薬剤情報
後発品
薬効分類血小板凝集抑制薬
一般名チクロピジン塩酸塩錠
薬価12.2
メーカークリニジェン
最終更新2022年10月改訂(第1版)

用法・用量

〈血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血流障害の改善〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日200〜300mg(2〜3錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。

〈慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日300〜600mg(3〜6錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。

〈虚血性脳血管障害に伴う血栓・塞栓の治療〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日200〜300mg(2〜3錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。なお、1日200mg(2錠)の場合には1回に投与することもできる。

〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日300mg(3錠)を3回に分けて食後に経口投与する。

〈効能共通〉

年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

投与開始後2ヵ月間は、原則として1回2週間分を処方すること(本剤による重大な副作用を回避するため、患者を来院させ、定期的な血液検査を実施する必要がある)〔1.1−1.4、8.1、11.1.1−11.1.3参照〕。

効能・効果

1). 血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血管手術および血液体外循環に伴う血流障害の改善。

2). 慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善。

3). 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)に伴う血栓・塞栓の治療。

4). クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明):特に投与開始2ヵ月以内に血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、動揺する精神・神経症状、発熱、腎機能障害を主徴とするTTPがあらわれることがある(初期症状である倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状等が出現した場合には、ただちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行うこと)〔1.警告、7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

11.1.2. 無顆粒球症(頻度不明):特に投与開始後2ヵ月以内に発熱、咽頭痛、倦怠感等を初期症状とする無顆粒球症があらわれることがあるので、初期症状が認められた場合には、ただちに投与を中止し、血液検査(血球算定等)及び適切な処置を行うこと〔1.警告、7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

11.1.3. 重篤な肝障害(頻度不明):特に投与開始後2ヵ月以内に悪心・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒感、眼球黄染、皮膚黄染、褐色尿等を初期症状とする著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいビリルビン上昇、著しい総コレステロール上昇を伴う肝機能障害(劇症肝炎、胆汁うっ滞型肝障害)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、肝機能検査を実施すること〔1.警告、7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1、9.3.2参照〕。

11.1.4. 再生不良性貧血を含む汎血球減少症(頻度不明)。

11.1.5. 赤芽球癆(頻度不明)。

11.1.6. 血小板減少症(頻度不明)。

11.1.7. 出血(脳出血等の頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血等の重篤な出血(頻度不明)):頭蓋内出血の初期症状として頭痛、意識障害、片麻痺等があらわれることがある。

11.1.8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形滲出性紅斑、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)。

11.1.9. 消化性潰瘍(頻度不明)。

11.1.10. 急性腎障害(頻度不明)。

11.1.11. 間質性肺炎(頻度不明)。

11.1.12. SLE様症状(頻度不明):発熱、関節痛、胸部痛、胸水貯留、抗核抗体陽性等があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液:(0.1〜5%未満)白血球減少、貧血、顆粒球減少、(0.1%未満)好酸球増多。

2). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒感、じん麻疹、発熱等、(0.1%未満)発赤、紅斑、浮腫等。

3). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、黄疸等、(頻度不明*)LDH上昇、ビリルビン上昇、総コレステロール上昇等。

4). 腎臓:(0.1%未満)クレアチニン上昇、BUN上昇等。

5). 消化器:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、嘔気、食欲不振、胃不快感、下痢、(0.1%未満)口内炎、腹痛、(頻度不明*)味覚障害、膵酵素上昇。

6). その他:(0.1〜5%未満)頭痛、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、(0.1%未満)めまい、易疲労感、心悸亢進、全身倦怠感、血尿、(頻度不明*)眼底出血、結膜出血。

*)使用成績調査を含む。

警告

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が主に投与開始後2ヵ月以内に発現し、死亡に至る例も報告されている〔11.1.1−11.1.3参照〕。

1.1. 投与開始後2ヵ月間は、特に血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の副作用の初期症状の発現に十分留意し、原則として投与開始後2ヵ月間は、2週に1回、血球算定(白血球分画を含む)、肝機能検査を行い、前記副作用の発現が認められた場合には、ただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤投与中は、定期的に血液検査を行い、前記副作用の発現に注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

1.2. 本剤投与中、患者の状態から血栓性血小板減少性紫斑病、顆粒球減少、肝障害の発現等が疑われた場合には、投与を中止し、必要に応じて血液像もしくは肝機能検査を実施し、適切な処置を行うこと〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

1.3. 本剤の投与にあたっては、あらかじめ血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の副作用が発生する場合があることを患者に説明するとともに、次記について患者を指導すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

・ 投与開始後2ヵ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので、原則として2週に1回、来院すること。

・ 副作用を示唆する症状があらわれた場合には、ただちに医師等に連絡し、指示に従うこと。

1.4. 投与開始後2ヵ月間は、原則として1回2週間分を処方すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

禁忌

2.1. 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[止血が困難になることが予想される]。

2.2. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.3. 白血球減少症の患者[本剤の副作用として白血球減少症が報告されているので、より重篤な症状になるおそれがある]。

2.4. チクロピジン塩酸塩による白血球減少症の既往歴のある患者[再投与により白血球減少症を起こすおそれがある]。

2.5. チクロピジン塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 本剤を新たに投与開始する場合には、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれることがあるので、本剤の有効性と安全性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること〔1.1−1.4、7.用法及び用量に関連する注意の項、11.1.1−11.1.3参照〕。

8.2. 脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する脳梗塞患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと〔9.1.4、10.2参照〕。

8.3. 手術の場合には、出血を増強するおそれがあるので、10〜14日前に投与を中止すること(ただし、血小板機能の抑制作用が求められる場合を除く)〔9.1.5、18.4参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 月経期間中の患者:月経血が増加するおそれがある。

9.1.2. 出血傾向ならびに出血傾向素因のある患者:出血を増強するおそれがある。

9.1.3. 白血球減少症の既往歴のある患者:白血球減少症を起こすおそれがある。

9.1.4. 高血圧の患者:出血を起こすおそれがある〔8.2参照〕。

9.1.5. 手術を予定している患者〔8.3参照〕。

9.1.6. 他のチエノピリジン系薬剤(クロピドグレル硫酸塩)に対し過敏症の既往歴のある患者。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと〔2.2参照〕。

9.3.2. 肝機能障害又はその既往歴のある患者:肝障害が悪化又はあらわれるおそれがある〔11.1.3参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). バルビツール酸誘導体、テオフィリン、チザニジン塩酸塩[これらの薬剤の作用を増強することがある(本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を阻害して、血中濃度を上昇させると考えられている)]。

2). フェニトイン[フェニトイン中毒症状<運動失調等>があらわれるおそれがある(本剤がフェニトインの血中濃度を上昇させるとの報告がある)]。

3). 抗凝固薬(ワルファリン等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン等)、血栓溶解薬(ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等)〔8.2参照〕[出血傾向が増強することがある(相互に作用を増強すると考えられている)]。

4). シクロスポリン[シクロスポリンの作用が減弱することがある(本剤がシクロスポリンの血中濃度を低下させるとの報告がある)]。

5). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミンマレイン酸塩、塩酸セルトラリン等)[出血を助長するおそれがある(SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血を助長すると考えられる)]。

高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者では造血機能、代謝機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があり、無顆粒球症等の副作用が起こりやすいとの報告がある)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(妊娠動物(ラット)による実験で母体に出血傾向が報告されている)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

パナルジン錠100mg
パナルジン錠100mg

パナルジン錠100mg

血小板凝集抑制薬
2022年10月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類血小板凝集抑制薬
一般名チクロピジン塩酸塩錠
薬価12.2
メーカークリニジェン
最終更新2022年10月改訂(第1版)

用法・用量

〈血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血流障害の改善〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日200〜300mg(2〜3錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。

〈慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日300〜600mg(3〜6錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。

〈虚血性脳血管障害に伴う血栓・塞栓の治療〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日200〜300mg(2〜3錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。なお、1日200mg(2錠)の場合には1回に投与することもできる。

〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善〉

チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日300mg(3錠)を3回に分けて食後に経口投与する。

〈効能共通〉

年齢、症状により適宜増減する。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

投与開始後2ヵ月間は、原則として1回2週間分を処方すること(本剤による重大な副作用を回避するため、患者を来院させ、定期的な血液検査を実施する必要がある)〔1.1−1.4、8.1、11.1.1−11.1.3参照〕。

効能・効果

1). 血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血管手術および血液体外循環に伴う血流障害の改善。

2). 慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善。

3). 虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)に伴う血栓・塞栓の治療。

4). クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(頻度不明):特に投与開始2ヵ月以内に血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、動揺する精神・神経症状、発熱、腎機能障害を主徴とするTTPがあらわれることがある(初期症状である倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状等が出現した場合には、ただちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行うこと)〔1.警告、7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

11.1.2. 無顆粒球症(頻度不明):特に投与開始後2ヵ月以内に発熱、咽頭痛、倦怠感等を初期症状とする無顆粒球症があらわれることがあるので、初期症状が認められた場合には、ただちに投与を中止し、血液検査(血球算定等)及び適切な処置を行うこと〔1.警告、7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

11.1.3. 重篤な肝障害(頻度不明):特に投与開始後2ヵ月以内に悪心・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒感、眼球黄染、皮膚黄染、褐色尿等を初期症状とする著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいビリルビン上昇、著しい総コレステロール上昇を伴う肝機能障害(劇症肝炎、胆汁うっ滞型肝障害)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、肝機能検査を実施すること〔1.警告、7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1、9.3.2参照〕。

11.1.4. 再生不良性貧血を含む汎血球減少症(頻度不明)。

11.1.5. 赤芽球癆(頻度不明)。

11.1.6. 血小板減少症(頻度不明)。

11.1.7. 出血(脳出血等の頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血等の重篤な出血(頻度不明)):頭蓋内出血の初期症状として頭痛、意識障害、片麻痺等があらわれることがある。

11.1.8. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、多形滲出性紅斑、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)。

11.1.9. 消化性潰瘍(頻度不明)。

11.1.10. 急性腎障害(頻度不明)。

11.1.11. 間質性肺炎(頻度不明)。

11.1.12. SLE様症状(頻度不明):発熱、関節痛、胸部痛、胸水貯留、抗核抗体陽性等があらわれることがある。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 血液:(0.1〜5%未満)白血球減少、貧血、顆粒球減少、(0.1%未満)好酸球増多。

2). 過敏症:(0.1〜5%未満)発疹、そう痒感、じん麻疹、発熱等、(0.1%未満)発赤、紅斑、浮腫等。

3). 肝臓:(0.1〜5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ−GTP上昇、Al−P上昇、黄疸等、(頻度不明*)LDH上昇、ビリルビン上昇、総コレステロール上昇等。

4). 腎臓:(0.1%未満)クレアチニン上昇、BUN上昇等。

5). 消化器:(0.1〜5%未満)悪心、嘔吐、嘔気、食欲不振、胃不快感、下痢、(0.1%未満)口内炎、腹痛、(頻度不明*)味覚障害、膵酵素上昇。

6). その他:(0.1〜5%未満)頭痛、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、(0.1%未満)めまい、易疲労感、心悸亢進、全身倦怠感、血尿、(頻度不明*)眼底出血、結膜出血。

*)使用成績調査を含む。

警告

血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が主に投与開始後2ヵ月以内に発現し、死亡に至る例も報告されている〔11.1.1−11.1.3参照〕。

1.1. 投与開始後2ヵ月間は、特に血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の副作用の初期症状の発現に十分留意し、原則として投与開始後2ヵ月間は、2週に1回、血球算定(白血球分画を含む)、肝機能検査を行い、前記副作用の発現が認められた場合には、ただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤投与中は、定期的に血液検査を行い、前記副作用の発現に注意すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

1.2. 本剤投与中、患者の状態から血栓性血小板減少性紫斑病、顆粒球減少、肝障害の発現等が疑われた場合には、投与を中止し、必要に応じて血液像もしくは肝機能検査を実施し、適切な処置を行うこと〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

1.3. 本剤の投与にあたっては、あらかじめ血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の副作用が発生する場合があることを患者に説明するとともに、次記について患者を指導すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

・ 投与開始後2ヵ月間は定期的に血液検査を行う必要があるので、原則として2週に1回、来院すること。

・ 副作用を示唆する症状があらわれた場合には、ただちに医師等に連絡し、指示に従うこと。

1.4. 投与開始後2ヵ月間は、原則として1回2週間分を処方すること〔7.用法及び用量に関連する注意の項、8.1参照〕。

禁忌

2.1. 出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)[止血が困難になることが予想される]。

2.2. 重篤な肝障害のある患者〔9.3.1参照〕。

2.3. 白血球減少症の患者[本剤の副作用として白血球減少症が報告されているので、より重篤な症状になるおそれがある]。

2.4. チクロピジン塩酸塩による白血球減少症の既往歴のある患者[再投与により白血球減少症を起こすおそれがある]。

2.5. チクロピジン塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 本剤を新たに投与開始する場合には、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、無顆粒球症、重篤な肝障害等の重大な副作用が主に投与開始後2ヵ月以内にあらわれることがあるので、本剤の有効性と安全性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること〔1.1−1.4、7.用法及び用量に関連する注意の項、11.1.1−11.1.3参照〕。

8.2. 脳梗塞患者への投与にあたっては、他の血小板凝集を抑制する薬剤等との相互作用に注意するとともに、高血圧が持続する脳梗塞患者への投与は慎重に行い、投与中は十分な血圧のコントロールを行うこと〔9.1.4、10.2参照〕。

8.3. 手術の場合には、出血を増強するおそれがあるので、10〜14日前に投与を中止すること(ただし、血小板機能の抑制作用が求められる場合を除く)〔9.1.5、18.4参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 月経期間中の患者:月経血が増加するおそれがある。

9.1.2. 出血傾向ならびに出血傾向素因のある患者:出血を増強するおそれがある。

9.1.3. 白血球減少症の既往歴のある患者:白血球減少症を起こすおそれがある。

9.1.4. 高血圧の患者:出血を起こすおそれがある〔8.2参照〕。

9.1.5. 手術を予定している患者〔8.3参照〕。

9.1.6. 他のチエノピリジン系薬剤(クロピドグレル硫酸塩)に対し過敏症の既往歴のある患者。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと〔2.2参照〕。

9.3.2. 肝機能障害又はその既往歴のある患者:肝障害が悪化又はあらわれるおそれがある〔11.1.3参照〕。

相互作用

10.2. 併用注意:

1). バルビツール酸誘導体、テオフィリン、チザニジン塩酸塩[これらの薬剤の作用を増強することがある(本剤がこれらの薬剤の肝臓での代謝を阻害して、血中濃度を上昇させると考えられている)]。

2). フェニトイン[フェニトイン中毒症状<運動失調等>があらわれるおそれがある(本剤がフェニトインの血中濃度を上昇させるとの報告がある)]。

3). 抗凝固薬(ワルファリン等)、血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン等)、血栓溶解薬(ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等)〔8.2参照〕[出血傾向が増強することがある(相互に作用を増強すると考えられている)]。

4). シクロスポリン[シクロスポリンの作用が減弱することがある(本剤がシクロスポリンの血中濃度を低下させるとの報告がある)]。

5). 選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>(フルボキサミンマレイン酸塩、塩酸セルトラリン等)[出血を助長するおそれがある(SSRIの投与により血小板凝集が阻害され、本剤との併用により出血を助長すると考えられる)]。

高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者では造血機能、代謝機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があり、無顆粒球症等の副作用が起こりやすいとの報告がある)。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(妊娠動物(ラット)による実験で母体に出血傾向が報告されている)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

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