薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > DNAトポイソメラーゼ1阻害薬
一般名イリノテカン塩酸塩水和物注射液 (1)
薬価3153
メーカーアルフレッサ ファーマ
最終更新2022年11月改訂(第1版)

用法・用量

1.小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌(手術不能又は再発)及び有棘細胞癌はA法を、子宮頚癌、卵巣癌、胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌(手術不能又は再発)はA法又はB法を使用する。また、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)はC法を、小児悪性固形腫瘍はD法を、治癒切除不能な膵癌はE法を使用する。

1).A法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、100mg/㎡を1週間間隔で3〜4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

2).B法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、150mg/㎡を2週間間隔で2〜3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

3).C法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、40mg/㎡を3日間連日点滴静注する。これを1週毎に2〜3回繰り返し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

なお、A〜C法の投与量は、年齢、症状により適宜増減する。

4).D法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、20mg/㎡を5日間連日点滴静注する。これを1週毎に2回繰り返し、少なくとも1週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

5).E法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、180mg/㎡を点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

なお、D法及びE法の投与量は、患者の状態により適宜減量する。

2.A法、B法及びE法では、本剤投与時、投与量に応じて500mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、90分以上かけて点滴静注する。C法では、本剤投与時、投与量に応じて250mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する。D法では、本剤投与時、投与量に応じて100mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

オキサリプラチン、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にする。

1.FOLFIRINOX法を行う場合の2クール目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量する):好中球数1500/mm3以上、血小板数75000/mm3以上。

2.FOLFIRINOX法を行う場合の減量基準:前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、次の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にする)、また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。

1).好中球減少:

次のいずれかの条件を満たす場合:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で2クール目以降の好中球数の投与可能条件を満たさず投与を延期した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で好中球減少<500/mm3未満が7日以上持続>が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(3).FOLFIRINOX法を行う場合で感染症又は下痢を併発し、かつ好中球減少<1000/mm3未満>が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(4).FOLFIRINOX法を行う場合で発熱性好中球減少症が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

2).下痢:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で発熱<38℃以上>を伴う下痢が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で下痢<グレード3以上>が発現した場合:フルオロウラシル持続静注を減量する。

3).血小板減少:

次のいずれかの条件を満たす場合:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で2クール目以降の血小板数の投与可能条件を満たさず投与を延期した場合:オキサリプラチンを優先的に減量する(但し、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する)。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で血小板減少<50000/mm3未満>が発現した場合:オキサリプラチンを優先的に減量する(但し、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する)。

4).総ビリルビン上昇:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で総ビリルビン上昇<2.0mg/dL超3.0mg/dL以下>が発現した場合:本剤を120mg/㎡に減量する。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で総ビリルビン上昇<3.0mg/dL超>が発現した場合:本剤を90mg/㎡に減量する。

5).FOLFIRINOX法を行う場合で粘膜炎<グレード3以上>が発現した場合:フルオロウラシル持続静注を減量する。

6).FOLFIRINOX法を行う場合で手足症候群<グレード3以上>が発現した場合:フルオロウラシル持続静注を減量する。

FOLFIRINOX法を行う場合の減量基準において、複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用する。

グレード:CTCAE version4.0。

3.FOLFIRINOX法を行う場合の減量時の投与量(オキサリプラチン85mg/㎡、本剤180mg/㎡、フルオロウラシル持続静注2400mg/㎡で投与を開始した場合):

投与レベル−1:オキサリプラチン65mg/㎡、本剤150mg/㎡、フルオロウラシル持続静注1800mg/㎡。

投与レベル−2:オキサリプラチン50mg/㎡、本剤120mg/㎡、フルオロウラシル持続静注1200mg/㎡。

投与レベル−3:オキサリプラチン中止、本剤中止、フルオロウラシル持続静注中止。

効能・効果

小細胞肺癌、非小細胞肺癌、子宮頚癌、卵巣癌、胃癌<手術不能又は再発>、結腸癌<手術不能又は再発>・直腸癌<手術不能又は再発>、乳癌<手術不能又は再発>、有棘細胞癌、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、小児悪性固形腫瘍、治癒切除不能な膵癌。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1.治癒切除不能な膵癌の場合、患者の病期、全身状態、UGT1A1(本剤の活性代謝物(SN−38)の主な代謝酵素の一分子種である)遺伝子多型等について、添付文書の「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。

2.本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

副作用

副作用発生状況の概要:

<承認時までの臨床試験>

(単独投与)単独投与による臨床試験において、本剤との因果関係が否定できない死亡例が、全投与症例1,245例中55例(4.4%)に、適格例1,150例中45例(3.9%)に認められた。本剤単独投与による安全性評価症例1,134例中、認められた主な副作用は次のとおりであった。

単独療法(1,134例対象);血液:白血球減少78.9%(2000/mm3未満のもの33.5%)、ヘモグロビン減少(貧血)54.8%、血小板減少15.3%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢61.9%(高度なもの20.4%)、悪心・嘔吐74.1%、食欲不振75.4%、腹痛23.2%、腸管麻痺2.3%(腸閉塞0.8%)、腸管穿孔0%、消化管出血0.3%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0.1%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎1.3%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0.4%。

(FOLFIRINOX法)膵癌に対するFOLFIRINOX法(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/㎡、レボホリナート200mg/㎡、本剤180mg/㎡を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/㎡を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/㎡を46時間かけて持続静注)による第2相臨床試験における安全性評価症例36例中、認められた主な副作用は次のとおりであった。

FOLFIRINOX法(36例対象);血液:白血球減少91.7%(2000/mm3未満のもの44.4%)、ヘモグロビン減少(貧血)86.1%、血小板減少88.9%、発熱性好中球減少症22.2%、消化器:下痢83.3%(高度なもの8.3%)、悪心・嘔吐88.9%、食欲不振86.1%、腹痛16.7%、腸管麻痺0%(腸閉塞0%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)5.6%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎2.8%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

<非小細胞肺癌に対する第3相臨床試験>非小細胞肺癌に対する第3相臨床試験における本剤投与例(シスプラチンと本剤併用療法群234例:1コースを4週間としてシスプラチン80mg/㎡を第1日に、本剤60mg/㎡を第1、8、15日に投与、本剤単独療法群130例:1コースを4週間として本剤100mg/㎡を第1、8、15日に投与)において、本治療との因果関係が否定できない死亡例が、全投与症例364例中3例(0.8%:シスプラチンと本剤併用療法群2例、本剤単独療法群1例)に認められた。シスプラチンと本剤併用療法群及び本剤単独療法群における安全性評価症例351例中、認められた主な副作用は次のとおりであった。

1.単独療法(127例対象);血液:白血球減少70.9%(2000/mm3未満のもの11.0%)、ヘモグロビン減少(貧血)66.9%、血小板減少2.4%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢60.6%(高度なもの15.0%)、悪心・嘔吐71.7%、食欲不振82.7%、腹痛25.2%、腸管麻痺17.3%(腸閉塞1.6%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎2.4%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

2.併用療法(224例対象);血液:白血球減少90.6%(2000/mm3未満のもの39.3%)、ヘモグロビン減少(貧血)90.6%、血小板減少19.6%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢72.3%(高度なもの12.5%)、悪心・嘔吐91.5%、食欲不振94.6%、腹痛36.2%、腸管麻痺16.1%(腸閉塞1.3%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎0.4%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

3.合計(351例対象);血液:白血球減少83.5%(2000/mm3未満のもの29.1%)、ヘモグロビン減少(貧血)82.1%、血小板減少13.4%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢68.1%(高度なもの13.4%)、悪心・嘔吐84.3%、食欲不振90.3%、腹痛32.2%、腸管麻痺16.5%(腸閉塞1.4%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎1.1%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

<市販後の全症例調査>再審査期間中(平成6年4月〜平成12年1月)に、本剤との因果関係が否定できない死亡例が、本剤投与例16,549例中188例(1.1%)に認められた。市販後に行われた副作用発生状況調査(平成6年4月〜平成7年3月)、使用成績調査(平成7年4月〜平成12年1月)などの全症例調査における調査終了症例15,385例中、認められた主な副作用は次のとおりであった(副作用発生状況調査1,040例、使用成績調査13,935例、非小細胞肺癌に対する第3相臨床試験351例、子宮頚癌・卵巣癌に対する併用第2相臨床試験56例、非ホジキンリンパ腫に対する併用第1相臨床試験3例の集計)。

15,385例対象;血液:白血球減少73.1%(2000/mm3未満のもの34.5%)、ヘモグロビン減少(貧血)57.3%、血小板減少28.0%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢43.0%(高度なもの10.2%)、悪心・嘔吐52.5%、食欲不振48.1%、腹痛12.2%、腸管麻痺1.6%(腸閉塞0.4%)、腸管穿孔0.03%、消化管出血0.1%、大腸炎0.1%、小腸炎0.04%、腸炎(部位不明)0.1%、肝臓:肝機能障害1.2%、黄疸0.06%、腎臓:急性腎障害0.05%、呼吸器:間質性肺炎0.9%、循環器:心筋梗塞0.01%、狭心症発作0.02%、心室性期外収縮0.04%。

重大な副作用

1.重大な副作用:副作用発現頻度は、承認時までの臨床試験(1,170例)及び市販後の全症例調査(平成6年4月〜平成12年1月:15,385例)に基づき算出した。

副作用自発報告(平成12年1月〜)にて報告された副作用については頻度不明とした。

1).骨髄機能抑制:汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(73.5%)、好中球減少(60.3%)、血小板減少(27.4%)、貧血(57.2%)、発熱性好中球減少症(0.05%)等が現れるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。また、高度な骨髄機能抑制の持続により、次のような疾患を併発し、死亡した例も報告されているので、頻回に血液検査を実施し、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う、(1)重症感染症(敗血症、肺炎等):重篤な白血球減少・重篤な好中球減少に伴い、敗血症(頻度不明)、肺炎(頻度不明)等の重症感染症が現れることがある、(2)播種性血管内凝固症候群(DIC):重篤な感染症、血小板減少に伴い、播種性血管内凝固症候群(頻度不明)が現れることがある。

2).高度な下痢、腸炎:下痢(44.4%)、大腸炎(0.1%)、小腸炎(0.04%)、腸炎(部位不明:0.1%)が現れるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。なお、高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常、ショック(循環不全:頻度不明)を併発し、死亡した例も報告されているので、十分に注意する。

3).腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞:腸管穿孔(0.02%)、消化管出血(下血、血便を含む:0.1%)、腸管麻痺(1.7%)、腸閉塞(0.4%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。なお、腸管麻痺・腸閉塞に引き続き腸管穿孔を併発し、死亡した例が報告されているが、これらの症例の中には、腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩、モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例があるので、腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には、特に注意する。

4).間質性肺炎:間質性肺炎(0.9%)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

5).ショック、アナフィラキシー:ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).肝機能障害、黄疸:肝機能障害(1.1%)、黄疸(0.06%)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。

7).急性腎障害:急性腎障害(0.05%)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。

8).血栓塞栓症:肺塞栓症(頻度不明)、静脈血栓症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

9).脳梗塞:脳梗塞(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

10).心筋梗塞、狭心症発作:心筋梗塞(0.01%)、狭心症発作(0.02%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

11).心室性期外収縮:心室性期外収縮(0.05%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う[副作用発現頻度は、承認時までの臨床試験(1,170例)及び市販後の全症例調査(平成6年4月〜平成12年1月:15,385例)に基づき算出した。副作用自発報告(平成12年1月〜)にて報告された副作用については頻度不明とした]。

1).消化器:(50%以上)悪心・嘔吐、食欲不振、(5〜50%未満)腹痛、(5%未満)食道炎、吐血、腸管運動亢進、しゃっくり、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、痔核、胃腸音異常、(頻度不明)胃潰瘍、胃部不快感・腹部不快感、胃炎、消化不良、便秘。

2).肝臓:(5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

3).腎臓:(5%未満)腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、クレアチニンクリアランス低下、電解質異常、蛋白尿、血尿、尿沈渣異常、(頻度不明)乏尿。

4).呼吸器:(5%未満)呼吸困難、PaO2低下、気管支炎、上気道炎、咽頭炎、鼻炎、発声障害、咽頭知覚不全、口腔咽頭不快感、(頻度不明)咽頭痛、咳嗽。

5).過敏症:(5%未満)発疹、そう痒感、(頻度不明)蕁麻疹。

6).皮膚:(5〜50%未満)脱毛、(5%未満)皮膚色素沈着、皮膚浮腫、発赤、紅斑、手足症候群、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥、(頻度不明)帯状疱疹、粘膜炎。

7).精神神経系:(5%未満)しびれ等の末梢神経障害、頭痛、眩暈、精神症状、意識障害、傾眠、興奮・不安感、不穏、(頻度不明)痙攣、耳鳴、味覚異常、うつ病、目のかすみ、不眠、振戦、構語障害。

8).循環器:(5%未満)頻脈、心電図異常、血圧低下、動悸、(頻度不明)不整脈、徐脈、心房細動、高血圧。

9).その他:(5%未満)倦怠感、発熱、熱感、発汗、顔面潮紅、疼痛、腰痛、腹水、鼻汁、好酸球増加、総蛋白減少、アルブミン減少、カルシウム異常、尿酸異常、尿ウロビリノーゲン異常、糖尿、(頻度不明)脱水、コリン作動性症候群、悪寒、胸部不快感、胸痛、関節痛、筋痛、鼻出血、脱力感、無力症、疲労、体重増加、体重減少、LDH低下、白血球増加、血小板増加、白血球分画変動、CRP上昇、注射部位反応(注射部位発赤、注射部位疼痛等)、血管炎、流涙。

警告

1.本剤使用にあたっては、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始する。

2.本剤の臨床試験において、骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例が認められているので、本剤の投与は、緊急時に十分に措置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与し、次記の患者には投与しないなど適応患者の選択を慎重に行う。

1).骨髄機能抑制のある患者。

2).感染症を合併している患者。

3).下痢(水様便)のある患者。

4).腸管麻痺、腸閉塞のある患者。

5).間質性肺炎又は肺線維症の患者。

6).多量の腹水、多量の胸水のある患者。

7).黄疸のある患者。

8).アタザナビル硫酸塩投与中の患者。

9).本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

3.本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施する。

4.投与に際しては、骨髄機能抑制、高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察する。

5.骨髄機能抑制による致命的な副作用の発現を回避するために、特に次の事項に十分注意する。

1).投与予定日(投与前24時間以内)に末梢血液検査を必ず実施し、結果を確認してから、本剤投与の適否を慎重に判断する。

2).投与予定日の白血球数が3000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法で2クール目以降血小板数が7.5万/mm3未満)の場合には、本剤の投与を中止又は延期する。

3).投与予定日の白血球数が3000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、白血球数が急激な減少又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期する。

なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

1.骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制が増悪して重症感染症等を併発し、致命的となることがある]。

2.感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]。

3.下痢(水様便)のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし、致命的となることがある]。

4.腸管麻痺、腸閉塞のある患者[腸管からの排泄が遅れ、重篤な副作用が発現し、致命的となることがある]。

5.間質性肺炎又は肺線維症の患者[症状が増悪し、致命的となることがある]。

6.多量の腹水、多量の胸水のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある]。

7.黄疸のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある]。

8.アタザナビル硫酸塩投与中の患者。

9.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

慎重投与

1.肝障害のある患者[肝障害が悪化及び副作用が強く発現する恐れがある]。

2.腎障害のある患者[腎障害が悪化及び副作用が強く発現する恐れがある]。

3.糖尿病の患者(十分な管理を行いながら投与する)[高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常を起こして糖尿病が増悪し、致命的となる恐れがある]。

4.全身衰弱が著しい患者[副作用が強く発現する恐れがある]。

5.遺伝性果糖不耐症の患者[本剤の添加剤D−ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発される恐れがある]。

6.高齢者。

7.小児。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.本剤はイリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤とは有効性、安全性、薬物動態が異なる。本剤をイリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤の代替として使用しない。また、本剤をイリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤と同様の用法・用量で投与しない。

2.本剤は点滴静注により使用する。

3.重篤な過敏反応が現れることがあるので、観察を十分に行い、過敏症状(呼吸困難、血圧低下等)が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

4.骨髄機能抑制、高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行う。投与後2週間は特に頻回に末梢血液検査を行うなど、極めて注意深く観察する。また、使用が長期間にわたると副作用が強く現れ、遷延することがあるので、投与は慎重に行う。

1).骨髄機能抑制:本剤の投与にあたっては、白血球の変動に十分留意し、投与予定日の白血球数が3000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法で2クール目以降血小板数が7.5万/mm3未満)の場合には、本剤の投与を中止又は延期し、投与予定日の白血球数が3000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、白血球数が急激な減少又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期する。また、白血球数が異常な高値を示す患者及びCRP異常値を示すなど感染症が疑われる患者では、投与後に白血球の急激な減少が起こることがあるので、このような場合には、投与予定日の白血球数が3000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、骨髄機能の回復を十分に確認してから投与を行う。白血球減少(好中球減少)を認めた場合には、観察を十分に行い、減少の程度に応じてG−CSF等の白血球増多剤の投与、発熱を伴う場合には適切な抗生剤の投与、その他必要に応じて適切な感染症対策を行う。

2).下痢:本剤の投与により排便回数増加、水様便又は腹痛を伴うような場合は、継続投与により下痢が強く発現することがある。また、腹痛を有する患者に本剤を投与した場合、高度な下痢が現れることがあるので、このような場合には症状の回復を待って投与を行う。下痢が発現した場合には、次の事項に留意する。

(1).高度な下痢の持続により、脱水及び電解質異常等を来し、特に重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、致命的な経過をたどることがあるので、次のような処置を行う:①ロペラミド塩酸塩等の止瀉剤の投与を行う(但し、腸管麻痺を引き起こすことがあるので、ロペラミド塩酸塩等の予防的投与や、漫然とした投与は行わない)、②脱水を認めた場合には、輸液、電解質補充を行う、③重篤な白血球減少・重篤な好中球減少を伴った場合には、適切な抗生剤の投与を考慮する。

(2).高度な下痢や嘔吐に伴いショック(循環不全)が現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

なお、本剤による下痢に関しては、次の2つの機序が考えられている。

①.早発型の下痢:本剤投与中あるいは投与直後に発現し、コリン作動性と考えられ、高度である場合もあるが多くは一過性であり、副交感神経遮断剤の投与により緩和することがある。

②.遅発型の下痢:本剤投与後24時間以降に発現し、主に本剤の活性代謝物(SN−38)による腸管粘膜傷害に基づくものと考えられ、持続することがある。

5.重症感染症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、出血傾向、腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞、腸炎及び間質性肺炎の発現又は重症感染症増悪、播種性血管内凝固症候群増悪(DIC増悪)、出血傾向増悪、腸管穿孔増悪、消化管出血増悪、腸閉塞増悪、腸炎増悪及び間質性肺炎増悪に十分注意する。

6.悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状が高頻度に現れるので、観察を十分に行い、適切な処置を行う。

7.投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用が現れることがあるので、使用上の注意に十分注意する。

8.小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮する。

9.Gilbert症候群のようなグルクロン酸抱合異常の患者においては、本剤の代謝が遅延することにより骨髄機能抑制等の重篤な副作用が発現する可能性が高いため、十分注意する。

10.本剤の活性代謝物(SN−38)の主な代謝酵素であるUDP−グルクロン酸転移酵素(UDP−glucuronosyltransferase、UGT)の2つの遺伝子多型(UGT1A1*6、UGT1A1*28)について、いずれかをホモ接合体(UGT1A1*6/*6、UGT1A1*28/*28)又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6/*28)として持つ患者では、UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し、SN−38の代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されているため、十分注意する。

11.小児悪性固形腫瘍に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:イリノテカン塩酸塩水和物(小児悪性固形腫瘍)」等)を熟読する。

相互作用

1.併用禁忌:アタザナビル硫酸塩<レイアタッツ>[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがある(本剤の活性代謝物(SN−38)は、主に肝のUGT1A1によりグルクロン酸抱合体(SN−38G)となり、UGT阻害作用のあるアタザナビル硫酸塩との併用により、本剤の代謝が遅延することが考えられる)]。

2.併用注意:

1).他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(併用により殺細胞作用が増強される)]。

2).末梢性筋弛緩剤[末梢性筋弛緩剤の作用が減弱する恐れがある(本剤の動物実験で、筋収縮増強作用が認められている)]。

3).CYP3A4阻害剤(アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、リトナビル、ジルチアゼム塩酸塩、ニフェジピン、モザバプタン塩酸塩等)、グレープフルーツジュース[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN−38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化されるので、CYP3A4を阻害するこれらの薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が阻害されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN−38の生成がその分増加し、SN−38の全身曝露量が増加することが考えられる)]。

4).CYP3A4誘導剤(フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェノバルビタール等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の活性代謝物<SN−38>の血中濃度が低下し作用が減弱する恐れがあるので、本剤投与期間中はこれらの薬剤・食品との併用を避けることが望ましい(本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN−38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化されるので、CYP3A4を誘導するこれらの薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が促進されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN−38の生成がその分減少し、SN−38の全身曝露量が減少することが考えられる)]。

5).ソラフェニブトシル酸塩[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(本剤の活性代謝物(SN−38)は主に肝のUGT1A1によりグルクロン酸抱合体(SN−38G)となり、UGT1A1阻害作用のあるソラフェニブトシル酸塩併用で本剤及び活性代謝物(SN−38)の血中濃度上昇する可能性がある)]。

6).ラパチニブトシル酸塩水和物[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(機序は不明だが、ラパチニブトシル酸塩水和物との併用により、本剤の活性代謝物(SN−38)のAUCが約40%増加したとの報告がある)]。

7).レゴラフェニブ水和物[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(本剤の活性代謝物SN−38は主に肝のUGT1A1によりSN−38Gとなり、UGT1A1阻害作用のあるレゴラフェニブ水和物併用で本剤及びSN−38のAUCが各28%及び44%増加し、Cmaxが各22%増加及び9%減少したとの報告がある)]。

※UGT1A1:UDP−グルクロン酸転移酵素1A1、SN−38:本剤の活性代謝物、SN−38G:SN−38のグルクロン酸抱合体。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しており、排泄が遅れることから、骨髄機能抑制、下痢等の副作用に注意し、異常が認められた場合には、回復を十分に確認してから投与を行うなど、投与間隔に留意する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(また、妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導する)[動物実験(ラット・ウサギ)で催奇形性作用、胚死亡・胎仔死亡が報告されている]。

2.パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導する[ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウス骨髄細胞を用いた小核試験において、遺伝毒性が報告されている]。

3.授乳中の女性には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

1.小児悪性固形腫瘍:小児悪性固形腫瘍の幼児又は小児悪性固形腫瘍の小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与する。小児悪性固形腫瘍の低出生体重児、小児悪性固形腫瘍の新生児又は小児悪性固形腫瘍の乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

2.小児悪性固形腫瘍以外:小児悪性固形腫瘍以外の低出生体重児、小児悪性固形腫瘍以外の新生児、小児悪性固形腫瘍以外の乳児、小児悪性固形腫瘍以外の幼児又は小児悪性固形腫瘍以外の小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.調製時:本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。

皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流す。

2.投与経路:必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しない。

3.投与時:

1).静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので薬液が血管外に漏れないように投与する。

2).本剤は、輸液に混和後、できるだけ速やかに投与する。

3).本剤は光に不安定なので直射日光を避ける。また、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与する。

1.薬液が皮膚に付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流す。

2.凍結しないように注意する。

その他の注意

欧州における進行性小細胞肺癌を対象とした無作為化第3相臨床試験において、本剤とシスプラチン併用投与群(本剤80mg/㎡を第1、8日目、シスプラチン80mg/㎡を第1日目に投与し3週毎に繰り返す)での治療関連死が39例中4例に認められ、臨床試験が中断された(その後、本剤の投与量を65mg/㎡に減量し、臨床試験は再開され、試験は終了となり、なお、本剤減量後の治療関連死は202例中7例であった)。

トポテシン点滴静注100mg
トポテシン点滴静注100mg

トポテシン点滴静注100mg

抗悪性腫瘍薬 > DNAトポイソメラーゼ1阻害薬
2022年11月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > DNAトポイソメラーゼ1阻害薬
一般名イリノテカン塩酸塩水和物注射液 (1)
薬価3153
メーカーアルフレッサ ファーマ
最終更新2022年11月改訂(第1版)

用法・用量

1.小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌(手術不能又は再発)及び有棘細胞癌はA法を、子宮頚癌、卵巣癌、胃癌(手術不能又は再発)及び結腸・直腸癌(手術不能又は再発)はA法又はB法を使用する。また、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)はC法を、小児悪性固形腫瘍はD法を、治癒切除不能な膵癌はE法を使用する。

1).A法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、100mg/㎡を1週間間隔で3〜4回点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

2).B法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、150mg/㎡を2週間間隔で2〜3回点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

3).C法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、40mg/㎡を3日間連日点滴静注する。これを1週毎に2〜3回繰り返し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

なお、A〜C法の投与量は、年齢、症状により適宜増減する。

4).D法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、20mg/㎡を5日間連日点滴静注する。これを1週毎に2回繰り返し、少なくとも1週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

5).E法:イリノテカン塩酸塩水和物として、1日1回、180mg/㎡を点滴静注し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。

なお、D法及びE法の投与量は、患者の状態により適宜減量する。

2.A法、B法及びE法では、本剤投与時、投与量に応じて500mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、90分以上かけて点滴静注する。C法では、本剤投与時、投与量に応じて250mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する。D法では、本剤投与時、投与量に応じて100mL以上の生理食塩液、ブドウ糖液又は電解質維持液に混和し、60分以上かけて点滴静注する。

用法・用量(補足)

<用法・用量に関連する使用上の注意>

オキサリプラチン、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にする。

1.FOLFIRINOX法を行う場合の2クール目以降の投与可能条件(投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量する):好中球数1500/mm3以上、血小板数75000/mm3以上。

2.FOLFIRINOX法を行う場合の減量基準:前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、次の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する(「減量時の投与量」を参考にする)、また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。

1).好中球減少:

次のいずれかの条件を満たす場合:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で2クール目以降の好中球数の投与可能条件を満たさず投与を延期した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で好中球減少<500/mm3未満が7日以上持続>が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(3).FOLFIRINOX法を行う場合で感染症又は下痢を併発し、かつ好中球減少<1000/mm3未満>が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(4).FOLFIRINOX法を行う場合で発熱性好中球減少症が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

2).下痢:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で発熱<38℃以上>を伴う下痢が発現した場合:本剤を優先的に減量する(但し、本剤の投与レベルがオキサリプラチンより低い場合は、本剤と同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量する)。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で下痢<グレード3以上>が発現した場合:フルオロウラシル持続静注を減量する。

3).血小板減少:

次のいずれかの条件を満たす場合:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で2クール目以降の血小板数の投与可能条件を満たさず投与を延期した場合:オキサリプラチンを優先的に減量する(但し、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する)。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で血小板減少<50000/mm3未満>が発現した場合:オキサリプラチンを優先的に減量する(但し、オキサリプラチンの投与レベルが本剤より低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまで本剤を減量する)。

4).総ビリルビン上昇:

(1).FOLFIRINOX法を行う場合で総ビリルビン上昇<2.0mg/dL超3.0mg/dL以下>が発現した場合:本剤を120mg/㎡に減量する。

(2).FOLFIRINOX法を行う場合で総ビリルビン上昇<3.0mg/dL超>が発現した場合:本剤を90mg/㎡に減量する。

5).FOLFIRINOX法を行う場合で粘膜炎<グレード3以上>が発現した場合:フルオロウラシル持続静注を減量する。

6).FOLFIRINOX法を行う場合で手足症候群<グレード3以上>が発現した場合:フルオロウラシル持続静注を減量する。

FOLFIRINOX法を行う場合の減量基準において、複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用する。

グレード:CTCAE version4.0。

3.FOLFIRINOX法を行う場合の減量時の投与量(オキサリプラチン85mg/㎡、本剤180mg/㎡、フルオロウラシル持続静注2400mg/㎡で投与を開始した場合):

投与レベル−1:オキサリプラチン65mg/㎡、本剤150mg/㎡、フルオロウラシル持続静注1800mg/㎡。

投与レベル−2:オキサリプラチン50mg/㎡、本剤120mg/㎡、フルオロウラシル持続静注1200mg/㎡。

投与レベル−3:オキサリプラチン中止、本剤中止、フルオロウラシル持続静注中止。

効能・効果

小細胞肺癌、非小細胞肺癌、子宮頚癌、卵巣癌、胃癌<手術不能又は再発>、結腸癌<手術不能又は再発>・直腸癌<手術不能又は再発>、乳癌<手術不能又は再発>、有棘細胞癌、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、小児悪性固形腫瘍、治癒切除不能な膵癌。

効能・効果(補足)

<効能・効果に関連する使用上の注意>

1.治癒切除不能な膵癌の場合、患者の病期、全身状態、UGT1A1(本剤の活性代謝物(SN−38)の主な代謝酵素の一分子種である)遺伝子多型等について、添付文書の「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。

2.本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

副作用

副作用発生状況の概要:

<承認時までの臨床試験>

(単独投与)単独投与による臨床試験において、本剤との因果関係が否定できない死亡例が、全投与症例1,245例中55例(4.4%)に、適格例1,150例中45例(3.9%)に認められた。本剤単独投与による安全性評価症例1,134例中、認められた主な副作用は次のとおりであった。

単独療法(1,134例対象);血液:白血球減少78.9%(2000/mm3未満のもの33.5%)、ヘモグロビン減少(貧血)54.8%、血小板減少15.3%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢61.9%(高度なもの20.4%)、悪心・嘔吐74.1%、食欲不振75.4%、腹痛23.2%、腸管麻痺2.3%(腸閉塞0.8%)、腸管穿孔0%、消化管出血0.3%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0.1%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎1.3%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0.4%。

(FOLFIRINOX法)膵癌に対するFOLFIRINOX法(1クールを2週間として第1日目にオキサリプラチン85mg/㎡、レボホリナート200mg/㎡、本剤180mg/㎡を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/㎡を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/㎡を46時間かけて持続静注)による第2相臨床試験における安全性評価症例36例中、認められた主な副作用は次のとおりであった。

FOLFIRINOX法(36例対象);血液:白血球減少91.7%(2000/mm3未満のもの44.4%)、ヘモグロビン減少(貧血)86.1%、血小板減少88.9%、発熱性好中球減少症22.2%、消化器:下痢83.3%(高度なもの8.3%)、悪心・嘔吐88.9%、食欲不振86.1%、腹痛16.7%、腸管麻痺0%(腸閉塞0%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)5.6%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎2.8%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

<非小細胞肺癌に対する第3相臨床試験>非小細胞肺癌に対する第3相臨床試験における本剤投与例(シスプラチンと本剤併用療法群234例:1コースを4週間としてシスプラチン80mg/㎡を第1日に、本剤60mg/㎡を第1、8、15日に投与、本剤単独療法群130例:1コースを4週間として本剤100mg/㎡を第1、8、15日に投与)において、本治療との因果関係が否定できない死亡例が、全投与症例364例中3例(0.8%:シスプラチンと本剤併用療法群2例、本剤単独療法群1例)に認められた。シスプラチンと本剤併用療法群及び本剤単独療法群における安全性評価症例351例中、認められた主な副作用は次のとおりであった。

1.単独療法(127例対象);血液:白血球減少70.9%(2000/mm3未満のもの11.0%)、ヘモグロビン減少(貧血)66.9%、血小板減少2.4%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢60.6%(高度なもの15.0%)、悪心・嘔吐71.7%、食欲不振82.7%、腹痛25.2%、腸管麻痺17.3%(腸閉塞1.6%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎2.4%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

2.併用療法(224例対象);血液:白血球減少90.6%(2000/mm3未満のもの39.3%)、ヘモグロビン減少(貧血)90.6%、血小板減少19.6%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢72.3%(高度なもの12.5%)、悪心・嘔吐91.5%、食欲不振94.6%、腹痛36.2%、腸管麻痺16.1%(腸閉塞1.3%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎0.4%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

3.合計(351例対象);血液:白血球減少83.5%(2000/mm3未満のもの29.1%)、ヘモグロビン減少(貧血)82.1%、血小板減少13.4%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢68.1%(高度なもの13.4%)、悪心・嘔吐84.3%、食欲不振90.3%、腹痛32.2%、腸管麻痺16.5%(腸閉塞1.4%)、腸管穿孔0%、消化管出血0%、大腸炎0%、小腸炎0%、腸炎(部位不明)0%、肝臓:肝機能障害0%、黄疸0%、腎臓:急性腎障害0%、呼吸器:間質性肺炎1.1%、循環器:心筋梗塞0%、狭心症発作0%、心室性期外収縮0%。

<市販後の全症例調査>再審査期間中(平成6年4月〜平成12年1月)に、本剤との因果関係が否定できない死亡例が、本剤投与例16,549例中188例(1.1%)に認められた。市販後に行われた副作用発生状況調査(平成6年4月〜平成7年3月)、使用成績調査(平成7年4月〜平成12年1月)などの全症例調査における調査終了症例15,385例中、認められた主な副作用は次のとおりであった(副作用発生状況調査1,040例、使用成績調査13,935例、非小細胞肺癌に対する第3相臨床試験351例、子宮頚癌・卵巣癌に対する併用第2相臨床試験56例、非ホジキンリンパ腫に対する併用第1相臨床試験3例の集計)。

15,385例対象;血液:白血球減少73.1%(2000/mm3未満のもの34.5%)、ヘモグロビン減少(貧血)57.3%、血小板減少28.0%、発熱性好中球減少症0%、消化器:下痢43.0%(高度なもの10.2%)、悪心・嘔吐52.5%、食欲不振48.1%、腹痛12.2%、腸管麻痺1.6%(腸閉塞0.4%)、腸管穿孔0.03%、消化管出血0.1%、大腸炎0.1%、小腸炎0.04%、腸炎(部位不明)0.1%、肝臓:肝機能障害1.2%、黄疸0.06%、腎臓:急性腎障害0.05%、呼吸器:間質性肺炎0.9%、循環器:心筋梗塞0.01%、狭心症発作0.02%、心室性期外収縮0.04%。

重大な副作用

1.重大な副作用:副作用発現頻度は、承認時までの臨床試験(1,170例)及び市販後の全症例調査(平成6年4月〜平成12年1月:15,385例)に基づき算出した。

副作用自発報告(平成12年1月〜)にて報告された副作用については頻度不明とした。

1).骨髄機能抑制:汎血球減少(頻度不明)、白血球減少(73.5%)、好中球減少(60.3%)、血小板減少(27.4%)、貧血(57.2%)、発熱性好中球減少症(0.05%)等が現れるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。また、高度な骨髄機能抑制の持続により、次のような疾患を併発し、死亡した例も報告されているので、頻回に血液検査を実施し、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う、(1)重症感染症(敗血症、肺炎等):重篤な白血球減少・重篤な好中球減少に伴い、敗血症(頻度不明)、肺炎(頻度不明)等の重症感染症が現れることがある、(2)播種性血管内凝固症候群(DIC):重篤な感染症、血小板減少に伴い、播種性血管内凝固症候群(頻度不明)が現れることがある。

2).高度な下痢、腸炎:下痢(44.4%)、大腸炎(0.1%)、小腸炎(0.04%)、腸炎(部位不明:0.1%)が現れるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。なお、高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常、ショック(循環不全:頻度不明)を併発し、死亡した例も報告されているので、十分に注意する。

3).腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞:腸管穿孔(0.02%)、消化管出血(下血、血便を含む:0.1%)、腸管麻痺(1.7%)、腸閉塞(0.4%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。なお、腸管麻痺・腸閉塞に引き続き腸管穿孔を併発し、死亡した例が報告されているが、これらの症例の中には、腸管蠕動を抑制する薬剤(ロペラミド塩酸塩、モルヒネ硫酸塩水和物等)の併用例があるので、腸管蠕動を抑制する薬剤を併用する場合には、特に注意する。

4).間質性肺炎:間質性肺炎(0.9%)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

5).ショック、アナフィラキシー:ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

6).肝機能障害、黄疸:肝機能障害(1.1%)、黄疸(0.06%)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。

7).急性腎障害:急性腎障害(0.05%)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行う。

8).血栓塞栓症:肺塞栓症(頻度不明)、静脈血栓症(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

9).脳梗塞:脳梗塞(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

10).心筋梗塞、狭心症発作:心筋梗塞(0.01%)、狭心症発作(0.02%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

11).心室性期外収縮:心室性期外収縮(0.05%)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。

その他の副作用

2.その他の副作用:次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行う[副作用発現頻度は、承認時までの臨床試験(1,170例)及び市販後の全症例調査(平成6年4月〜平成12年1月:15,385例)に基づき算出した。副作用自発報告(平成12年1月〜)にて報告された副作用については頻度不明とした]。

1).消化器:(50%以上)悪心・嘔吐、食欲不振、(5〜50%未満)腹痛、(5%未満)食道炎、吐血、腸管運動亢進、しゃっくり、腹部膨満感、口内炎、口唇炎、痔核、胃腸音異常、(頻度不明)胃潰瘍、胃部不快感・腹部不快感、胃炎、消化不良、便秘。

2).肝臓:(5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇、γ−GTP上昇。

3).腎臓:(5%未満)腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、クレアチニンクリアランス低下、電解質異常、蛋白尿、血尿、尿沈渣異常、(頻度不明)乏尿。

4).呼吸器:(5%未満)呼吸困難、PaO2低下、気管支炎、上気道炎、咽頭炎、鼻炎、発声障害、咽頭知覚不全、口腔咽頭不快感、(頻度不明)咽頭痛、咳嗽。

5).過敏症:(5%未満)発疹、そう痒感、(頻度不明)蕁麻疹。

6).皮膚:(5〜50%未満)脱毛、(5%未満)皮膚色素沈着、皮膚浮腫、発赤、紅斑、手足症候群、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥、(頻度不明)帯状疱疹、粘膜炎。

7).精神神経系:(5%未満)しびれ等の末梢神経障害、頭痛、眩暈、精神症状、意識障害、傾眠、興奮・不安感、不穏、(頻度不明)痙攣、耳鳴、味覚異常、うつ病、目のかすみ、不眠、振戦、構語障害。

8).循環器:(5%未満)頻脈、心電図異常、血圧低下、動悸、(頻度不明)不整脈、徐脈、心房細動、高血圧。

9).その他:(5%未満)倦怠感、発熱、熱感、発汗、顔面潮紅、疼痛、腰痛、腹水、鼻汁、好酸球増加、総蛋白減少、アルブミン減少、カルシウム異常、尿酸異常、尿ウロビリノーゲン異常、糖尿、(頻度不明)脱水、コリン作動性症候群、悪寒、胸部不快感、胸痛、関節痛、筋痛、鼻出血、脱力感、無力症、疲労、体重増加、体重減少、LDH低下、白血球増加、血小板増加、白血球分画変動、CRP上昇、注射部位反応(注射部位発赤、注射部位疼痛等)、血管炎、流涙。

警告

1.本剤使用にあたっては、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始する。

2.本剤の臨床試験において、骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例が認められているので、本剤の投与は、緊急時に十分に措置できる医療施設及びがん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与し、次記の患者には投与しないなど適応患者の選択を慎重に行う。

1).骨髄機能抑制のある患者。

2).感染症を合併している患者。

3).下痢(水様便)のある患者。

4).腸管麻痺、腸閉塞のある患者。

5).間質性肺炎又は肺線維症の患者。

6).多量の腹水、多量の胸水のある患者。

7).黄疸のある患者。

8).アタザナビル硫酸塩投与中の患者。

9).本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

3.本剤を含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施する。

4.投与に際しては、骨髄機能抑制、高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察する。

5.骨髄機能抑制による致命的な副作用の発現を回避するために、特に次の事項に十分注意する。

1).投与予定日(投与前24時間以内)に末梢血液検査を必ず実施し、結果を確認してから、本剤投与の適否を慎重に判断する。

2).投与予定日の白血球数が3000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法で2クール目以降血小板数が7.5万/mm3未満)の場合には、本剤の投与を中止又は延期する。

3).投与予定日の白血球数が3000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、白血球数が急激な減少又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期する。

なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

1.骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制が増悪して重症感染症等を併発し、致命的となることがある]。

2.感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]。

3.下痢(水様便)のある患者[下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし、致命的となることがある]。

4.腸管麻痺、腸閉塞のある患者[腸管からの排泄が遅れ、重篤な副作用が発現し、致命的となることがある]。

5.間質性肺炎又は肺線維症の患者[症状が増悪し、致命的となることがある]。

6.多量の腹水、多量の胸水のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある]。

7.黄疸のある患者[重篤な副作用が発現し、致命的となることがある]。

8.アタザナビル硫酸塩投与中の患者。

9.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

慎重投与

1.肝障害のある患者[肝障害が悪化及び副作用が強く発現する恐れがある]。

2.腎障害のある患者[腎障害が悪化及び副作用が強く発現する恐れがある]。

3.糖尿病の患者(十分な管理を行いながら投与する)[高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常を起こして糖尿病が増悪し、致命的となる恐れがある]。

4.全身衰弱が著しい患者[副作用が強く発現する恐れがある]。

5.遺伝性果糖不耐症の患者[本剤の添加剤D−ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発される恐れがある]。

6.高齢者。

7.小児。

基本的注意等

(重要な基本的注意)

1.本剤はイリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤とは有効性、安全性、薬物動態が異なる。本剤をイリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤の代替として使用しない。また、本剤をイリノテカン塩酸塩水和物リポソーム製剤と同様の用法・用量で投与しない。

2.本剤は点滴静注により使用する。

3.重篤な過敏反応が現れることがあるので、観察を十分に行い、過敏症状(呼吸困難、血圧低下等)が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

4.骨髄機能抑制、高度な下痢等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行う。投与後2週間は特に頻回に末梢血液検査を行うなど、極めて注意深く観察する。また、使用が長期間にわたると副作用が強く現れ、遷延することがあるので、投与は慎重に行う。

1).骨髄機能抑制:本剤の投与にあたっては、白血球の変動に十分留意し、投与予定日の白血球数が3000/mm3未満又は血小板数が10万/mm3未満(膵癌FOLFIRINOX法で2クール目以降血小板数が7.5万/mm3未満)の場合には、本剤の投与を中止又は延期し、投与予定日の白血球数が3000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、白血球数が急激な減少又は血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、本剤の投与を中止又は延期する。また、白血球数が異常な高値を示す患者及びCRP異常値を示すなど感染症が疑われる患者では、投与後に白血球の急激な減少が起こることがあるので、このような場合には、投与予定日の白血球数が3000/mm3以上かつ血小板数が10万/mm3以上(膵癌FOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3以上)であっても、骨髄機能の回復を十分に確認してから投与を行う。白血球減少(好中球減少)を認めた場合には、観察を十分に行い、減少の程度に応じてG−CSF等の白血球増多剤の投与、発熱を伴う場合には適切な抗生剤の投与、その他必要に応じて適切な感染症対策を行う。

2).下痢:本剤の投与により排便回数増加、水様便又は腹痛を伴うような場合は、継続投与により下痢が強く発現することがある。また、腹痛を有する患者に本剤を投与した場合、高度な下痢が現れることがあるので、このような場合には症状の回復を待って投与を行う。下痢が発現した場合には、次の事項に留意する。

(1).高度な下痢の持続により、脱水及び電解質異常等を来し、特に重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、致命的な経過をたどることがあるので、次のような処置を行う:①ロペラミド塩酸塩等の止瀉剤の投与を行う(但し、腸管麻痺を引き起こすことがあるので、ロペラミド塩酸塩等の予防的投与や、漫然とした投与は行わない)、②脱水を認めた場合には、輸液、電解質補充を行う、③重篤な白血球減少・重篤な好中球減少を伴った場合には、適切な抗生剤の投与を考慮する。

(2).高度な下痢や嘔吐に伴いショック(循環不全)が現れることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。

なお、本剤による下痢に関しては、次の2つの機序が考えられている。

①.早発型の下痢:本剤投与中あるいは投与直後に発現し、コリン作動性と考えられ、高度である場合もあるが多くは一過性であり、副交感神経遮断剤の投与により緩和することがある。

②.遅発型の下痢:本剤投与後24時間以降に発現し、主に本剤の活性代謝物(SN−38)による腸管粘膜傷害に基づくものと考えられ、持続することがある。

5.重症感染症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、出血傾向、腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞、腸炎及び間質性肺炎の発現又は重症感染症増悪、播種性血管内凝固症候群増悪(DIC増悪)、出血傾向増悪、腸管穿孔増悪、消化管出血増悪、腸閉塞増悪、腸炎増悪及び間質性肺炎増悪に十分注意する。

6.悪心・嘔吐、食欲不振等の消化器症状が高頻度に現れるので、観察を十分に行い、適切な処置を行う。

7.投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用が現れることがあるので、使用上の注意に十分注意する。

8.小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮する。

9.Gilbert症候群のようなグルクロン酸抱合異常の患者においては、本剤の代謝が遅延することにより骨髄機能抑制等の重篤な副作用が発現する可能性が高いため、十分注意する。

10.本剤の活性代謝物(SN−38)の主な代謝酵素であるUDP−グルクロン酸転移酵素(UDP−glucuronosyltransferase、UGT)の2つの遺伝子多型(UGT1A1*6、UGT1A1*28)について、いずれかをホモ接合体(UGT1A1*6/*6、UGT1A1*28/*28)又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6/*28)として持つ患者では、UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し、SN−38の代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されているため、十分注意する。

11.小児悪性固形腫瘍に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:イリノテカン塩酸塩水和物(小児悪性固形腫瘍)」等)を熟読する。

相互作用

1.併用禁忌:アタザナビル硫酸塩<レイアタッツ>[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがある(本剤の活性代謝物(SN−38)は、主に肝のUGT1A1によりグルクロン酸抱合体(SN−38G)となり、UGT阻害作用のあるアタザナビル硫酸塩との併用により、本剤の代謝が遅延することが考えられる)]。

2.併用注意:

1).他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(併用により殺細胞作用が増強される)]。

2).末梢性筋弛緩剤[末梢性筋弛緩剤の作用が減弱する恐れがある(本剤の動物実験で、筋収縮増強作用が認められている)]。

3).CYP3A4阻害剤(アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、ミコナゾール等)、マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、リトナビル、ジルチアゼム塩酸塩、ニフェジピン、モザバプタン塩酸塩等)、グレープフルーツジュース[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN−38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化されるので、CYP3A4を阻害するこれらの薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が阻害されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN−38の生成がその分増加し、SN−38の全身曝露量が増加することが考えられる)]。

4).CYP3A4誘導剤(フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェノバルビタール等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の活性代謝物<SN−38>の血中濃度が低下し作用が減弱する恐れがあるので、本剤投与期間中はこれらの薬剤・食品との併用を避けることが望ましい(本剤は、主にカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物(SN−38)に変換されるが、CYP3A4により一部無毒化されるので、CYP3A4を誘導するこれらの薬剤等との併用により、CYP3A4による無毒化が促進されるため、カルボキシルエステラーゼによるSN−38の生成がその分減少し、SN−38の全身曝露量が減少することが考えられる)]。

5).ソラフェニブトシル酸塩[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(本剤の活性代謝物(SN−38)は主に肝のUGT1A1によりグルクロン酸抱合体(SN−38G)となり、UGT1A1阻害作用のあるソラフェニブトシル酸塩併用で本剤及び活性代謝物(SN−38)の血中濃度上昇する可能性がある)]。

6).ラパチニブトシル酸塩水和物[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(機序は不明だが、ラパチニブトシル酸塩水和物との併用により、本剤の活性代謝物(SN−38)のAUCが約40%増加したとの報告がある)]。

7).レゴラフェニブ水和物[骨髄機能抑制・下痢等の副作用が増強する恐れがあるので、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長する(本剤の活性代謝物SN−38は主に肝のUGT1A1によりSN−38Gとなり、UGT1A1阻害作用のあるレゴラフェニブ水和物併用で本剤及びSN−38のAUCが各28%及び44%増加し、Cmaxが各22%増加及び9%減少したとの報告がある)]。

※UGT1A1:UDP−グルクロン酸転移酵素1A1、SN−38:本剤の活性代謝物、SN−38G:SN−38のグルクロン酸抱合体。

高齢者への注意

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しており、排泄が遅れることから、骨髄機能抑制、下痢等の副作用に注意し、異常が認められた場合には、回復を十分に確認してから投与を行うなど、投与間隔に留意する。

妊婦・産婦・授乳婦への投与

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(また、妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導する)[動物実験(ラット・ウサギ)で催奇形性作用、胚死亡・胎仔死亡が報告されている]。

2.パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊をするよう指導する[ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウス骨髄細胞を用いた小核試験において、遺伝毒性が報告されている]。

3.授乳中の女性には授乳を中止させる[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている]。

新生児・乳児・幼児・小児への投与

(小児等への投与)

1.小児悪性固形腫瘍:小児悪性固形腫瘍の幼児又は小児悪性固形腫瘍の小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与する。小児悪性固形腫瘍の低出生体重児、小児悪性固形腫瘍の新生児又は小児悪性固形腫瘍の乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

2.小児悪性固形腫瘍以外:小児悪性固形腫瘍以外の低出生体重児、小児悪性固形腫瘍以外の新生児、小児悪性固形腫瘍以外の乳児、小児悪性固形腫瘍以外の幼児又は小児悪性固形腫瘍以外の小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

取扱い上の注意

(適用上の注意)

1.調製時:本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。

皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流す。

2.投与経路:必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しない。

3.投与時:

1).静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので薬液が血管外に漏れないように投与する。

2).本剤は、輸液に混和後、できるだけ速やかに投与する。

3).本剤は光に不安定なので直射日光を避ける。また、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与する。

1.薬液が皮膚に付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流す。

2.凍結しないように注意する。

その他の注意

欧州における進行性小細胞肺癌を対象とした無作為化第3相臨床試験において、本剤とシスプラチン併用投与群(本剤80mg/㎡を第1、8日目、シスプラチン80mg/㎡を第1日目に投与し3週毎に繰り返す)での治療関連死が39例中4例に認められ、臨床試験が中断された(その後、本剤の投与量を65mg/㎡に減量し、臨床試験は再開され、試験は終了となり、なお、本剤減量後の治療関連死は202例中7例であった)。

薬剤情報

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