腫」より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 22.54%)

主な有害事象

  • 感染症 (13.03%、 ≧Grade3 6.69%)
  • 末梢神経障害 (39.44%、 ≧Grade3 6.69%)

その他重要な有害事象

  • Infusion reaction (6.69%、 ≧Grade3 0.35%)
  • 肺障害 (4.58%、 ≧Grade3 3.87%)

特徴と注意点

特徴と適応

  • BVは抗CD30モノクローナル抗体に強力な微小管阻害薬MMAEを結合した抗体薬物複合体.
  • BV単剤での使用は、 再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫に保険適用.
  • BV併用AVDやBV併用CHPは別レジメン参照.

投与前の確認項目

  • CD30陽性であることを確認した上で使用.
  • ブレオマイシンの投与中でないことを確認.
  • Infusion reaction予防のための前投薬は必須ではないが、 重度症状出現に備えた対応を.
  • 重度腎障害 (CrCL<30mL/min)肝障害では減量を考慮.
  • MMAEの代謝は主にCYP3A4が関与. CYP3A4阻害剤との併用によるMMAE血中濃度増加の可能性あり.
  • 避妊を指導 (男女ともに投与中及び投与終了後6ヵ月間). 乳汁中への移行も不明.

副作用とその対策

  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要
  • 好中球数<1,000/µlとなった時、 ベースライン又は1,000/µl以上に回復するまで休薬.
  • Grade 2/3の末梢神経障害が出現した場合、 ベースライン又はGrade 1以下に回復するまで休薬. 回復後1.2mg/kgに減量し再開. Grade 4の場合は以後投与中止.
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う
  • ニューモシスチス、 カンジダ、 ヘルペス含め日和見感染に注意.
  • 肺障害、 膵炎、 進行性多巣性白質脳症、 Stevens-Johnson 症候群の報告もあり.

投与時の注意点

  • 希釈後2~8℃で保存、溶解後24時間以内投与.
  • 投与前後にはラインを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液でフラッシュ.

関連する臨床試験の結果

SG035-0004試験¹⁾

概要

  • 自家造血幹細胞移植併用大量化学療法 (high-dose chemotherapy with autologous hematopoietic stem cell transplantation:HDC/AHSCT) の治療歴を有する再発・難治性CD30陽性CHLを対象とした第2相多施設共同試験.

結果

  • 全奏効率:75% (95%CI 0.649-0.826).
  • 完全寛解率:34% (95%CI 0.252-0.444).
  • 12カ月全生存率:89% (95%CI 0.83-0.95).
  • 無増悪生存期間中央値:5.6ヵ月 (95%CI 5.0-9.0ヵ月).

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2012 Jun 20;30(18):2183-9.

最終更新:2021年8月13日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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