薬剤情報
後発品
薬効分類定型抗精神病薬 > フェノチアジン系精神神経用薬
一般名プロペリシアジン錠
薬価5.9
メーカー高田製薬
最終更新2023年10月改訂(第2版)

用法・用量

プロペリシアジンとして、通常成人1日10〜60mgを分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

統合失調症。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている〔9.1.7参照〕。

11.1.2. 突然死(頻度不明):血圧降下、心電図異常(QT間隔延長、T波平低化やT波逆転、二峰性T波出現ないし二峰性U波出現等)に続く突然死が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。

また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。

11.1.3. 再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)。

11.1.4. 麻痺性イレウス(0.1%未満):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること〔8.2参照〕。

11.1.5. 遅発性ジスキネジア(0.1〜5%未満):長期投与により、口周部不随意運動等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある〔9.7小児等の項参照〕。

11.1.6. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(0.1%未満):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

11.1.7. 眼障害(頻度不明):長期又は大量投与により、角膜混濁・水晶体混濁、網膜色素沈着・角膜色素沈着があらわれることがある。

11.1.8. SLE様症状(頻度不明)。

11.1.9. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔9.1.8参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(5%以上又は頻度不明)過敏症状、光線過敏症。

2). 血液:(5%以上又は頻度不明)白血球減少症、顆粒球減少症、血小板減少性紫斑病。

3). 肝臓:(0.1%未満)肝障害。

4). 循環器:(5%以上又は頻度不明)血圧降下、頻脈、不整脈、心疾患悪化。

5). 消化器:(5%以上又は頻度不明)食欲亢進、食欲不振、舌苔、悪心・嘔吐、下痢、便秘。

6). 錐体外路症状:(5%以上又は頻度不明)パーキンソン症候群(手指振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(口周部不随意運動、四肢不随意運動等の不随意運動等)、ジストニア(眼球上転、眼瞼痙攣、舌突出、痙性斜頸、頸後屈、体幹側屈、後弓反張等)、アカシジア(静坐不能)。

7). 眼:(5%以上又は頻度不明)縮瞳、眼圧亢進、視覚障害。

8). 内分泌系:(0.1〜5%未満)体重増加、女性化乳房、乳汁分泌、月経異常、糖尿。

9). 生殖器:(5%以上又は頻度不明)持続勃起、(0.1〜5%未満)射精不能。

10). 精神神経系:(5%以上又は頻度不明)錯乱、不眠、眩暈、頭痛、不安、興奮、易刺激。

11). その他:(5%以上又は頻度不明)口渇、鼻閉、倦怠感、発熱、浮腫、尿閉、無尿、頻尿、尿失禁、皮膚色素沈着。

禁忌

2.1. 昏睡状態、循環虚脱状態にある患者[これらの状態を悪化させるおそれがある]。

2.2. バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる]。

2.3. アドレナリン投与中<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く>の患者〔10.1参照〕。

2.4. フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者。

重要な基本的注意

8.1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

8.2. 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること〔11.1.4参照〕。

8.3. 治療初期に起立性低血圧があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量等適切な処置を行うこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 皮質下部の脳障害(脳炎、脳腫瘍、頭部外傷後遺症等)の疑いのある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない(高熱反応があらわれるおそれがあるので、このような場合には、全身を氷で冷やすか、又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと)。

9.1.2. 血液障害のある患者:血液障害を悪化させるおそれがある。

9.1.3. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマ、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者:血圧急速変動がみられることがある。

9.1.4. 重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者:呼吸抑制があらわれることがある。

9.1.5. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

9.1.6. 高温環境にある患者:体温調節中枢を抑制するため、環境温度に影響されるおそれがある。

9.1.7. 脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者:悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい〔11.1.1参照〕。

9.1.8. 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者:肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている〔11.1.9参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:肝障害を悪化させるおそれがある。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

アドレナリン<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く><ボスミン>〔2.3参照〕[アドレナリンの作用を逆転させ血圧降下を起こすことがある(アドレナリンのα作用が遮断され、β作用が優位になることがある)]。

10.2. 併用注意:

1). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、麻酔剤等)[相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(なお、バルビツール酸誘導体等の抗痙攣作用は、フェノチアジン系薬剤との併用によっても増強されることはないので、この場合、抗痙攣剤は減量してはならない)(ともに中枢神経抑制作用を有する)]。

2). アルコール[相互に中枢神経抑制作用を増強することがある(ともに中枢神経抑制作用を有する)]。

3). 降圧剤[相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ともに降圧作用を有する)]。

4). アトロピン様作用を有する薬剤(アトロピン、ブチルスコポラミン等)[相互に抗コリン作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ともに抗コリン作用を有する)]。

5). リチウム[心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性の悪性症候群<Syndrome malin>、非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、慎重に投与し、なお、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること(機序は不明)]。

6). ドンペリドン、メトクロプラミド[内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること(ともにドパミン受容体遮断作用を有する)]。

7). ドパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩)[相互に作用を減弱することがあるので、投与量を調節するなど慎重に投与すること(本剤はドパミン受容体遮断作用を有する)]。

8). 有機燐殺虫剤[相互に作用し有機燐殺虫剤の毒性を増強することがあるので、接触しないように注意すること(ともにコリンエステラーゼ阻害作用を有する)]。

9). アドレナリン含有歯科麻酔剤(リドカイン・アドレナリン歯科麻酔剤)[血圧降下を起こすことがある(アドレナリンのα作用が遮断され、β作用が優位になることがある)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(起立性低血圧、錐体外路症状、脱力感、運動失調、排泄障害等が起こりやすい)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい(動物実験(マウス)で、胎仔死亡、流産、早産等の胎仔毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある)。

小児等

幼児、小児では、錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすい〔11.1.5参照〕。

過量投与

13.1. 徴候、症状

過量投与時の症状は、傾眠から昏睡までの中枢神経系抑制、血圧降下と錐体外路症状である(その他、激越と情緒不安、痙攣、口渇、腸閉塞、心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある)。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調剤時の注意

ときに接触皮膚炎等の過敏症状を起こすことがあるので、特に細粒剤を取り扱うときにはゴム手袋等を使用するなど、直接の接触を極力避け、付着のおそれのあるときはよく洗浄すること。

14.2. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

15.1.2. 外国で実施された認知症に関連した精神病症状<承認外効能・効果>を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告があり、また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

ニューレプチル錠10mg
後発品はありません
ニューレプチル錠10mg
ニューレプチル錠10mg

ニューレプチル錠10mg

定型抗精神病薬 > フェノチアジン系精神神経用薬
2023年10月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類定型抗精神病薬 > フェノチアジン系精神神経用薬
一般名プロペリシアジン錠
薬価5.9
メーカー高田製薬
最終更新2023年10月改訂(第2版)

用法・用量

プロペリシアジンとして、通常成人1日10〜60mgを分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

統合失調症。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている〔9.1.7参照〕。

11.1.2. 突然死(頻度不明):血圧降下、心電図異常(QT間隔延長、T波平低化やT波逆転、二峰性T波出現ないし二峰性U波出現等)に続く突然死が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。

また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。

11.1.3. 再生不良性貧血、無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)。

11.1.4. 麻痺性イレウス(0.1%未満):腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部膨満あるいは腹部弛緩及び腸内容物うっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること〔8.2参照〕。

11.1.5. 遅発性ジスキネジア(0.1〜5%未満):長期投与により、口周部不随意運動等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある〔9.7小児等の項参照〕。

11.1.6. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(0.1%未満):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

11.1.7. 眼障害(頻度不明):長期又は大量投与により、角膜混濁・水晶体混濁、網膜色素沈着・角膜色素沈着があらわれることがある。

11.1.8. SLE様症状(頻度不明)。

11.1.9. 肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明):抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔9.1.8参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 過敏症:(5%以上又は頻度不明)過敏症状、光線過敏症。

2). 血液:(5%以上又は頻度不明)白血球減少症、顆粒球減少症、血小板減少性紫斑病。

3). 肝臓:(0.1%未満)肝障害。

4). 循環器:(5%以上又は頻度不明)血圧降下、頻脈、不整脈、心疾患悪化。

5). 消化器:(5%以上又は頻度不明)食欲亢進、食欲不振、舌苔、悪心・嘔吐、下痢、便秘。

6). 錐体外路症状:(5%以上又は頻度不明)パーキンソン症候群(手指振戦、筋強剛、流涎等)、ジスキネジア(口周部不随意運動、四肢不随意運動等の不随意運動等)、ジストニア(眼球上転、眼瞼痙攣、舌突出、痙性斜頸、頸後屈、体幹側屈、後弓反張等)、アカシジア(静坐不能)。

7). 眼:(5%以上又は頻度不明)縮瞳、眼圧亢進、視覚障害。

8). 内分泌系:(0.1〜5%未満)体重増加、女性化乳房、乳汁分泌、月経異常、糖尿。

9). 生殖器:(5%以上又は頻度不明)持続勃起、(0.1〜5%未満)射精不能。

10). 精神神経系:(5%以上又は頻度不明)錯乱、不眠、眩暈、頭痛、不安、興奮、易刺激。

11). その他:(5%以上又は頻度不明)口渇、鼻閉、倦怠感、発熱、浮腫、尿閉、無尿、頻尿、尿失禁、皮膚色素沈着。

禁忌

2.1. 昏睡状態、循環虚脱状態にある患者[これらの状態を悪化させるおそれがある]。

2.2. バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制剤の作用を延長し増強させる]。

2.3. アドレナリン投与中<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く>の患者〔10.1参照〕。

2.4. フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の患者。

重要な基本的注意

8.1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

8.2. 制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること〔11.1.4参照〕。

8.3. 治療初期に起立性低血圧があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量等適切な処置を行うこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 皮質下部の脳障害(脳炎、脳腫瘍、頭部外傷後遺症等)の疑いのある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない(高熱反応があらわれるおそれがあるので、このような場合には、全身を氷で冷やすか、又は解熱剤を投与するなど適切な処置を行うこと)。

9.1.2. 血液障害のある患者:血液障害を悪化させるおそれがある。

9.1.3. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマ、動脈硬化症あるいは心疾患の疑いのある患者:血圧急速変動がみられることがある。

9.1.4. 重症喘息、肺気腫、呼吸器感染症等の患者:呼吸抑制があらわれることがある。

9.1.5. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

9.1.6. 高温環境にある患者:体温調節中枢を抑制するため、環境温度に影響されるおそれがある。

9.1.7. 脱水を伴う身体的疲弊・栄養不良状態を伴う身体的疲弊等のある患者:悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい〔11.1.1参照〕。

9.1.8. 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者:肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている〔11.1.9参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:肝障害を悪化させるおそれがある。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

アドレナリン<アナフィラキシー救急治療・歯科浸潤又は伝達麻酔除く><ボスミン>〔2.3参照〕[アドレナリンの作用を逆転させ血圧降下を起こすことがある(アドレナリンのα作用が遮断され、β作用が優位になることがある)]。

10.2. 併用注意:

1). 中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、麻酔剤等)[相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(なお、バルビツール酸誘導体等の抗痙攣作用は、フェノチアジン系薬剤との併用によっても増強されることはないので、この場合、抗痙攣剤は減量してはならない)(ともに中枢神経抑制作用を有する)]。

2). アルコール[相互に中枢神経抑制作用を増強することがある(ともに中枢神経抑制作用を有する)]。

3). 降圧剤[相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ともに降圧作用を有する)]。

4). アトロピン様作用を有する薬剤(アトロピン、ブチルスコポラミン等)[相互に抗コリン作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ともに抗コリン作用を有する)]。

5). リチウム[心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性の悪性症候群<Syndrome malin>、非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、慎重に投与し、なお、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること(機序は不明)]。

6). ドンペリドン、メトクロプラミド[内分泌機能調節異常又は錐体外路症状が発現しやすくなることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること(ともにドパミン受容体遮断作用を有する)]。

7). ドパミン作動薬(レボドパ製剤、ブロモクリプチンメシル酸塩)[相互に作用を減弱することがあるので、投与量を調節するなど慎重に投与すること(本剤はドパミン受容体遮断作用を有する)]。

8). 有機燐殺虫剤[相互に作用し有機燐殺虫剤の毒性を増強することがあるので、接触しないように注意すること(ともにコリンエステラーゼ阻害作用を有する)]。

9). アドレナリン含有歯科麻酔剤(リドカイン・アドレナリン歯科麻酔剤)[血圧降下を起こすことがある(アドレナリンのα作用が遮断され、β作用が優位になることがある)]。

高齢者

患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(起立性低血圧、錐体外路症状、脱力感、運動失調、排泄障害等が起こりやすい)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい(動物実験(マウス)で、胎仔死亡、流産、早産等の胎仔毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある)。

小児等

幼児、小児では、錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすい〔11.1.5参照〕。

過量投与

13.1. 徴候、症状

過量投与時の症状は、傾眠から昏睡までの中枢神経系抑制、血圧降下と錐体外路症状である(その他、激越と情緒不安、痙攣、口渇、腸閉塞、心電図変化及び不整脈等があらわれる可能性がある)。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調剤時の注意

ときに接触皮膚炎等の過敏症状を起こすことがあるので、特に細粒剤を取り扱うときにはゴム手袋等を使用するなど、直接の接触を極力避け、付着のおそれのあるときはよく洗浄すること。

14.2. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

15.1.2. 外国で実施された認知症に関連した精神病症状<承認外効能・効果>を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告があり、また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率上昇に関与するとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

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