治療スケジュール
概要
監修医師

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m² 点滴静注1Day 1、2
56mg/m² 点滴静注1Day 8、9、15、16
56mg/m² 点滴静注2~Day 1、2、8、9、15、16

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg 経口or点滴静注全コースDay 1、2、8、9、15、16、22、23

その他

1コースは4週間.
レジメン
Kd (Cd) 56mg/m²
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ENDEAVOR試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (22.9%、 ≧Grade3 7.6%)
  • 大球性貧血 (0.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • ヘモグロビン減少 (0.2%、 ≧Grade3 0%)
  • 白血球数減少 (3.0%、 ≧Grade3 2.2%)
  • 白血球減少症 (2.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • リンパ球数減少 (7.6%、 ≧Grade3 5.2%)
  • 好中球減少症 (3.9%、 ≧Grade3 1.5%)
  • リンパ球減少症 (3.0%、 ≧Grade3 2.2%)
  • 好中球数減少 (2.8%、 ≧Grade3 1.5%)
  • 発熱性好中球減少症 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 血小板減少症 (17.9%、 ≧Grade3 6.9%)
  • 血小板数減少 (10.6%、 ≧Grade3 3.2%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (31.1%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 下痢 (27%、 ≧Grade3 3%)
  • 発熱 (26%、 ≧Grade3 2%)
  • 咳嗽 (25%、 ≧Grade3 0%)
  • 倦怠感 (24%、 ≧Grade3 5%)
  • 不眠症 (24%、 ≧Grade3 2%)
  • 呼吸困難 (23%、 ≧Grade3 5%)
  • 末梢性浮腫 (21%、 ≧Grade3 <1%)
  • 嘔気 (18%、 ≧Grade3 1%)
  • 痙攣 (18%、 ≧Grade3 <1%)
  • 感染症 (17.7%、 ≧Grade3 7.3%)
  • 無力症 (17%、 ≧Grade3 3%)
  • 背部痛 (17%、 ≧Grade3 2%)
  • 頭痛 (16%、 ≧Grade3 1%)
  • 気管支炎 (14%、 ≧Grade3 2%)
  • 便秘 (14%、 ≧Grade3 <1%)
  • 鼻咽腔炎 (14%、 ≧Grade3 0%)
  • 高血圧・高血圧クリーゼ (13.6%、 ≧Grade3 5.6%)
  • 嘔吐 (13%、 ≧Grade3 1%)
  • 四肢痛 (10%、 ≧Grade3 <1%)

その他重要な有害事象

  • 心障害 (7.1%、 ≧Grade3 5.0%)
  • 肝不全・肝機能障害 (7.1%、 ≧Grade3 3.7%)
  • 静脈血栓塞栓症 (5.0%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 出血 (3.9%、 ≧Grade3 1.1%)
  • 急性腎障害 (3.7%、 ≧Grade3 1.3%)
  • 肺高血圧症 (1.1%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 間質性肺疾患 (0.9%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 血栓性微小血管症 (0.4%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 可逆性後白質脳症症候群 (0.4%、 ≧Grade3 0.2%)

特徴と注意点

特徴

  • カルフィルゾミブはプロテアソーム阻害薬再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
  • ENDEAVOR試験でカルフィルゾミブにボルテゾミブを直接比較した有効性が示され、 A.R.R.O.W.試験で治療抵抗性患者への週1回高用量投与の有効性が示された. ※詳細はwKd療法の項.

副作用と対策

  • カルフィルゾミブはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

ENDEAVOR (2011-003)試験¹⁾

概要

  • 対象:再発又は難治性の多発性骨髄腫患者929例
  • 929例のうち54%がボルテゾミブによる前治療歴有.
  • 介入群:カルフィルゾミブ+デキサメサゾン (Cd群)
  • 対照群:ボルテゾミブ+デキサメサゾン療法 (Bd群)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:Cd群18.7ヵ月 vs Bd群 9.4ヵ月 (HR0.53、 95%CI 0.44-0.65、 p<0.0001)
  • 奏効率:Cd群77% vs Bd群63% (OR2.03、 95%CI 1.52-2.72、 p<0.0001)

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2016 Jan;17(1):27-38.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
Kd (Cd) 56mg/m²
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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監修・協力医一覧
レジメン
Kd (Cd) 56mg/m²
レジメン
Kd (Cd) 56mg/m²

Kd (Cd) 56mg/m²

カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
2023年05月07日更新

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m² 点滴静注1Day 1、2
56mg/m² 点滴静注1Day 8、9、15、16
56mg/m² 点滴静注2~Day 1、2、8、9、15、16

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg 経口or点滴静注全コースDay 1、2、8、9、15、16、22、23

その他

1コースは4週間.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

ENDEAVOR試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (22.9%、 ≧Grade3 7.6%)
  • 大球性貧血 (0.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • ヘモグロビン減少 (0.2%、 ≧Grade3 0%)
  • 白血球数減少 (3.0%、 ≧Grade3 2.2%)
  • 白血球減少症 (2.2%、 ≧Grade3 0.2%)
  • リンパ球数減少 (7.6%、 ≧Grade3 5.2%)
  • 好中球減少症 (3.9%、 ≧Grade3 1.5%)
  • リンパ球減少症 (3.0%、 ≧Grade3 2.2%)
  • 好中球数減少 (2.8%、 ≧Grade3 1.5%)
  • 発熱性好中球減少症 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 血小板減少症 (17.9%、 ≧Grade3 6.9%)
  • 血小板数減少 (10.6%、 ≧Grade3 3.2%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (31.1%、 ≧Grade3 3.9%)
  • 下痢 (27%、 ≧Grade3 3%)
  • 発熱 (26%、 ≧Grade3 2%)
  • 咳嗽 (25%、 ≧Grade3 0%)
  • 倦怠感 (24%、 ≧Grade3 5%)
  • 不眠症 (24%、 ≧Grade3 2%)
  • 呼吸困難 (23%、 ≧Grade3 5%)
  • 末梢性浮腫 (21%、 ≧Grade3 <1%)
  • 嘔気 (18%、 ≧Grade3 1%)
  • 痙攣 (18%、 ≧Grade3 <1%)
  • 感染症 (17.7%、 ≧Grade3 7.3%)
  • 無力症 (17%、 ≧Grade3 3%)
  • 背部痛 (17%、 ≧Grade3 2%)
  • 頭痛 (16%、 ≧Grade3 1%)
  • 気管支炎 (14%、 ≧Grade3 2%)
  • 便秘 (14%、 ≧Grade3 <1%)
  • 鼻咽腔炎 (14%、 ≧Grade3 0%)
  • 高血圧・高血圧クリーゼ (13.6%、 ≧Grade3 5.6%)
  • 嘔吐 (13%、 ≧Grade3 1%)
  • 四肢痛 (10%、 ≧Grade3 <1%)

その他重要な有害事象

  • 心障害 (7.1%、 ≧Grade3 5.0%)
  • 肝不全・肝機能障害 (7.1%、 ≧Grade3 3.7%)
  • 静脈血栓塞栓症 (5.0%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 出血 (3.9%、 ≧Grade3 1.1%)
  • 急性腎障害 (3.7%、 ≧Grade3 1.3%)
  • 肺高血圧症 (1.1%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 間質性肺疾患 (0.9%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (0.6%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 血栓性微小血管症 (0.4%、 ≧Grade3 0.2%)
  • 可逆性後白質脳症症候群 (0.4%、 ≧Grade3 0.2%)

特徴と注意点

特徴

  • カルフィルゾミブはプロテアソーム阻害薬再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
  • ENDEAVOR試験でカルフィルゾミブにボルテゾミブを直接比較した有効性が示され、 A.R.R.O.W.試験で治療抵抗性患者への週1回高用量投与の有効性が示された. ※詳細はwKd療法の項.

副作用と対策

  • カルフィルゾミブはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

ENDEAVOR (2011-003)試験¹⁾

概要

  • 対象:再発又は難治性の多発性骨髄腫患者929例
  • 929例のうち54%がボルテゾミブによる前治療歴有.
  • 介入群:カルフィルゾミブ+デキサメサゾン (Cd群)
  • 対照群:ボルテゾミブ+デキサメサゾン療法 (Bd群)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:Cd群18.7ヵ月 vs Bd群 9.4ヵ月 (HR0.53、 95%CI 0.44-0.65、 p<0.0001)
  • 奏効率:Cd群77% vs Bd群63% (OR2.03、 95%CI 1.52-2.72、 p<0.0001)

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2016 Jan;17(1):27-38.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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