概要
計算
監修医師

SLEDAIについて²⁾

1992年にトロント大学のグループにより提唱された全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標.

Disease Activity in SLE (systemic lupus erythematosus)の略

臨床所見24項目がそれぞれ点数化され、 10日以内に認められた所見項目により合計0~105のスコアが算出される.

スコア項目と詳細¹⁾²⁾

1. 痙攣 +8

最近発症. 代謝性、 感染性、 薬剤性は除外.

2. 精神症状 +8

現実認識の重度の障害による正常な機能の変化. 幻覚、 思考錯乱、 連合弛緩、 貧困な思想内容、 著明な非論理的思考、 奇異な、 混乱した、 緊張病性の行動を含む. 尿毒症、 薬剤性は除外.

3. 器質的脳障害 +8

見当識、 記憶、 その他の知能機能障害による認知機能の変化、 変動する急性発症の臨床所見を伴う. 注意力の低下を伴う意識混濁、 周囲の環境に対する継続した注意の欠如を含み、 かつ以下のうち少なくとも2つを認める:知覚障害、 支離滅裂な発言、 不眠症あるいは日中の眠気、 精神運動興奮. 代謝性、 感染性、 薬剤性は除外.

4. 視力障害 +8

SLEによる網膜の変化. 細胞様小体、 網膜出血、 脈絡膜における漿液性の浸出あるいは出血、 視神経炎を含む. 高血圧性、 感染性、 薬剤性は除外.

5. 脳神経障害 +8

脳神経領域における感覚あるいは運動神経障害の新出.

6. ループス頭痛 +8

高度の持続性頭痛:片頭痛様だが、 麻薬性鎮痛薬に反応しない.

7. 脳血管障害 +8

脳血管障害の新出. 動脈硬化性は除外.

8. 血管炎 +8

潰瘍、 壊疽、 手指の圧痛を伴う結節、 爪周囲の梗塞、 線状出血、 生検または血管造影による血管炎の証明.

9. 関節炎 +4

2関節以上の関節痛あるいは炎症所見 (例:圧痛、 腫脹、 関節液貯留) .

10. 筋炎 +4

CK・アルドラーゼの上昇を伴う近位筋の疼痛/筋力低下、 あるいは筋電図変化、 筋生検における筋炎所見.

11. 尿円柱 +4

顆粒円柱あるいは赤血球円柱.

12. 血尿 +4

>5赤血球/HPF. 結石、 感染性、 その他の原因は除外.

13. 蛋白尿 +4

>0.5g/24時間. 新規発症あるいは最近の0.5g/24時間以上の追加.

14. 膿尿 +4

>5白血球/HPF. 感染性は除外.

15. 新たな皮疹 +2

炎症性皮疹の新規発症あるいは再発.

16. 脱毛 +2

限局性あるいはびまん性の異常な脱毛の新規発症あるいは再発.

17. 粘膜潰瘍 +2

口腔あるいは鼻腔潰瘍の新規発症あるいは再発.

18. 胸膜炎 +2

胸膜摩擦あるいは胸水、 胸膜肥厚による胸部痛.

19. 心膜炎 +2

少なくとも以下の1つ以上を伴う心臓の疼痛:心膜摩擦、 心嚢水、 あるいは心電図・心エコーでの証明.

20. 低補体血症 +2

CH50、 C3、 C4の正常下限以下の低下.

21. 抗dsDNA抗体上昇 +2

Farr assayで >25%の結合、 あるいは正常上限以上.

22. 発熱 +1

>38℃、 感染性は除外.

23. 血小板減少 +1

<100000血小板/㎣.

24. 白血球減少 +1

<3000白血球/㎣、 薬剤性は除外.

使用上の注意

  • 血清中抗dsDNA抗体や補体価の項目を含んでいるのが特徴的である²⁾.
  • 蛋白尿や皮疹、 脱毛、 粘膜病変については新規または再燃した場合には項目にカウントできるものの、 慢性的に持続している場合はカウントできない²⁾.
  • SLEDAI 4点以上を医療費助成の対象とする³⁾.

参考文献

  1. Derivation of the SLEDAI. A disease activity index for lupus patients. The Committee on Prognosis Studies in SLE. Arthritis Rheum. 1992 Jun;35(6):630-40. PMID: 1599520.
  2. GSK医療関係者向け情報 全身性エリテマトーデス(SLE)
  3. 厚生労働省 難病情報センター 全身性エリテマトーデス(SLE)

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最終更新日:2022年7月4日
監修:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標
2023年11月23日更新
概要
計算

SLEDAIについて²⁾

1992年にトロント大学のグループにより提唱された全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標.

Disease Activity in SLE (systemic lupus erythematosus)の略

臨床所見24項目がそれぞれ点数化され、 10日以内に認められた所見項目により合計0~105のスコアが算出される.

スコア項目と詳細¹⁾²⁾

1. 痙攣 +8

最近発症. 代謝性、 感染性、 薬剤性は除外.

2. 精神症状 +8

現実認識の重度の障害による正常な機能の変化. 幻覚、 思考錯乱、 連合弛緩、 貧困な思想内容、 著明な非論理的思考、 奇異な、 混乱した、 緊張病性の行動を含む. 尿毒症、 薬剤性は除外.

3. 器質的脳障害 +8

見当識、 記憶、 その他の知能機能障害による認知機能の変化、 変動する急性発症の臨床所見を伴う. 注意力の低下を伴う意識混濁、 周囲の環境に対する継続した注意の欠如を含み、 かつ以下のうち少なくとも2つを認める:知覚障害、 支離滅裂な発言、 不眠症あるいは日中の眠気、 精神運動興奮. 代謝性、 感染性、 薬剤性は除外.

4. 視力障害 +8

SLEによる網膜の変化. 細胞様小体、 網膜出血、 脈絡膜における漿液性の浸出あるいは出血、 視神経炎を含む. 高血圧性、 感染性、 薬剤性は除外.

5. 脳神経障害 +8

脳神経領域における感覚あるいは運動神経障害の新出.

6. ループス頭痛 +8

高度の持続性頭痛:片頭痛様だが、 麻薬性鎮痛薬に反応しない.

7. 脳血管障害 +8

脳血管障害の新出. 動脈硬化性は除外.

8. 血管炎 +8

潰瘍、 壊疽、 手指の圧痛を伴う結節、 爪周囲の梗塞、 線状出血、 生検または血管造影による血管炎の証明.

9. 関節炎 +4

2関節以上の関節痛あるいは炎症所見 (例:圧痛、 腫脹、 関節液貯留) .

10. 筋炎 +4

CK・アルドラーゼの上昇を伴う近位筋の疼痛/筋力低下、 あるいは筋電図変化、 筋生検における筋炎所見.

11. 尿円柱 +4

顆粒円柱あるいは赤血球円柱.

12. 血尿 +4

>5赤血球/HPF. 結石、 感染性、 その他の原因は除外.

13. 蛋白尿 +4

>0.5g/24時間. 新規発症あるいは最近の0.5g/24時間以上の追加.

14. 膿尿 +4

>5白血球/HPF. 感染性は除外.

15. 新たな皮疹 +2

炎症性皮疹の新規発症あるいは再発.

16. 脱毛 +2

限局性あるいはびまん性の異常な脱毛の新規発症あるいは再発.

17. 粘膜潰瘍 +2

口腔あるいは鼻腔潰瘍の新規発症あるいは再発.

18. 胸膜炎 +2

胸膜摩擦あるいは胸水、 胸膜肥厚による胸部痛.

19. 心膜炎 +2

少なくとも以下の1つ以上を伴う心臓の疼痛:心膜摩擦、 心嚢水、 あるいは心電図・心エコーでの証明.

20. 低補体血症 +2

CH50、 C3、 C4の正常下限以下の低下.

21. 抗dsDNA抗体上昇 +2

Farr assayで >25%の結合、 あるいは正常上限以上.

22. 発熱 +1

>38℃、 感染性は除外.

23. 血小板減少 +1

<100000血小板/㎣.

24. 白血球減少 +1

<3000白血球/㎣、 薬剤性は除外.

使用上の注意

  • 血清中抗dsDNA抗体や補体価の項目を含んでいるのが特徴的である²⁾.
  • 蛋白尿や皮疹、 脱毛、 粘膜病変については新規または再燃した場合には項目にカウントできるものの、 慢性的に持続している場合はカウントできない²⁾.
  • SLEDAI 4点以上を医療費助成の対象とする³⁾.

参考文献

  1. Derivation of the SLEDAI. A disease activity index for lupus patients. The Committee on Prognosis Studies in SLE. Arthritis Rheum. 1992 Jun;35(6):630-40. PMID: 1599520.
  2. GSK医療関係者向け情報 全身性エリテマトーデス(SLE)
  3. 厚生労働省 難病情報センター 全身性エリテマトーデス(SLE)

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最終更新日:2022年7月4日
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