薬剤情報
後発品
薬効分類血液凝固阻止薬 > 直接トロンビン阻害薬
一般名ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル
薬価127
メーカー日本ベーリンガーインゲルハイム
最終更新2023年11月改訂(第3版)

用法・用量

通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 次の患者では、ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること[1)中等度腎障害(クレアチニンクリアランス30−50mL/min)のある患者〔8.2参照〕、2)P−糖蛋白阻害剤<経口剤>を併用している患者〔10.2参照〕]。

7.2. 次のような出血の危険性が高いと判断される患者では、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること[1)70歳以上の患者〔1.警告の項参照〕、2)消化管出血の既往を有する患者〔1.警告の項、8.1、9.1.1参照〕]。

効能・効果

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

本剤を人工心臓弁置換術後の抗凝固療法には使用しないこと〔15.1参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 出血(消化管出血、頭蓋内出血等):消化管出血(1.6%)、頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。

11.1.2. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。

11.1.3. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(じん麻疹、顔面腫脹、呼吸困難等)があらわれることがある。

11.1.4. 急性肝不全(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)。

11.1.5. 食道潰瘍(頻度不明)、食道炎(頻度不明)〔8.13参照〕。

11.1.6. 急性腎障害(頻度不明):経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内赤血球円柱を多数認めるものが報告されている。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液及びリンパ系障害:(1%未満)貧血、凝血異常、好酸球増加症、(頻度不明)血小板減少症、好中球減少症。

2). 免疫系障害:(頻度不明)薬物過敏症、そう痒、気管支痙攣、血管浮腫。

3). 神経系障害:(1%未満)浮動性めまい、傾眠。

4). 眼障害:(1%未満)結膜出血、結膜ポリープ。

5). 心臓障害:(1%未満)うっ血性心不全、動悸。

6). 血管障害:(1%未満)高血圧、創傷出血、(頻度不明)血腫、出血。

7). 呼吸器障害:(1%以上)鼻出血(1.3%)、(1%未満)口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、しゃっくり、胸水、咽喉絞扼感、(頻度不明)喀血。

8). 胃腸障害:(1%以上)消化不良(4.7%)、胃食道炎(3.1%)、悪心(2.8%)、腹部不快感(2.2%)、上腹部痛(1.9%)、心窩部不快感(1.6%)、嘔吐(1.3%)、消化管潰瘍(1.3%)、(1%未満)便秘、歯肉出血、腹部膨満、歯肉炎、痔出血、口腔内出血、嚥下障害、下痢、胃腸障害、胃食道逆流性疾患、吐血、血便排泄、痔核、胃酸過多、口の錯感覚、(頻度不明)腹痛。

9). 肝胆道系障害:(1%未満)胆嚢ポリープ、肝障害。

10). 皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)皮下出血(3.1%)、(1%未満)発疹、湿疹、じん麻疹、皮膚乾燥、皮膚出血、(頻度不明)脱毛症。

11). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、関節腫脹、筋痙縮、(頻度不明)出血性関節症。

12). 腎及び尿路障害:(1%以上)血尿(1.3%)、(1%未満)腎機能障害、腎不全、排尿困難、(頻度不明)尿生殖器出血。

13). 生殖系及び乳房障害:(1%未満)良性前立腺肥大症、女性化乳房。

14). 全身障害及び投与局所様態:(1%以上)胸痛(2.2%)、浮腫(1.6%)、(1%未満)異常感、熱感、胸部不快感、疲労、歩行障害、(頻度不明)注射部位出血、カテーテル留置部位出血。

15). 臨床検査:(1%未満)血中ビリルビン増加、便潜血陽性、γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加、ヘモグロビン減少、肝酵素上昇、血小板数減少、(頻度不明)白血球数減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加。

16). 傷害、中毒及び処置合併症:(1%未満)硬膜下血腫、創傷、(頻度不明)外傷性出血、切開部位出血。

警告

本剤の投与により消化管出血等の出血による死亡例が認められているので、本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。

本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔2.3−2.5、7.2、8.1−8.4、8.8−8.10、8.12、9.1.1、9.1.2、13.1、13.2参照〕。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 透析患者を含む高度腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者〔8.2、9.1.2、9.2.1、16.6.1参照〕。

2.3. 出血症状のある患者、出血性素因のある患者及び止血障害のある患者[出血を助長するおそれがある]〔1.警告の項、8.1、9.1.2参照〕。

2.4. 臨床的に問題となる出血リスクのある器質的病変(6ヶ月以内の出血性脳卒中を含む)の患者〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

2.5. 脊椎カテーテルを留置・硬膜外カテーテルを留置している患者及び脊椎カテーテル抜去後1時間以内・硬膜外カテーテル抜去後1時間以内の患者[外傷性や頻回の穿刺や術後の硬膜外カテーテルの留置によって脊髄血腫や硬膜外血腫の危険性が増大する]〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

2.6. イトラコナゾール<経口剤>投与中の患者〔9.1.2、10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤の使用にあたっては、患者の状態(腎機能、高齢者、消化管出血の既往等)による出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること〔1.警告の項、2.3、7.2、9.1.2参照〕。

8.2. 本剤は主に腎臓を介して排泄されるため、腎障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがあるので、本剤を投与する前に、必ず腎機能を確認すること(また、本剤投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を考慮すること)〔1.警告、2.2、7.1、9.1.2、9.2.1、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。

8.3. 本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること(これらの徴候が認められた場合には、直ちに投与の中止や直ちに止血など適切な処置を行うこと)、特に「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項に掲げられた患者には注意すること。

本剤投与中の出血はどの部位にも発現する可能性があることに留意し、ヘモグロビン低下、ヘマトクリット低下、血圧低下あるいは血尿などの出血の徴候に注意すること。特に消化管出血には注意が必要であり、吐血、血便などの症状が認められた場合は投与を中止すること〔1.警告の項、13.2参照〕。

8.4. 患者には出血しやすくなることを説明し、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便等の異常な出血が認められた場合には、直ちに医師に連絡するよう指導すること〔1.警告の項参照〕。

8.5. 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える際には、本剤投与後12時間の間隔を空けること〔9.1.2参照〕。

8.6. 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤へ切り替える際には、他の抗凝固剤(注射剤)の次回投与予定時間の2時間前から、あるいは持続静注(例えば、未分画ヘパリン)中止時に本剤を投与すること〔9.1.2参照〕。

8.7. ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗薬を投与中止し、PT−INRが2.0未満になれば投与可能である〔9.1.2参照〕。

8.8. aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は、出血している患者では過度の抗凝固作用を判断する目安となる可能性がある(日本人を含む第3相国際共同試験においては、トラフ時aPTTが80秒を超える場合は大出血が多かった)〔1.警告の項参照〕。

8.9. 生体組織検査、大きな外傷、細菌性心内膜炎など出血の危険性が増大する場合、出血や貧血の徴候に十分注意すること〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

8.10. 手術や侵襲的手技を実施する患者では、出血の危険性が増大するため危険性に応じて本剤の投与を一時中止すること(可能であれば、手術や侵襲的手技の24時間前までに投与中止すること)。完全な止血機能を要する大手術を実施する場合や出血の危険性が高い患者を対象とする手術や出血の危険性が高い患者を対象とする侵襲的手技を実施する場合には、手術の2日以上前までの投与中止を考慮し、従来の抗凝固療法と同様に代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること(また、手術後は止血を確認した後に、本剤の投与を再開すること)〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

8.11. 患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合、同日中にできるだけ早く1回量を服用するとともに次の服用まで6時間以上空けさせ、服用し忘れた場合でも決して2回量を服用しないよう指導すること。

8.12. 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること〔1.警告の項参照〕。

8.13. 本剤が食道に滞留した場合、食道潰瘍及び食道炎があらわれるおそれがあるので、次の点を患者に指導すること〔11.1.5参照〕。

・ 本剤を速やかに胃に到達させるため、十分量(コップ1杯程度)の水とともに本剤を服用すること。

・ 食道疾患の症状(嚥下困難又は嚥下痛、胸骨後部の痛み、高度の持続する胸やけ等)があらわれた場合には、担当医に相談すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 消化管出血の既往を有する患者及び上部消化管潰瘍の既往のある患者:出血の危険性が増大するおそれがある〔1.警告の項、7.2参照〕。

9.1.2. 出血の危険性が高い患者〔1.警告の項、2.2−2.6、8.1、8.2、8.5−8.7、8.9、8.10参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 透析患者を含む高度腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者:本剤を投与しないこと(ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがある)〔2.2、8.2、16.6.1参照〕。

相互作用

本剤はP−糖蛋白の基質である。

10.1. 併用禁忌:

P−糖蛋白阻害剤(経口剤)(イトラコナゾール<経口剤>)〔2.6参照〕[併用によりダビガトランの血中濃度が上昇し出血の危険性が増大することがあるので、併用しないこと(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

10.2. 併用注意:

1). 血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩等)[これらの薬剤との併用により、ヘモグロビン2g/dL以上の減少を示すような大出血の危険性が増大することがあるので注意し、やむを得ず併用する場合には治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用投与すること(本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある)]。

2). 抗凝固剤(ワルファリンカリウム、未分画ヘパリン、ヘパリン誘導体、低分子ヘパリン、フォンダパリヌクスナトリウム等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t−PA製剤等)、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ジクロフェナクナトリウム等)[これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある(本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある)]。

3). P−糖蛋白阻害剤(経口剤)(ベラパミル塩酸塩<経口剤>)〔7.1、16.7.5参照〕[併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、また、本剤と同時にベラパミル塩酸塩の併用を開始、もしくは本剤服用中に新たにベラパミル塩酸塩の併用を開始する場合は、併用開始から3日間はベラパミル塩酸塩服用の2時間以上前に本剤を服用させること(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

4). P−糖蛋白阻害剤<経口剤>(アミオダロン塩酸塩<経口剤>、キニジン硫酸塩水和物<経口剤>、タクロリムス<経口剤>、シクロスポリン<経口剤>、リトナビル<経口剤>、ネルフィナビル<経口剤>、サキナビル<経口剤>、グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル配合剤<経口剤>等)〔7.1参照〕[これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

5). P−糖蛋白阻害剤(経口剤)(クラリスロマイシン<経口剤>)[前記のP−糖蛋白阻害剤のような顕著な影響は受けないが、併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがある(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

6). P−糖蛋白誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)等)[これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が低下することがある(本剤による抗凝固作用が減弱することがある)]。

7). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>[これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大したとの報告がある(機序は不明である)]。

高齢者

一般に腎機能が低下しダビガトランの血中濃度が上昇する可能性がある〔8.2、16.6.3参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎仔に移行することが認められている)〔16.3参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている)〔16.3参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

本剤の過量投与により、出血の危険性が増大する〔1.警告の項参照〕。

13.2. 処置

過量投与時、出血性合併症が発現した場合は本剤を投与中止し、出血の原因を確認すること(本剤は大部分が腎臓から排泄されるため、適切な利尿処置を施し、また、外科的止血や新鮮凍結血漿輸液など適切な処置の開始を検討すること)〔1.警告の項、8.3参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。また、アルミピロー包装(1アルミピロー包装中に28カプセル(14カプセル入りPTPシート×2)を含む)のまま調剤を行うことが望ましい〔20.取扱い上の注意の項参照〕。

14.1.3. カプセルを開けて服用しないよう指導すること。

(取扱い上の注意)

アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること〔14.1.2参照〕。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 海外で実施された適応外の機械式心臓弁置換術後<術後3〜7日以内又は術後3ヶ月以上経過>患者を対象とした本剤とワルファリンの第2相比較・用量設定試験(計252例)において、血栓塞栓事象及び出血事象がワルファリン投与群と比較して本剤投与群で多くみられた。特に、適応外の機械式心臓弁置換術後3〜7日以内に本剤の投与を開始した患者において、出血性心嚢液貯留が認められた〔5.効能又は効果に関連する注意の項参照〕。

15.1.2. 海外において実施されたLA・aCL・抗β2GP1抗体のいずれもが陽性で血栓症の既往があるAPS患者を対象とした直接作用型経口抗凝固薬(リバーロキサバン)とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベント再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、リバーロキサバン群では59例中7例に認められたとの報告がある(LA:ループスアンチコアグラント、aCL:抗カルジオリピン抗体、抗β2GP1抗体:抗β2グリコプロテイン1抗体、APS:抗リン脂質抗体症候群)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

プラザキサカプセル75mg
後発品はありません
プラザキサカプセル75mg
プラザキサカプセル75mg

プラザキサカプセル75mg

血液凝固阻止薬 > 直接トロンビン阻害薬
2023年11月改訂(第3版)
薬剤情報
後発品
薬効分類血液凝固阻止薬 > 直接トロンビン阻害薬
一般名ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩カプセル
薬価127
メーカー日本ベーリンガーインゲルハイム
最終更新2023年11月改訂(第3版)

用法・用量

通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 次の患者では、ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること[1)中等度腎障害(クレアチニンクリアランス30−50mL/min)のある患者〔8.2参照〕、2)P−糖蛋白阻害剤<経口剤>を併用している患者〔10.2参照〕]。

7.2. 次のような出血の危険性が高いと判断される患者では、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、慎重に投与すること[1)70歳以上の患者〔1.警告の項参照〕、2)消化管出血の既往を有する患者〔1.警告の項、8.1、9.1.1参照〕]。

効能・効果

非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

本剤を人工心臓弁置換術後の抗凝固療法には使用しないこと〔15.1参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 出血(消化管出血、頭蓋内出血等):消化管出血(1.6%)、頭蓋内出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。

11.1.2. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。

11.1.3. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(じん麻疹、顔面腫脹、呼吸困難等)があらわれることがある。

11.1.4. 急性肝不全(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)。

11.1.5. 食道潰瘍(頻度不明)、食道炎(頻度不明)〔8.13参照〕。

11.1.6. 急性腎障害(頻度不明):経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内赤血球円柱を多数認めるものが報告されている。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液及びリンパ系障害:(1%未満)貧血、凝血異常、好酸球増加症、(頻度不明)血小板減少症、好中球減少症。

2). 免疫系障害:(頻度不明)薬物過敏症、そう痒、気管支痙攣、血管浮腫。

3). 神経系障害:(1%未満)浮動性めまい、傾眠。

4). 眼障害:(1%未満)結膜出血、結膜ポリープ。

5). 心臓障害:(1%未満)うっ血性心不全、動悸。

6). 血管障害:(1%未満)高血圧、創傷出血、(頻度不明)血腫、出血。

7). 呼吸器障害:(1%以上)鼻出血(1.3%)、(1%未満)口腔咽頭不快感、口腔咽頭痛、しゃっくり、胸水、咽喉絞扼感、(頻度不明)喀血。

8). 胃腸障害:(1%以上)消化不良(4.7%)、胃食道炎(3.1%)、悪心(2.8%)、腹部不快感(2.2%)、上腹部痛(1.9%)、心窩部不快感(1.6%)、嘔吐(1.3%)、消化管潰瘍(1.3%)、(1%未満)便秘、歯肉出血、腹部膨満、歯肉炎、痔出血、口腔内出血、嚥下障害、下痢、胃腸障害、胃食道逆流性疾患、吐血、血便排泄、痔核、胃酸過多、口の錯感覚、(頻度不明)腹痛。

9). 肝胆道系障害:(1%未満)胆嚢ポリープ、肝障害。

10). 皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)皮下出血(3.1%)、(1%未満)発疹、湿疹、じん麻疹、皮膚乾燥、皮膚出血、(頻度不明)脱毛症。

11). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛、関節腫脹、筋痙縮、(頻度不明)出血性関節症。

12). 腎及び尿路障害:(1%以上)血尿(1.3%)、(1%未満)腎機能障害、腎不全、排尿困難、(頻度不明)尿生殖器出血。

13). 生殖系及び乳房障害:(1%未満)良性前立腺肥大症、女性化乳房。

14). 全身障害及び投与局所様態:(1%以上)胸痛(2.2%)、浮腫(1.6%)、(1%未満)異常感、熱感、胸部不快感、疲労、歩行障害、(頻度不明)注射部位出血、カテーテル留置部位出血。

15). 臨床検査:(1%未満)血中ビリルビン増加、便潜血陽性、γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加、ヘモグロビン減少、肝酵素上昇、血小板数減少、(頻度不明)白血球数減少、血中クレアチンホスホキナーゼ増加。

16). 傷害、中毒及び処置合併症:(1%未満)硬膜下血腫、創傷、(頻度不明)外傷性出血、切開部位出血。

警告

本剤の投与により消化管出血等の出血による死亡例が認められているので、本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。

本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔2.3−2.5、7.2、8.1−8.4、8.8−8.10、8.12、9.1.1、9.1.2、13.1、13.2参照〕。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. 透析患者を含む高度腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者〔8.2、9.1.2、9.2.1、16.6.1参照〕。

2.3. 出血症状のある患者、出血性素因のある患者及び止血障害のある患者[出血を助長するおそれがある]〔1.警告の項、8.1、9.1.2参照〕。

2.4. 臨床的に問題となる出血リスクのある器質的病変(6ヶ月以内の出血性脳卒中を含む)の患者〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

2.5. 脊椎カテーテルを留置・硬膜外カテーテルを留置している患者及び脊椎カテーテル抜去後1時間以内・硬膜外カテーテル抜去後1時間以内の患者[外傷性や頻回の穿刺や術後の硬膜外カテーテルの留置によって脊髄血腫や硬膜外血腫の危険性が増大する]〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

2.6. イトラコナゾール<経口剤>投与中の患者〔9.1.2、10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 本剤の使用にあたっては、患者の状態(腎機能、高齢者、消化管出血の既往等)による出血の危険性を考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること〔1.警告の項、2.3、7.2、9.1.2参照〕。

8.2. 本剤は主に腎臓を介して排泄されるため、腎障害のある患者では、本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがあるので、本剤を投与する前に、必ず腎機能を確認すること(また、本剤投与中は適宜、腎機能検査を行い、腎機能悪化が認められた場合には、投与の中止や減量を考慮すること)〔1.警告、2.2、7.1、9.1.2、9.2.1、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕。

8.3. 本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること(これらの徴候が認められた場合には、直ちに投与の中止や直ちに止血など適切な処置を行うこと)、特に「9.特定の背景を有する患者に関する注意」の項に掲げられた患者には注意すること。

本剤投与中の出血はどの部位にも発現する可能性があることに留意し、ヘモグロビン低下、ヘマトクリット低下、血圧低下あるいは血尿などの出血の徴候に注意すること。特に消化管出血には注意が必要であり、吐血、血便などの症状が認められた場合は投与を中止すること〔1.警告の項、13.2参照〕。

8.4. 患者には出血しやすくなることを説明し、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、血便等の異常な出血が認められた場合には、直ちに医師に連絡するよう指導すること〔1.警告の項参照〕。

8.5. 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える際には、本剤投与後12時間の間隔を空けること〔9.1.2参照〕。

8.6. 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤へ切り替える際には、他の抗凝固剤(注射剤)の次回投与予定時間の2時間前から、あるいは持続静注(例えば、未分画ヘパリン)中止時に本剤を投与すること〔9.1.2参照〕。

8.7. ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗薬を投与中止し、PT−INRが2.0未満になれば投与可能である〔9.1.2参照〕。

8.8. aPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)は、出血している患者では過度の抗凝固作用を判断する目安となる可能性がある(日本人を含む第3相国際共同試験においては、トラフ時aPTTが80秒を超える場合は大出血が多かった)〔1.警告の項参照〕。

8.9. 生体組織検査、大きな外傷、細菌性心内膜炎など出血の危険性が増大する場合、出血や貧血の徴候に十分注意すること〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

8.10. 手術や侵襲的手技を実施する患者では、出血の危険性が増大するため危険性に応じて本剤の投与を一時中止すること(可能であれば、手術や侵襲的手技の24時間前までに投与中止すること)。完全な止血機能を要する大手術を実施する場合や出血の危険性が高い患者を対象とする手術や出血の危険性が高い患者を対象とする侵襲的手技を実施する場合には、手術の2日以上前までの投与中止を考慮し、従来の抗凝固療法と同様に代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること(また、手術後は止血を確認した後に、本剤の投与を再開すること)〔1.警告の項、9.1.2参照〕。

8.11. 患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合、同日中にできるだけ早く1回量を服用するとともに次の服用まで6時間以上空けさせ、服用し忘れた場合でも決して2回量を服用しないよう指導すること。

8.12. 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、もしくは重大な出血が予想される緊急を要する手術又は処置の施行時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること〔1.警告の項参照〕。

8.13. 本剤が食道に滞留した場合、食道潰瘍及び食道炎があらわれるおそれがあるので、次の点を患者に指導すること〔11.1.5参照〕。

・ 本剤を速やかに胃に到達させるため、十分量(コップ1杯程度)の水とともに本剤を服用すること。

・ 食道疾患の症状(嚥下困難又は嚥下痛、胸骨後部の痛み、高度の持続する胸やけ等)があらわれた場合には、担当医に相談すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 消化管出血の既往を有する患者及び上部消化管潰瘍の既往のある患者:出血の危険性が増大するおそれがある〔1.警告の項、7.2参照〕。

9.1.2. 出血の危険性が高い患者〔1.警告の項、2.2−2.6、8.1、8.2、8.5−8.7、8.9、8.10参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 透析患者を含む高度腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある患者:本剤を投与しないこと(ダビガトランの血中濃度が上昇するおそれがある)〔2.2、8.2、16.6.1参照〕。

相互作用

本剤はP−糖蛋白の基質である。

10.1. 併用禁忌:

P−糖蛋白阻害剤(経口剤)(イトラコナゾール<経口剤>)〔2.6参照〕[併用によりダビガトランの血中濃度が上昇し出血の危険性が増大することがあるので、併用しないこと(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

10.2. 併用注意:

1). 血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩、クロピドグレル硫酸塩等)[これらの薬剤との併用により、ヘモグロビン2g/dL以上の減少を示すような大出血の危険性が増大することがあるので注意し、やむを得ず併用する場合には治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用投与すること(本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある)]。

2). 抗凝固剤(ワルファリンカリウム、未分画ヘパリン、ヘパリン誘導体、低分子ヘパリン、フォンダパリヌクスナトリウム等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t−PA製剤等)、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ジクロフェナクナトリウム等)[これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある(本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある)]。

3). P−糖蛋白阻害剤(経口剤)(ベラパミル塩酸塩<経口剤>)〔7.1、16.7.5参照〕[併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮し、また、本剤と同時にベラパミル塩酸塩の併用を開始、もしくは本剤服用中に新たにベラパミル塩酸塩の併用を開始する場合は、併用開始から3日間はベラパミル塩酸塩服用の2時間以上前に本剤を服用させること(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

4). P−糖蛋白阻害剤<経口剤>(アミオダロン塩酸塩<経口剤>、キニジン硫酸塩水和物<経口剤>、タクロリムス<経口剤>、シクロスポリン<経口剤>、リトナビル<経口剤>、ネルフィナビル<経口剤>、サキナビル<経口剤>、グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル配合剤<経口剤>等)〔7.1参照〕[これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、本剤1回110mg1日2回投与を考慮すること(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

5). P−糖蛋白阻害剤(経口剤)(クラリスロマイシン<経口剤>)[前記のP−糖蛋白阻害剤のような顕著な影響は受けないが、併用によりダビガトランの血中濃度が上昇することがある(本剤による抗凝固作用が増強することがある)]。

6). P−糖蛋白誘導剤(リファンピシン、カルバマゼピン、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)等)[これらの薬剤との併用により、ダビガトランの血中濃度が低下することがある(本剤による抗凝固作用が減弱することがある)]。

7). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>[これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大したとの報告がある(機序は不明である)]。

高齢者

一般に腎機能が低下しダビガトランの血中濃度が上昇する可能性がある〔8.2、16.6.3参照〕。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)で胎仔に移行することが認められている)〔16.3参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている)〔16.3参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

過量投与

13.1. 症状

本剤の過量投与により、出血の危険性が増大する〔1.警告の項参照〕。

13.2. 処置

過量投与時、出血性合併症が発現した場合は本剤を投与中止し、出血の原因を確認すること(本剤は大部分が腎臓から排泄されるため、適切な利尿処置を施し、また、外科的止血や新鮮凍結血漿輸液など適切な処置の開始を検討すること)〔1.警告の項、8.3参照〕。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

14.1.2. 本剤は吸湿性があるので、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。また、アルミピロー包装(1アルミピロー包装中に28カプセル(14カプセル入りPTPシート×2)を含む)のまま調剤を行うことが望ましい〔20.取扱い上の注意の項参照〕。

14.1.3. カプセルを開けて服用しないよう指導すること。

(取扱い上の注意)

アルミピロー包装開封後は、湿気を避けて保存すること〔14.1.2参照〕。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 海外で実施された適応外の機械式心臓弁置換術後<術後3〜7日以内又は術後3ヶ月以上経過>患者を対象とした本剤とワルファリンの第2相比較・用量設定試験(計252例)において、血栓塞栓事象及び出血事象がワルファリン投与群と比較して本剤投与群で多くみられた。特に、適応外の機械式心臓弁置換術後3〜7日以内に本剤の投与を開始した患者において、出血性心嚢液貯留が認められた〔5.効能又は効果に関連する注意の項参照〕。

15.1.2. 海外において実施されたLA・aCL・抗β2GP1抗体のいずれもが陽性で血栓症の既往があるAPS患者を対象とした直接作用型経口抗凝固薬(リバーロキサバン)とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベント再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、リバーロキサバン群では59例中7例に認められたとの報告がある(LA:ループスアンチコアグラント、aCL:抗カルジオリピン抗体、抗β2GP1抗体:抗β2グリコプロテイン1抗体、APS:抗リン脂質抗体症候群)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

後発品はありません
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