薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 抗CD20モノクローナル抗体
一般名オビヌツズマブ (遺伝子組換え) 注射液
薬価458799
メーカー中外製薬
最終更新2022年12月改訂(第3版)

用法・用量

〈CD20陽性の濾胞性リンパ腫〉

通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として1日1回1000mgを点滴静注する。導入療法は、次のサイクル期間及び投与サイクル数とし、1サイクル目は1、8、15日目、2サイクル目以降は1日目に投与する。維持療法では、単独投与により2カ月に1回、最長2年間、投与を繰り返す。

1). シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合

3週間を1サイクルとし、8サイクル。

2). シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合

3週間を1サイクルとし、8サイクル。

3). ベンダムスチン塩酸塩併用の場合

4週間を1サイクルとし、6サイクル。

〈CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉

アカラブルチニブとの併用において、通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として、アカラブルチニブとの併用での1サイクル目の1日目に100mg、2日目に900mg、8日目及び15日目に1000mg、2サイクル目以降は1日目に1000mgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし、最大で6サイクル投与を繰り返す。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉有害事象により本剤を投与できなかった場合には、回復するまで投与を延期すること。

7.2. 〈効能共通〉本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるために、本剤投与の30分〜1時間前に、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤の前投与を行い、また、副腎皮質ホルモン剤と併用しない場合は、本剤の投与に際して、副腎皮質ホルモン剤の前投与を考慮すること。

7.3. 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉導入療法中に併用する抗悪性腫瘍剤を中止した場合、本剤単独投与を継続することができる。

7.4. 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉50mg/時の投与速度で点滴静注を開始し、Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら投与速度を変更することができる。

[本剤の投与速度]

1). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉第1サイクル(初回投与):50mg/時で開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる。

2). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉第1サイクル(2回目以降):前回の投与でGrade2以上のinfusion reactionが発現しなかった場合は、100mg/時で投与を開始し、30分毎に100mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる。

3). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉第2サイクル以降:第1サイクルの投与でGrade3以上のinfusion reactionが発現しなかった場合は、最初の30分は100mg/時で開始し、その後最大900mg/時まで上げることができる(なお、第2サイクル以降、前回の投与でGrade3のinfusion reactionが発現した場合は、初回投与時の速度で行うこと)。

7.5. 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の投与中断、中止、投与速度の変更等の対応を行うこと。

[Infusion reaction発現時の処置及び投与再開時の投与速度]

1). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Grade2以下のInfusion reaction:投与を中断するか投与速度を下げて適切な処置を行うこと、投与を中断した場合、infusion reactionが回復後、投与を再開できるが、投与中断前の半分以下の速度とし、その後、infusion reactionが認められなかった場合は、次のように投与速度を上げることができる[①infusion reaction発現時、第1サイクルの投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで投与速度を上げることができる、②infusion reaction発現時、投与時間短縮投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、最大900mg/時まで上げることができる]。

2). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Grade3のInfusion reaction:投与を中断して適切な処置を行うこと、Infusion reaction回復後投与再開できるが投与中断前の半分以下かつ400mg/時以下の速度とし、その後infusion reactionが認められなかった場合30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで投与速度を上げることができる。ただし、CD20陽性濾胞性リンパ腫でGrade3のinfusion reactionが再発した場合は、投与を直ちに中止し、本剤を再投与しないこと。

3). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Grade4のInfusion reaction:投与を直ちに中止し、適切な処置を行い、また、本剤を再投与しないこと。

GradeはNCI−CTCAE v4.0に準じる。

投与時間短縮投与方法:第1サイクルの投与でGrade3以上のinfusion reactionが発現しなかった場合は、第2サイクル以降、最初の30分は100mg/時で開始し、その後最大900mg/時まで上げることができる投与方法。

7.6. 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉アカラブルチニブを28日間投与した後に本剤の投与を開始すること。

7.7. 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉25mg/時の投与速度で点滴静注を開始し、Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら投与速度を変更することができる。

[本剤の投与速度]

1). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第1サイクル1日目(100mg):25mg/時で4時間以上かけて投与し、投与速度を上げないこと。

2). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第1サイクル2日目(900mg):前回の投与でinfusion reactionが発現しなかった場合は、50mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる(なお、第1サイクル2日目(900mg)、前回の投与でinfusion reactionが発現した場合は、25mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる)。

3). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第1サイクル8日目及び15日目(1000mg):前回投与でinfusion reactionが発現せず最終的な投与速度が100mg/時以上であった場合は、100mg/時で投与を開始し30分毎に100mg/時ずつ最大400mg/時まで上げることができる(なお、第1サイクル8日目及び15日目(1000mg)、前回の投与でinfusion reactionが発現した場合は、50mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる)。

4). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第2サイクル以降1日目(1000mg):前回の投与でinfusion reactionが発現せず、最終的な投与速度が100mg/時以上であった場合は、100mg/時で投与を開始し、30分毎に100mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる(なお、第2サイクル以降1日目(1000mg)、前回の投与でinfusion reactionが発現した場合は、50mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる)。

7.8. 〈CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の投与中断、中止、投与速度の変更等の対応を行うこと。

[Infusion reaction発現時の処置及び投与再開時の投与速度]

1). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade2以下のInfusion reaction:投与を中断するか投与速度を下げて適切な処置を行うこと、投与を中断した場合、infusion reactionが回復後、投与を再開できるが、投与中断前の半分以下の速度とし、その後、infusion reactionが認められなかった場合は、次のように投与速度を上げることができる[①infusion reaction発現時、第1サイクル1日目の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、25mg/時まで投与速度を上げることができる、②infusion reaction発現時、第1サイクル2日目以降の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる]。

2). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade3のInfusion reaction:投与を中断して適切な処置を行うこと、Infusion reactionが回復後、投与を再開できるが、投与中断前の半分以下の速度とし、その後、infusion reactionが認められなかった場合は、次のように投与速度を上げることができる[①infusion reaction発現時、第1サイクル1日目の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、25mg/時まで投与速度を上げることができる、②infusion reaction発現時、第1サイクル2日目以降の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる]。ただし、CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)でGrade3のinfusion reactionが再発した場合は、投与を直ちに中止し、本剤を再投与しないこと。

3). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade4のInfusion reaction:投与を直ちに中止し、適切な処置を行い、また、本剤を再投与しないこと。

GradeはNCI−CTCAE v4.0に準じる。

効能・効果

1). CD20陽性濾胞性リンパ腫。

2). CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈効能共通〉フローサイトメトリー法等により検査を行い、CD20抗原が陽性であることが確認された患者に使用すること。

5.2. 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.4、17.1.5参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. Infusion reaction(51.9%):アナフィラキシー、血圧低下、悪心、悪寒、気管支痙攣、咽頭刺激感・咽喉刺激感、喘鳴、喉頭浮腫、心房細動、頻脈、過敏症等を含むinfusion reactionがあらわれることがあり、初回投与時の本剤投与中又は初回投与開始後24時間以内に多く認められているが、初回投与開始後24時間以降や、2回目投与以降の本剤投与時にも認められており、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の前投与を行った患者においても重度なinfusion reactionが発現したとの報告があるので、異常が認められた場合には投与中断、中止、投与速度の変更等の対応を行い、適切な処置(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うこと〔9.1.4、9.1.6参照〕。

11.1.2. 腫瘍崩壊症候群(0.9%):異常が認められた場合は本剤の投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.4参照〕。

11.1.3. 好中球減少、白血球減少:好中球減少(42.2%)、発熱性好中球減少(5.3%)、白血球減少(8.1%)があらわれることがあり、好中球減少については、遷延する例や本剤の投与終了から4週間以上経過して発現する例も報告されている〔8.2、9.1.5参照〕。

11.1.4. 血小板減少(11.9%):血小板減少(本剤投与中又は投与後24時間以内に発現する血小板減少を含む)があらわれることがあり、初回サイクルで多く報告されており、また、出血により死亡に至る可能性があるので、異常が認められた場合には血小板輸血や本剤の休薬等の適切な処置を行うとともに、回復するまで定期的に血液検査を実施すること〔8.3、9.1.5参照〕。

11.1.5. 感染症(29.0%):細菌、真菌、あるいはウイルスによる感染症(敗血症、肺炎等)があらわれ、死亡に至った例も報告されているので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察すること〔9.1.1参照〕。

11.1.6. B型肝炎ウイルス再活性化による劇症肝炎、B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎増悪(頻度不明):死亡に至る可能性もあるので、異常が認められた場合には、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔8.1、9.1.2参照〕。

11.1.7. 進行性多巣性白質脳症(PML)(0.1%):本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。またPMLと診断された場合は、以降本剤を再投与しないこと。

11.1.8. 心障害(頻度不明):不整脈(心房細動等)、狭心症、心筋梗塞、心不全等があらわれ、死亡に至った例も報告されている〔9.1.3参照〕。

11.1.9. 消化管穿孔(0.1%)。

11.1.10. 間質性肺疾患(0.4%):異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)〔8.5参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 皮膚:(2%以上10%未満)脱毛症、発疹、皮膚そう痒症、帯状疱疹、潮紅、紅斑、皮膚乾燥、(2%未満)蕁麻疹、多汗症、点状出血、皮膚炎、湿疹、寝汗。

2). 眼:(2%未満)結膜炎、眼充血。

3). 肝臓:(2%以上10%未満)ALT上昇、AST上昇。

4). 血液:(2%以上10%未満)貧血、リンパ球数減少、(2%未満)静脈炎、血栓性静脈炎、静脈障害、(頻度不明)リンパ節痛。

5). 消化器:(10%以上)悪心(37.5%)、便秘、嘔吐、下痢、(2%以上10%未満)腹痛、口内炎、消化不良、(2%未満)口腔内潰瘍、口内乾燥、胃腸炎、歯周炎、痔核、(頻度不明)大腸炎。

6). 循環器:(2%以上10%未満)低血圧、高血圧、(2%未満)頻脈、徐脈、動悸。

7). 呼吸器:(2%以上10%未満)呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、咽頭異常感覚、低酸素症、(2%未満)鼻閉、鼻漏。

8). 精神神経系:(10%以上)末梢性ニューロパチー、頭痛、(2%以上10%未満)味覚障害、錯感覚、浮動性めまい、不眠症、(2%未満)嗜眠、味覚異常、うつ病。

9). その他:(10%以上)疲労(24.3%)、発熱、悪寒、(2%以上10%未満)食欲減退、関節痛、無力症、粘膜炎症、倦怠感、胸部不快感、四肢痛、筋肉痛、挫傷、血中尿酸増加、浮腫、(2%未満)背部痛、腫脹、体重減少、胸痛、低カリウム血症、低γグロブリン血症、筋痙縮、頻尿、血中クレアチニン増加、疼痛、注射部位疼痛、糖尿病、排尿困難、尿失禁、骨痛。

警告

本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと〔9.1.2、11.1.6参照〕。

8.2. 好中球減少、発熱性好中球減少、白血球減少があらわれることがあるので、本剤の治療開始前、治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤の投与にあたっては、G−CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること〔9.1.5、11.1.3参照〕。

8.3. 血小板減少があらわれることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、また頻回に血液検査を行うこと〔9.1.5、11.1.4参照〕。

8.4. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.2参照〕。

8.5. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察すること〔11.1.10参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 感染症を合併している又は再発性感染症の既往歴を有する患者:免疫抑制作用により感染症を悪化させる又は再発させるおそれがある〔11.1.5参照〕。

9.1.2. 肝炎ウイルス感染又は既往を有する患者:本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルス再活性化により肝炎があらわれるおそれがある)〔8.1、11.1.6参照〕。

9.1.3. 心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者:投与中又は投与後に不整脈悪化又は不整脈再発、狭心症悪化又は狭心症再発等させるおそれがある〔11.1.8参照〕。

9.1.4. 肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者:投与中又は投与直後に気管支攣縮や低酸素症を伴う急性呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させるおそれがある〔11.1.1参照〕。

9.1.5. 重篤な骨髄機能低下のある患者:好中球減少増悪及び血小板減少増悪させ重篤化させるおそれがある〔8.2、8.3、11.1.3、11.1.4参照〕。

9.1.6. 腫瘍量の多い患者:Infusion reactionがあらわれ、重篤化させるおそれがある〔11.1.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 生ワクチン又は弱毒生ワクチン[接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う(本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある)]。

2). 降圧剤[一過性の血圧下降があらわれることがある(血圧下降を増強させるおそれがある)]。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(臨床試験において、高齢者に重篤な副作用の発現率が高い傾向が認められている)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(カニクイザル)において、出生仔Bリンパ球数枯渇が認められており、また、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(カニクイザル)において、乳汁への移行が報告されているが、ヒトでの乳汁移行を検討したデータはない)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 本剤の投与時にはバイアルから必要量を抜き取り、日局生理食塩液で希釈して次の総液量とすること。希釈液として日局生理食塩液以外は使用しないこと。

1). 1回投与量100mg:投与時にはバイアルから4mLを抜き取り、日局生理食塩液で希釈して総液量100mLとすること。

2). 1回投与量900mg:投与時にはバイアルから36mLを抜き取り、日局生理食塩液で希釈して総液量250mLとすること。

3). 1回投与量1000mg:投与時にはバイアルから40mLを抜き取り、日局生理食塩液で希釈して総液量250mLとすること。

14.1.2. 調製時は静かに転倒混和すること。

14.1.3. 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。

14.1.4. やむを得ず、調製後速やかに使用せず希釈液を保存する場合は、2〜8℃で保存し、調製の翌日までに使用すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 他剤<日局生理食塩液を除く>との混注をしないこと。

14.2.2. 0.2又は0.22μmのインラインフィルターを使用すること。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。

貯法

(保管上の注意)

2〜8℃保存。

ガザイバ点滴静注1000mg
後発品はありません
ガザイバ点滴静注1000mg
ガザイバ点滴静注1000mg

ガザイバ点滴静注1000mg

抗悪性腫瘍薬 > 抗CD20モノクローナル抗体
2022年12月改訂(第3版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 抗CD20モノクローナル抗体
一般名オビヌツズマブ (遺伝子組換え) 注射液
薬価458799
メーカー中外製薬
最終更新2022年12月改訂(第3版)

用法・用量

〈CD20陽性の濾胞性リンパ腫〉

通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として1日1回1000mgを点滴静注する。導入療法は、次のサイクル期間及び投与サイクル数とし、1サイクル目は1、8、15日目、2サイクル目以降は1日目に投与する。維持療法では、単独投与により2カ月に1回、最長2年間、投与を繰り返す。

1). シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合

3週間を1サイクルとし、8サイクル。

2). シクロホスファミド水和物、ビンクリスチン硫酸塩及びプレドニゾロン又はメチルプレドニゾロン併用の場合

3週間を1サイクルとし、8サイクル。

3). ベンダムスチン塩酸塩併用の場合

4週間を1サイクルとし、6サイクル。

〈CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉

アカラブルチニブとの併用において、通常、成人には、オビヌツズマブ(遺伝子組換え)として、アカラブルチニブとの併用での1サイクル目の1日目に100mg、2日目に900mg、8日目及び15日目に1000mg、2サイクル目以降は1日目に1000mgを点滴静注する。28日間を1サイクルとし、最大で6サイクル投与を繰り返す。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉有害事象により本剤を投与できなかった場合には、回復するまで投与を延期すること。

7.2. 〈効能共通〉本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるために、本剤投与の30分〜1時間前に、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤の前投与を行い、また、副腎皮質ホルモン剤と併用しない場合は、本剤の投与に際して、副腎皮質ホルモン剤の前投与を考慮すること。

7.3. 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉導入療法中に併用する抗悪性腫瘍剤を中止した場合、本剤単独投与を継続することができる。

7.4. 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉50mg/時の投与速度で点滴静注を開始し、Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら投与速度を変更することができる。

[本剤の投与速度]

1). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉第1サイクル(初回投与):50mg/時で開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる。

2). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉第1サイクル(2回目以降):前回の投与でGrade2以上のinfusion reactionが発現しなかった場合は、100mg/時で投与を開始し、30分毎に100mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる。

3). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉第2サイクル以降:第1サイクルの投与でGrade3以上のinfusion reactionが発現しなかった場合は、最初の30分は100mg/時で開始し、その後最大900mg/時まで上げることができる(なお、第2サイクル以降、前回の投与でGrade3のinfusion reactionが発現した場合は、初回投与時の速度で行うこと)。

7.5. 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の投与中断、中止、投与速度の変更等の対応を行うこと。

[Infusion reaction発現時の処置及び投与再開時の投与速度]

1). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Grade2以下のInfusion reaction:投与を中断するか投与速度を下げて適切な処置を行うこと、投与を中断した場合、infusion reactionが回復後、投与を再開できるが、投与中断前の半分以下の速度とし、その後、infusion reactionが認められなかった場合は、次のように投与速度を上げることができる[①infusion reaction発現時、第1サイクルの投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで投与速度を上げることができる、②infusion reaction発現時、投与時間短縮投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、最大900mg/時まで上げることができる]。

2). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Grade3のInfusion reaction:投与を中断して適切な処置を行うこと、Infusion reaction回復後投与再開できるが投与中断前の半分以下かつ400mg/時以下の速度とし、その後infusion reactionが認められなかった場合30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで投与速度を上げることができる。ただし、CD20陽性濾胞性リンパ腫でGrade3のinfusion reactionが再発した場合は、投与を直ちに中止し、本剤を再投与しないこと。

3). 〈CD20陽性濾胞性リンパ腫〉Grade4のInfusion reaction:投与を直ちに中止し、適切な処置を行い、また、本剤を再投与しないこと。

GradeはNCI−CTCAE v4.0に準じる。

投与時間短縮投与方法:第1サイクルの投与でGrade3以上のinfusion reactionが発現しなかった場合は、第2サイクル以降、最初の30分は100mg/時で開始し、その後最大900mg/時まで上げることができる投与方法。

7.6. 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉アカラブルチニブを28日間投与した後に本剤の投与を開始すること。

7.7. 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉25mg/時の投与速度で点滴静注を開始し、Infusion reactionが認められなかった場合には、患者の状態を観察しながら投与速度を変更することができる。

[本剤の投与速度]

1). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第1サイクル1日目(100mg):25mg/時で4時間以上かけて投与し、投与速度を上げないこと。

2). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第1サイクル2日目(900mg):前回の投与でinfusion reactionが発現しなかった場合は、50mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる(なお、第1サイクル2日目(900mg)、前回の投与でinfusion reactionが発現した場合は、25mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる)。

3). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第1サイクル8日目及び15日目(1000mg):前回投与でinfusion reactionが発現せず最終的な投与速度が100mg/時以上であった場合は、100mg/時で投与を開始し30分毎に100mg/時ずつ最大400mg/時まで上げることができる(なお、第1サイクル8日目及び15日目(1000mg)、前回の投与でinfusion reactionが発現した場合は、50mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる)。

4). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉第2サイクル以降1日目(1000mg):前回の投与でinfusion reactionが発現せず、最終的な投与速度が100mg/時以上であった場合は、100mg/時で投与を開始し、30分毎に100mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる(なお、第2サイクル以降1日目(1000mg)、前回の投与でinfusion reactionが発現した場合は、50mg/時で投与を開始し、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる)。

7.8. 〈CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の投与中断、中止、投与速度の変更等の対応を行うこと。

[Infusion reaction発現時の処置及び投与再開時の投与速度]

1). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade2以下のInfusion reaction:投与を中断するか投与速度を下げて適切な処置を行うこと、投与を中断した場合、infusion reactionが回復後、投与を再開できるが、投与中断前の半分以下の速度とし、その後、infusion reactionが認められなかった場合は、次のように投与速度を上げることができる[①infusion reaction発現時、第1サイクル1日目の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、25mg/時まで投与速度を上げることができる、②infusion reaction発現時、第1サイクル2日目以降の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる]。

2). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade3のInfusion reaction:投与を中断して適切な処置を行うこと、Infusion reactionが回復後、投与を再開できるが、投与中断前の半分以下の速度とし、その後、infusion reactionが認められなかった場合は、次のように投与速度を上げることができる[①infusion reaction発現時、第1サイクル1日目の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、25mg/時まで投与速度を上げることができる、②infusion reaction発現時、第1サイクル2日目以降の投与方法で投与していた場合で、再開後、infusion reactionが認められなかった場合は、30分毎に50mg/時ずつ、最大400mg/時まで上げることができる]。ただし、CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)でGrade3のinfusion reactionが再発した場合は、投与を直ちに中止し、本剤を再投与しないこと。

3). 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉Grade4のInfusion reaction:投与を直ちに中止し、適切な処置を行い、また、本剤を再投与しないこと。

GradeはNCI−CTCAE v4.0に準じる。

効能・効果

1). CD20陽性濾胞性リンパ腫。

2). CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈効能共通〉フローサイトメトリー法等により検査を行い、CD20抗原が陽性であることが確認された患者に使用すること。

5.2. 〈CD20陽性慢性リンパ性白血病(CD20陽性小リンパ球性リンパ腫を含む)〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.4、17.1.5参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. Infusion reaction(51.9%):アナフィラキシー、血圧低下、悪心、悪寒、気管支痙攣、咽頭刺激感・咽喉刺激感、喘鳴、喉頭浮腫、心房細動、頻脈、過敏症等を含むinfusion reactionがあらわれることがあり、初回投与時の本剤投与中又は初回投与開始後24時間以内に多く認められているが、初回投与開始後24時間以降や、2回目投与以降の本剤投与時にも認められており、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の前投与を行った患者においても重度なinfusion reactionが発現したとの報告があるので、異常が認められた場合には投与中断、中止、投与速度の変更等の対応を行い、適切な処置(抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うこと〔9.1.4、9.1.6参照〕。

11.1.2. 腫瘍崩壊症候群(0.9%):異常が認められた場合は本剤の投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.4参照〕。

11.1.3. 好中球減少、白血球減少:好中球減少(42.2%)、発熱性好中球減少(5.3%)、白血球減少(8.1%)があらわれることがあり、好中球減少については、遷延する例や本剤の投与終了から4週間以上経過して発現する例も報告されている〔8.2、9.1.5参照〕。

11.1.4. 血小板減少(11.9%):血小板減少(本剤投与中又は投与後24時間以内に発現する血小板減少を含む)があらわれることがあり、初回サイクルで多く報告されており、また、出血により死亡に至る可能性があるので、異常が認められた場合には血小板輸血や本剤の休薬等の適切な処置を行うとともに、回復するまで定期的に血液検査を実施すること〔8.3、9.1.5参照〕。

11.1.5. 感染症(29.0%):細菌、真菌、あるいはウイルスによる感染症(敗血症、肺炎等)があらわれ、死亡に至った例も報告されているので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察すること〔9.1.1参照〕。

11.1.6. B型肝炎ウイルス再活性化による劇症肝炎、B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎増悪(頻度不明):死亡に至る可能性もあるので、異常が認められた場合には、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと〔8.1、9.1.2参照〕。

11.1.7. 進行性多巣性白質脳症(PML)(0.1%):本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。またPMLと診断された場合は、以降本剤を再投与しないこと。

11.1.8. 心障害(頻度不明):不整脈(心房細動等)、狭心症、心筋梗塞、心不全等があらわれ、死亡に至った例も報告されている〔9.1.3参照〕。

11.1.9. 消化管穿孔(0.1%)。

11.1.10. 間質性肺疾患(0.4%):異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)〔8.5参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 皮膚:(2%以上10%未満)脱毛症、発疹、皮膚そう痒症、帯状疱疹、潮紅、紅斑、皮膚乾燥、(2%未満)蕁麻疹、多汗症、点状出血、皮膚炎、湿疹、寝汗。

2). 眼:(2%未満)結膜炎、眼充血。

3). 肝臓:(2%以上10%未満)ALT上昇、AST上昇。

4). 血液:(2%以上10%未満)貧血、リンパ球数減少、(2%未満)静脈炎、血栓性静脈炎、静脈障害、(頻度不明)リンパ節痛。

5). 消化器:(10%以上)悪心(37.5%)、便秘、嘔吐、下痢、(2%以上10%未満)腹痛、口内炎、消化不良、(2%未満)口腔内潰瘍、口内乾燥、胃腸炎、歯周炎、痔核、(頻度不明)大腸炎。

6). 循環器:(2%以上10%未満)低血圧、高血圧、(2%未満)頻脈、徐脈、動悸。

7). 呼吸器:(2%以上10%未満)呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、咽頭異常感覚、低酸素症、(2%未満)鼻閉、鼻漏。

8). 精神神経系:(10%以上)末梢性ニューロパチー、頭痛、(2%以上10%未満)味覚障害、錯感覚、浮動性めまい、不眠症、(2%未満)嗜眠、味覚異常、うつ病。

9). その他:(10%以上)疲労(24.3%)、発熱、悪寒、(2%以上10%未満)食欲減退、関節痛、無力症、粘膜炎症、倦怠感、胸部不快感、四肢痛、筋肉痛、挫傷、血中尿酸増加、浮腫、(2%未満)背部痛、腫脹、体重減少、胸痛、低カリウム血症、低γグロブリン血症、筋痙縮、頻尿、血中クレアチニン増加、疼痛、注射部位疼痛、糖尿病、排尿困難、尿失禁、骨痛。

警告

本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して、十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと〔9.1.2、11.1.6参照〕。

8.2. 好中球減少、発熱性好中球減少、白血球減少があらわれることがあるので、本剤の治療開始前、治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤の投与にあたっては、G−CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること〔9.1.5、11.1.3参照〕。

8.3. 血小板減少があらわれることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、また頻回に血液検査を行うこと〔9.1.5、11.1.4参照〕。

8.4. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.2参照〕。

8.5. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察すること〔11.1.10参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 感染症を合併している又は再発性感染症の既往歴を有する患者:免疫抑制作用により感染症を悪化させる又は再発させるおそれがある〔11.1.5参照〕。

9.1.2. 肝炎ウイルス感染又は既往を有する患者:本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルス再活性化により肝炎があらわれるおそれがある)〔8.1、11.1.6参照〕。

9.1.3. 心機能障害のある患者又はその既往歴のある患者:投与中又は投与後に不整脈悪化又は不整脈再発、狭心症悪化又は狭心症再発等させるおそれがある〔11.1.8参照〕。

9.1.4. 肺機能障害のある患者又はその既往歴のある患者:投与中又は投与直後に気管支攣縮や低酸素症を伴う急性呼吸器障害があらわれ、肺機能を悪化させるおそれがある〔11.1.1参照〕。

9.1.5. 重篤な骨髄機能低下のある患者:好中球減少増悪及び血小板減少増悪させ重篤化させるおそれがある〔8.2、8.3、11.1.3、11.1.4参照〕。

9.1.6. 腫瘍量の多い患者:Infusion reactionがあらわれ、重篤化させるおそれがある〔11.1.1参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). 生ワクチン又は弱毒生ワクチン[接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う(本剤のBリンパ球傷害作用により発病するおそれがある)]。

2). 降圧剤[一過性の血圧下降があらわれることがある(血圧下降を増強させるおそれがある)]。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(臨床試験において、高齢者に重篤な副作用の発現率が高い傾向が認められている)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(カニクイザル)において、出生仔Bリンパ球数枯渇が認められており、また、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(カニクイザル)において、乳汁への移行が報告されているが、ヒトでの乳汁移行を検討したデータはない)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 本剤の投与時にはバイアルから必要量を抜き取り、日局生理食塩液で希釈して次の総液量とすること。希釈液として日局生理食塩液以外は使用しないこと。

1). 1回投与量100mg:投与時にはバイアルから4mLを抜き取り、日局生理食塩液で希釈して総液量100mLとすること。

2). 1回投与量900mg:投与時にはバイアルから36mLを抜き取り、日局生理食塩液で希釈して総液量250mLとすること。

3). 1回投与量1000mg:投与時にはバイアルから40mLを抜き取り、日局生理食塩液で希釈して総液量250mLとすること。

14.1.2. 調製時は静かに転倒混和すること。

14.1.3. 用時調製し、調製後は速やかに使用すること。

14.1.4. やむを得ず、調製後速やかに使用せず希釈液を保存する場合は、2〜8℃で保存し、調製の翌日までに使用すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 他剤<日局生理食塩液を除く>との混注をしないこと。

14.2.2. 0.2又は0.22μmのインラインフィルターを使用すること。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。

貯法

(保管上の注意)

2〜8℃保存。

後発品はありません
薬剤情報

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