薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > タキサン系抗悪性腫瘍薬
一般名カバジタキセルアセトン付加物注射液
薬価470502
メーカーサノフィ
最終更新2020年01月改訂(第1版)

用法・用量

プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1日1回、カバジタキセルとして25mg/㎡(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. プレドニゾロンの投与に際しては、「17.臨床成績」の内容を熟知し、投与すること。

7.2. 本剤投与時にあらわれることがある過敏反応を軽減させるために、本剤投与の30分前までに、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤等の前投与を行うこと〔8.2参照〕。

7.3. 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。

7.4. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を減量又は休薬すること。減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

[本剤の減量・休薬・中止基準]

1). 適切な治療にも関わらず持続するGrade3以上の好中球減少症<1週間以上>〔8.1、11.1.1参照〕:好中球数が1500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/㎡に減量して投与を再開し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

2). 発熱性好中球減少症又は好中球減少性感染〔8.1、11.1.1、11.1.5参照〕:症状が回復又は改善し、好中球数が1500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/㎡に減量して投与を再開し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

3). Grade3以上の下痢、又は水分・電解質補給等の適切な治療にも関わらず持続する下痢〔11.1.4参照〕:症状が回復又は改善するまで休薬し、その後、用量を20mg/㎡に減量して投与を再開し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

4). Grade3以上の末梢性ニューロパチー〔11.1.9参照〕:投与を中止する。

5). Grade2の末梢性ニューロパチー〔11.1.9参照〕:用量を20mg/㎡に減量し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

GradeはNCI−CTCAEによる。

効能・効果

前立腺癌。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 本剤は外科的又は内科的去勢術を行い、進行又は再発が確認された患者を対象とすること。

5.2. 本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。

5.3. 「17.臨床成績」の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 骨髄抑制:好中球減少症(30.1%)、発熱性好中球減少症(12.5%)、貧血(10.6%)、白血球減少症(7.0%)、リンパ球減少症(0.2%)、血小板減少症(5.5%)等の骨髄抑制があらわれ、その結果、好中球減少性敗血症(0.7%)、敗血症性ショック(0.7%)等を併発する例も報告されている。発熱性好中球減少症が発現した場合は、適切な抗生剤の使用について、最新のガイドライン等を参考にすること。特に、体表面積の小さい患者及び高齢者では、好中球減少症、発熱性好中球減少症等の骨髄抑制の発現頻度が高かったとの報告がある〔7.4、8.1、9.1.1、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. 腎不全(1.0%):腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.3参照〕。

11.1.3. 消化管出血(1.0%)、消化管穿孔(頻度不明)、イレウス(0.2%)、重篤な腸炎(0.5%*):消化管出血、消化管穿孔、イレウス、重篤な腸炎等があらわれることがある。

11.1.4. 重篤な下痢(5.1%*):電解質異常、脱水等の異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止する等、適切な処置を行うこと〔7.4参照〕。

11.1.5. 感染症(16.1%):敗血症、肺炎等の感染症があらわれることがあるので、感染症が発症又は感染症増悪した場合には、直ちに抗生剤の投与等の適切な処置を行うこと〔7.4参照〕。

11.1.6. 不整脈(1.0%)〔8.4参照〕。

11.1.7. 心不全(頻度不明)。

11.1.8. アナフィラキシーショック(頻度不明)。

11.1.9. 末梢神経障害(13.3%)〔7.4参照〕。

11.1.10. 肝不全(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)〔8.5参照〕。

11.1.11. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明):血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

11.1.12. 急性膵炎(頻度不明)。

11.1.13. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)。

11.1.14. 心タンポナーデ(頻度不明)、浮腫(3.9%)、体液貯留(頻度不明)〔9.1.4参照〕。

11.1.15. 心筋梗塞(頻度不明)、静脈血栓塞栓症(1.2%)。

11.1.16. 間質性肺疾患:肺臓炎(頻度不明)、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)等があらわれることがある〔9.1.3参照〕。

11.1.17. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)。

11.1.18. 重篤な口内炎等の粘膜炎(頻度不明)。

11.1.19. 血管炎(頻度不明)。

*:Grade3以上の副作用から頻度を算出した。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 免疫系:(1〜5%未満)過敏症。

2). 代謝・栄養系:(5〜20%未満)食欲減退、(1〜5%未満)脱水。

3). 精神系:(1〜5%未満)不眠症。

4). 神経系:(5〜20%未満)味覚異常、(1〜5%未満)浮動性めまい、錯感覚、頭痛、嗜眠、感覚鈍麻。

5). 眼:(1〜5%未満)流涙増加。

6). 血管:(1〜5%未満)低血圧、潮紅、起立性低血圧、(1%未満)高血圧、ほてり。

7). 呼吸器:(1〜5%未満)呼吸困難、咳嗽、(1%未満)口腔咽頭痛。

8). 消化器:(20%以上)悪心、(5〜20%未満)嘔吐、便秘、(1〜5%未満)腹痛、消化不良、上腹部痛、口内炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、腹部膨満、歯周病、(1%未満)痔核、口腔内痛。

9). 皮膚:(5〜20%未満)脱毛症、(1〜5%未満)皮膚乾燥、爪障害、発疹、紅斑。

10). 筋骨格系:(1〜5%未満)筋痙縮、四肢痛、筋力低下、関節痛、筋肉痛、(1%未満)筋骨格痛、背部痛。

11). 腎臓・泌尿器:(1〜5%未満)血尿、排尿困難、(1%未満)尿失禁、出血性膀胱炎、水腎症、尿閉。

12). 全身:(20%以上)疲労、(5〜20%未満)無力症、(1〜5%未満)粘膜炎症、発熱、倦怠感、インフルエンザ様疾患、(1%未満)疼痛。

13). 臨床検査:(1〜5%未満)体重減少、AST上昇、ALT上昇、(1%未満)ヘモグロビン減少、トランスアミナーゼ上昇、体重増加、γ−GTP上昇、血中ビリルビン増加。

14). その他:(頻度不明)Radiation Recall現象。

警告

好中球減少症、発熱性好中球減少症、貧血等の重篤な骨髄抑制があらわれ、その結果重症感染症等により死亡に至る例が報告されている。本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、次記の患者には投与しない等、適応患者の選択を慎重に行うこと。

・ 重篤な骨髄抑制のある患者。

・ 感染症を合併している患者。

・ 発熱を有し感染症の疑われる患者。

・ 肝機能障害を有する患者。

治療の開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること〔2.1−2.4、8.1、9.1.1、9.3肝機能障害患者の項参照〕。

禁忌

2.1. 重篤な骨髄抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的となることがある]〔1.警告の項参照〕。

2.2. 感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]〔1.警告の項参照〕。

2.3. 発熱を有し感染症の疑われる患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]〔1.警告の項参照〕。

2.4. 肝機能障害を有する患者〔1.警告、9.3肝機能障害患者の項、17.1.2参照〕。

2.5. 本剤又はポリソルベート80含有製剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者[本剤はポリソルベート80を含有する]。

重要な基本的注意

8.1. 重篤な骨髄抑制が高頻度にあらわれるので、次記の点に留意すること〔1.警告、7.4、9.1.1、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。

・ 本剤の投与にあたってはG−CSF製剤の適切な使用を、最新のガイドライン等を参考に考慮すること。

・ 投与後は頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

・ 特に感染症の発現に十分注意し、好中球減少、CRP上昇、発熱等の有無を確認すること。

8.2. 本剤投与により、全身発疹や紅斑、血圧低下、気管支痙攣等を含む重篤な過敏反応があらわれることがあるので、特に本剤の初回及び2回目の投与中は患者の状態を注意深く観察すること。過敏反応は本剤投与開始から数分以内に起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍、心電図等)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。重篤な過敏反応があらわれた場合は、直ちに本剤投与を中止し適切な処置を行うこと(本剤投与により重篤な過敏反応を起こした患者には再投与しないこと)〔7.2参照〕。

8.3. 重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行うこと〔11.1.2参照〕。

8.4. 不整脈があらわれることがあるので、本剤投与中は十二誘導心電図検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。

8.5. 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は肝機能検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.10参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 骨髄抑制のある患者:骨髄抑制が増悪し、重症感染症等を併発するおそれがある〔1.警告の項、8.1、11.1.1参照〕。

9.1.2. 次の発熱性好中球減少症のリスク因子を有する患者[1)65歳以上、2)Performance Status不良、3)発熱性好中球減少症の既往歴、4)広範囲放射線照射の前治療歴等の強い前治療歴、5)腫瘍骨髄浸潤等]:特にG−CSF製剤の予防投与(一次予防)を考慮すること(重篤な骨髄抑制が高頻度にあらわれるおそれがある)。

9.1.3. 間質性肺疾患又はその既往歴のある患者:症状を増悪させるおそれがある〔11.1.16参照〕。

9.1.4. 浮腫のある患者:浮腫を増悪させるおそれがある〔11.1.14参照〕。

9.1.5. アルコールに過敏な患者:本剤をアルコールに過敏な患者に投与する場合には問診により適切かどうか判断すること(本剤の添付溶解液はエタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがある)。

(肝機能障害患者)

投与しないこと(本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、肝機能障害を有する患者に本剤を投与した場合、好中球減少症、敗血症等による死亡例を含む重篤な副作用の発現や副作用の増悪が認められている)〔1.警告の項、2.4、17.1.2参照〕。

(生殖能を有する者)

生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること(動物実験(マウス、ラット、イヌ)において精巣毒性が認められている)。

相互作用

本剤は主にCYP3Aで代謝される〔16.7.1参照〕。

10.2. 併用注意:

1). CYP3Aを強く阻害する薬剤(ケトコナゾール(注射剤、経口剤は国内未承認)、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、ボリコナゾール等)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が上昇し副作用が強くあらわれるおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮することが望ましいが、併用が必要な場合は副作用の発現に十分注意し、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること(これら薬剤の強いCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。

2). CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮することが望ましい(これら薬剤の強いCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。

高齢者

副作用の発現に注意すること(海外第3相臨床試験において、65歳以上の患者では、それ以外の患者に比べ疲労、好中球減少症、無力症、発熱、浮動性めまい、尿路感染、脱水等の副作用が、またGrade3以上では好中球減少症<Grade3以上>及び発熱性好中球減少症<Grade3以上>等の副作用が多く認められた。国内第1相臨床試験において、65歳以上の患者では、それ以外の患者に比べ末梢性浮腫、嘔吐、腹部膨満等の副作用が、またGrade3以上では悪心<Grade3以上>、発熱性好中球減少症<Grade3以上>、血小板減少症<Grade3以上>、食欲減退<Grade3以上>等の副作用が多く認められた)〔8.1、11.1.1参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 調製時には手袋を着用することが望ましい。本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流し、また、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。

14.1.2. ポリ塩化ビニル製の輸液バッグ及びポリウレタン製の輸液セットの使用は避けること。

14.2. 調製方法

14.2.1. 本剤は投与前に2段階の希釈を無菌的に行う必要がある。必ず次に示す「調製方法」に従い調製を行うこと。ジェブタナ点滴静注60mg及び添付溶解液バイアルは調製時の損失を考慮に入れ過量充填されている。本剤全量に対し添付溶解液全量を使用して溶解することで、カバジタキセル濃度10mg/mLのプレミックス液(希釈の1段階目)を調製することができる〔3.1参照〕。

14.2.2. 本剤の投与時には、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、最終濃度が0.10〜0.26mg/mLとなるよう必要量を注射筒で抜き取り、直ちに生理食塩液又は5%ブドウ糖液と混和し、1時間かけて点滴静注すること。

14.2.3. 輸液と混和した後は速やかに使用すること(やむをえず保存する場合は、室温で8時間、冷蔵保存で48時間(いずれも点滴に要する1時間を含む)以内に使用すること)。

14.2.4. 他剤<生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>との混注を行わないこと。

14.3. 薬剤投与時の注意

14.3.1. 0.2又は0.22μmのインラインフィルターを通して投与すること。

14.3.2. 輸液に混和後の投与液は、過飽和の状態であり、結晶が析出している場合は使用しないこと。

14.3.3. 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすおそれがあるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. ラットにおける10サイクル反復投与毒性試験において、カバジタキセル10〜20mg/kg投与群(AUCに基づく臨床曝露量の約6倍)で、軽微から軽度の水晶体嚢下の水晶体線維膨化及び水晶体線維変性が認められ、この変化は8週間の休薬後においても完全には回復しなかった。なお、5mg/kgの用量(AUCに基づく臨床曝露量の約2.5〜3倍)では水晶体の病理組織学的所見はみられなかった。

15.2.2. カバジタキセルのヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験で、倍数体細胞数増加がみられたが染色体の構造異常はみられなかった。また、in vivoラット骨髄小核試験で0.5mg/kg以上の用量で有小核細胞増加がみられた。

15.2.3. マウスにカバジタキセルを単回静脈内投与した試験において、脳ニューロン壊死あるいは脳ニューロン空胞化、並びに頸髄軸索腫脹及び頸髄軸索変性が認められた。マウスに1分間又は1時間かけて単回静脈内投与したときの中枢神経毒性に関する最小の無影響量は10mg/kg(動物の曝露量はAUCの比較で臨床曝露量の約7倍)であった。

貯法

(保管上の注意)

冷蔵庫内に保存せず、15〜30℃で保存すること。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(ジェブタナ点滴静注60mg調製方法)

[調製時の注意事項]

本剤は投与前に必ず2段階の希釈を行う必要がある。次に示す調製の全過程を予め確認したうえで、調製操作を始めること。

注意:ジェブタナ点滴静注60mg/1.5mLバイアル(充填量:1.83mL中にカバジタキセル73.2mgを含む)及び添付溶解液バイアル(充填量:5.67mL)は、いずれも調製時の損失を補うため、過量充填されている。

本剤全量に対し添付溶解液全量を使用して溶解したときカバジタキセル濃度10mg/mLのプレミックス液が調製される。

次の2段階の調製は、無菌的に行うこと。

1). ステップ1:プレミックス液(ジェブタナ点滴静注60mgと添付溶解液の混合液)の調製:

1−1. バイアルの内容確認:ジェブタナ点滴静注60mgバイアル及び添付溶解液が澄明であることを目視にて確認する。

1−2. 添付溶解液の抜き取り:注射針を装着したシリンジを用いて、斜めにした添付溶解液バイアルから、無菌的に全量を抜き取る。

1−3. 添付溶解液の注入:抜き取った全量をジェブタナ点滴静注60mgバイアルに注入する。この際、泡立ちの発生を最小限にするため、注射針をバイアル内壁に付け、ゆっくりと注入する。

溶解後の液はカバジタキセル濃度10mg/mLとなる。

1−4. 混和:シリンジと注射針を取り去り、澄明で均一になるまで、穏やかに転倒混和する(約45秒間)。

1−5. プレミックス液の完成:バイアルを約5分間放置し、溶液が澄明で均一になったことを確認する(通常、5分間の放置後も泡は残っている)。

調製後のプレミックス液はカバジタキセル濃度10mg/mL(表示量である6mL採取可能な量)となる。

「ステップ2」の手順に従い、速やかに(1時間以内に)次の希釈を行うこと。

2). ステップ2:点滴用溶液の調製:

2−1. 必要量の抜き取り:注射針を装着した目盛付きシリンジで、プレミックス液(カバジタキセル濃度10mg/mL)の必要量を無菌的に抜き取る。

例として、カバジタキセル45mgの投与には、プレミックス液4.5mLが必要となる。

投与量により複数バイアル分のプレミックス液が必要となる場合もある。

ステップ1で調製したプレミックス液はバイアル壁に泡が残っていることがあるので、抜き取る際は注射針で中央から抜くのが望ましい。

2−2. 点滴用容器への注入:抜き取ったプレミックス液を、ポリ塩化ビニルを含まない容器に入った輸液(生理食塩液又は5%ブドウ糖液)に混和する。点滴用溶液の最終濃度は0.10〜0.26mg/mLとなるよう調製すること。

<参考>調製例

①. カバジタキセル投与量<25mg:輸液バッグの容量100mL。

②. カバジタキセル投与量25〜65mg:輸液バッグの容量250mL。

③. カバジタキセル投与量>65mg:輸液バッグの容量500mL。

2−3. 混和:シリンジを外し、輸液バッグ又はボトルを転倒混和する。

2−4. 点滴用溶液の確認:他の注射剤と同様、使用前に点滴用溶液を目視で確認し、沈殿物が認められた場合は使用しないこと。

3). その他の注意事項:ポリ塩化ビニル製の輸液バッグ及びポリウレタン製の輸液セットの使用は避けること[ポリ塩化ビニル製の輸液バッグでは、カバジタキセル含量の低下及び可塑剤DEHPの溶出が認められ、また、ポリウレタン製の輸液セットではカバジタキセルの吸着が認められた]。

ジェブタナ点滴静注60mg
後発品はありません
ジェブタナ点滴静注60mg
ジェブタナ点滴静注60mg

ジェブタナ点滴静注60mg

抗悪性腫瘍薬 > タキサン系抗悪性腫瘍薬
2020年01月改訂(第1版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > タキサン系抗悪性腫瘍薬
一般名カバジタキセルアセトン付加物注射液
薬価470502
メーカーサノフィ
最終更新2020年01月改訂(第1版)

用法・用量

プレドニゾロンとの併用において、通常、成人に1日1回、カバジタキセルとして25mg/㎡(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量すること。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. プレドニゾロンの投与に際しては、「17.臨床成績」の内容を熟知し、投与すること。

7.2. 本剤投与時にあらわれることがある過敏反応を軽減させるために、本剤投与の30分前までに、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤等の前投与を行うこと〔8.2参照〕。

7.3. 他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。

7.4. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を減量又は休薬すること。減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

[本剤の減量・休薬・中止基準]

1). 適切な治療にも関わらず持続するGrade3以上の好中球減少症<1週間以上>〔8.1、11.1.1参照〕:好中球数が1500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/㎡に減量して投与を再開し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

2). 発熱性好中球減少症又は好中球減少性感染〔8.1、11.1.1、11.1.5参照〕:症状が回復又は改善し、好中球数が1500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/㎡に減量して投与を再開し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

3). Grade3以上の下痢、又は水分・電解質補給等の適切な治療にも関わらず持続する下痢〔11.1.4参照〕:症状が回復又は改善するまで休薬し、その後、用量を20mg/㎡に減量して投与を再開し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

4). Grade3以上の末梢性ニューロパチー〔11.1.9参照〕:投与を中止する。

5). Grade2の末梢性ニューロパチー〔11.1.9参照〕:用量を20mg/㎡に減量し、減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

GradeはNCI−CTCAEによる。

効能・効果

前立腺癌。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 本剤は外科的又は内科的去勢術を行い、進行又は再発が確認された患者を対象とすること。

5.2. 本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。

5.3. 「17.臨床成績」の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 骨髄抑制:好中球減少症(30.1%)、発熱性好中球減少症(12.5%)、貧血(10.6%)、白血球減少症(7.0%)、リンパ球減少症(0.2%)、血小板減少症(5.5%)等の骨髄抑制があらわれ、その結果、好中球減少性敗血症(0.7%)、敗血症性ショック(0.7%)等を併発する例も報告されている。発熱性好中球減少症が発現した場合は、適切な抗生剤の使用について、最新のガイドライン等を参考にすること。特に、体表面積の小さい患者及び高齢者では、好中球減少症、発熱性好中球減少症等の骨髄抑制の発現頻度が高かったとの報告がある〔7.4、8.1、9.1.1、9.8高齢者の項参照〕。

11.1.2. 腎不全(1.0%):腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがある〔8.3参照〕。

11.1.3. 消化管出血(1.0%)、消化管穿孔(頻度不明)、イレウス(0.2%)、重篤な腸炎(0.5%*):消化管出血、消化管穿孔、イレウス、重篤な腸炎等があらわれることがある。

11.1.4. 重篤な下痢(5.1%*):電解質異常、脱水等の異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止する等、適切な処置を行うこと〔7.4参照〕。

11.1.5. 感染症(16.1%):敗血症、肺炎等の感染症があらわれることがあるので、感染症が発症又は感染症増悪した場合には、直ちに抗生剤の投与等の適切な処置を行うこと〔7.4参照〕。

11.1.6. 不整脈(1.0%)〔8.4参照〕。

11.1.7. 心不全(頻度不明)。

11.1.8. アナフィラキシーショック(頻度不明)。

11.1.9. 末梢神経障害(13.3%)〔7.4参照〕。

11.1.10. 肝不全(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)〔8.5参照〕。

11.1.11. 播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明):血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノゲン濃度等の血液検査に異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

11.1.12. 急性膵炎(頻度不明)。

11.1.13. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)(頻度不明)。

11.1.14. 心タンポナーデ(頻度不明)、浮腫(3.9%)、体液貯留(頻度不明)〔9.1.4参照〕。

11.1.15. 心筋梗塞(頻度不明)、静脈血栓塞栓症(1.2%)。

11.1.16. 間質性肺疾患:肺臓炎(頻度不明)、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)等があらわれることがある〔9.1.3参照〕。

11.1.17. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)。

11.1.18. 重篤な口内炎等の粘膜炎(頻度不明)。

11.1.19. 血管炎(頻度不明)。

*:Grade3以上の副作用から頻度を算出した。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 免疫系:(1〜5%未満)過敏症。

2). 代謝・栄養系:(5〜20%未満)食欲減退、(1〜5%未満)脱水。

3). 精神系:(1〜5%未満)不眠症。

4). 神経系:(5〜20%未満)味覚異常、(1〜5%未満)浮動性めまい、錯感覚、頭痛、嗜眠、感覚鈍麻。

5). 眼:(1〜5%未満)流涙増加。

6). 血管:(1〜5%未満)低血圧、潮紅、起立性低血圧、(1%未満)高血圧、ほてり。

7). 呼吸器:(1〜5%未満)呼吸困難、咳嗽、(1%未満)口腔咽頭痛。

8). 消化器:(20%以上)悪心、(5〜20%未満)嘔吐、便秘、(1〜5%未満)腹痛、消化不良、上腹部痛、口内炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、腹部膨満、歯周病、(1%未満)痔核、口腔内痛。

9). 皮膚:(5〜20%未満)脱毛症、(1〜5%未満)皮膚乾燥、爪障害、発疹、紅斑。

10). 筋骨格系:(1〜5%未満)筋痙縮、四肢痛、筋力低下、関節痛、筋肉痛、(1%未満)筋骨格痛、背部痛。

11). 腎臓・泌尿器:(1〜5%未満)血尿、排尿困難、(1%未満)尿失禁、出血性膀胱炎、水腎症、尿閉。

12). 全身:(20%以上)疲労、(5〜20%未満)無力症、(1〜5%未満)粘膜炎症、発熱、倦怠感、インフルエンザ様疾患、(1%未満)疼痛。

13). 臨床検査:(1〜5%未満)体重減少、AST上昇、ALT上昇、(1%未満)ヘモグロビン減少、トランスアミナーゼ上昇、体重増加、γ−GTP上昇、血中ビリルビン増加。

14). その他:(頻度不明)Radiation Recall現象。

警告

好中球減少症、発熱性好中球減少症、貧血等の重篤な骨髄抑制があらわれ、その結果重症感染症等により死亡に至る例が報告されている。本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、次記の患者には投与しない等、適応患者の選択を慎重に行うこと。

・ 重篤な骨髄抑制のある患者。

・ 感染症を合併している患者。

・ 発熱を有し感染症の疑われる患者。

・ 肝機能障害を有する患者。

治療の開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること〔2.1−2.4、8.1、9.1.1、9.3肝機能障害患者の項参照〕。

禁忌

2.1. 重篤な骨髄抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的となることがある]〔1.警告の項参照〕。

2.2. 感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]〔1.警告の項参照〕。

2.3. 発熱を有し感染症の疑われる患者[感染症が増悪し、致命的となることがある]〔1.警告の項参照〕。

2.4. 肝機能障害を有する患者〔1.警告、9.3肝機能障害患者の項、17.1.2参照〕。

2.5. 本剤又はポリソルベート80含有製剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者[本剤はポリソルベート80を含有する]。

重要な基本的注意

8.1. 重篤な骨髄抑制が高頻度にあらわれるので、次記の点に留意すること〔1.警告、7.4、9.1.1、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。

・ 本剤の投与にあたってはG−CSF製剤の適切な使用を、最新のガイドライン等を参考に考慮すること。

・ 投与後は頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

・ 特に感染症の発現に十分注意し、好中球減少、CRP上昇、発熱等の有無を確認すること。

8.2. 本剤投与により、全身発疹や紅斑、血圧低下、気管支痙攣等を含む重篤な過敏反応があらわれることがあるので、特に本剤の初回及び2回目の投与中は患者の状態を注意深く観察すること。過敏反応は本剤投与開始から数分以内に起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍、心電図等)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。重篤な過敏反応があらわれた場合は、直ちに本剤投与を中止し適切な処置を行うこと(本剤投与により重篤な過敏反応を起こした患者には再投与しないこと)〔7.2参照〕。

8.3. 重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行うこと〔11.1.2参照〕。

8.4. 不整脈があらわれることがあるので、本剤投与中は十二誘導心電図検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。

8.5. 肝不全、肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は肝機能検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.10参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 骨髄抑制のある患者:骨髄抑制が増悪し、重症感染症等を併発するおそれがある〔1.警告の項、8.1、11.1.1参照〕。

9.1.2. 次の発熱性好中球減少症のリスク因子を有する患者[1)65歳以上、2)Performance Status不良、3)発熱性好中球減少症の既往歴、4)広範囲放射線照射の前治療歴等の強い前治療歴、5)腫瘍骨髄浸潤等]:特にG−CSF製剤の予防投与(一次予防)を考慮すること(重篤な骨髄抑制が高頻度にあらわれるおそれがある)。

9.1.3. 間質性肺疾患又はその既往歴のある患者:症状を増悪させるおそれがある〔11.1.16参照〕。

9.1.4. 浮腫のある患者:浮腫を増悪させるおそれがある〔11.1.14参照〕。

9.1.5. アルコールに過敏な患者:本剤をアルコールに過敏な患者に投与する場合には問診により適切かどうか判断すること(本剤の添付溶解液はエタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがある)。

(肝機能障害患者)

投与しないこと(本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、肝機能障害を有する患者に本剤を投与した場合、好中球減少症、敗血症等による死亡例を含む重篤な副作用の発現や副作用の増悪が認められている)〔1.警告の項、2.4、17.1.2参照〕。

(生殖能を有する者)

生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること(動物実験(マウス、ラット、イヌ)において精巣毒性が認められている)。

相互作用

本剤は主にCYP3Aで代謝される〔16.7.1参照〕。

10.2. 併用注意:

1). CYP3Aを強く阻害する薬剤(ケトコナゾール(注射剤、経口剤は国内未承認)、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、ボリコナゾール等)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が上昇し副作用が強くあらわれるおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮することが望ましいが、併用が必要な場合は副作用の発現に十分注意し、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること(これら薬剤の強いCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。

2). CYP3Aを強く誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用は避け、代替の治療薬への変更を考慮することが望ましい(これら薬剤の強いCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。

高齢者

副作用の発現に注意すること(海外第3相臨床試験において、65歳以上の患者では、それ以外の患者に比べ疲労、好中球減少症、無力症、発熱、浮動性めまい、尿路感染、脱水等の副作用が、またGrade3以上では好中球減少症<Grade3以上>及び発熱性好中球減少症<Grade3以上>等の副作用が多く認められた。国内第1相臨床試験において、65歳以上の患者では、それ以外の患者に比べ末梢性浮腫、嘔吐、腹部膨満等の副作用が、またGrade3以上では悪心<Grade3以上>、発熱性好中球減少症<Grade3以上>、血小板減少症<Grade3以上>、食欲減退<Grade3以上>等の副作用が多く認められた)〔8.1、11.1.1参照〕。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 調製時には手袋を着用することが望ましい。本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流し、また、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。

14.1.2. ポリ塩化ビニル製の輸液バッグ及びポリウレタン製の輸液セットの使用は避けること。

14.2. 調製方法

14.2.1. 本剤は投与前に2段階の希釈を無菌的に行う必要がある。必ず次に示す「調製方法」に従い調製を行うこと。ジェブタナ点滴静注60mg及び添付溶解液バイアルは調製時の損失を考慮に入れ過量充填されている。本剤全量に対し添付溶解液全量を使用して溶解することで、カバジタキセル濃度10mg/mLのプレミックス液(希釈の1段階目)を調製することができる〔3.1参照〕。

14.2.2. 本剤の投与時には、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、最終濃度が0.10〜0.26mg/mLとなるよう必要量を注射筒で抜き取り、直ちに生理食塩液又は5%ブドウ糖液と混和し、1時間かけて点滴静注すること。

14.2.3. 輸液と混和した後は速やかに使用すること(やむをえず保存する場合は、室温で8時間、冷蔵保存で48時間(いずれも点滴に要する1時間を含む)以内に使用すること)。

14.2.4. 他剤<生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>との混注を行わないこと。

14.3. 薬剤投与時の注意

14.3.1. 0.2又は0.22μmのインラインフィルターを通して投与すること。

14.3.2. 輸液に混和後の投与液は、過飽和の状態であり、結晶が析出している場合は使用しないこと。

14.3.3. 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすおそれがあるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。

その他の注意

15.2. 非臨床試験に基づく情報

15.2.1. ラットにおける10サイクル反復投与毒性試験において、カバジタキセル10〜20mg/kg投与群(AUCに基づく臨床曝露量の約6倍)で、軽微から軽度の水晶体嚢下の水晶体線維膨化及び水晶体線維変性が認められ、この変化は8週間の休薬後においても完全には回復しなかった。なお、5mg/kgの用量(AUCに基づく臨床曝露量の約2.5〜3倍)では水晶体の病理組織学的所見はみられなかった。

15.2.2. カバジタキセルのヒトリンパ球を用いたin vitro染色体異常試験で、倍数体細胞数増加がみられたが染色体の構造異常はみられなかった。また、in vivoラット骨髄小核試験で0.5mg/kg以上の用量で有小核細胞増加がみられた。

15.2.3. マウスにカバジタキセルを単回静脈内投与した試験において、脳ニューロン壊死あるいは脳ニューロン空胞化、並びに頸髄軸索腫脹及び頸髄軸索変性が認められた。マウスに1分間又は1時間かけて単回静脈内投与したときの中枢神経毒性に関する最小の無影響量は10mg/kg(動物の曝露量はAUCの比較で臨床曝露量の約7倍)であった。

貯法

(保管上の注意)

冷蔵庫内に保存せず、15〜30℃で保存すること。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(ジェブタナ点滴静注60mg調製方法)

[調製時の注意事項]

本剤は投与前に必ず2段階の希釈を行う必要がある。次に示す調製の全過程を予め確認したうえで、調製操作を始めること。

注意:ジェブタナ点滴静注60mg/1.5mLバイアル(充填量:1.83mL中にカバジタキセル73.2mgを含む)及び添付溶解液バイアル(充填量:5.67mL)は、いずれも調製時の損失を補うため、過量充填されている。

本剤全量に対し添付溶解液全量を使用して溶解したときカバジタキセル濃度10mg/mLのプレミックス液が調製される。

次の2段階の調製は、無菌的に行うこと。

1). ステップ1:プレミックス液(ジェブタナ点滴静注60mgと添付溶解液の混合液)の調製:

1−1. バイアルの内容確認:ジェブタナ点滴静注60mgバイアル及び添付溶解液が澄明であることを目視にて確認する。

1−2. 添付溶解液の抜き取り:注射針を装着したシリンジを用いて、斜めにした添付溶解液バイアルから、無菌的に全量を抜き取る。

1−3. 添付溶解液の注入:抜き取った全量をジェブタナ点滴静注60mgバイアルに注入する。この際、泡立ちの発生を最小限にするため、注射針をバイアル内壁に付け、ゆっくりと注入する。

溶解後の液はカバジタキセル濃度10mg/mLとなる。

1−4. 混和:シリンジと注射針を取り去り、澄明で均一になるまで、穏やかに転倒混和する(約45秒間)。

1−5. プレミックス液の完成:バイアルを約5分間放置し、溶液が澄明で均一になったことを確認する(通常、5分間の放置後も泡は残っている)。

調製後のプレミックス液はカバジタキセル濃度10mg/mL(表示量である6mL採取可能な量)となる。

「ステップ2」の手順に従い、速やかに(1時間以内に)次の希釈を行うこと。

2). ステップ2:点滴用溶液の調製:

2−1. 必要量の抜き取り:注射針を装着した目盛付きシリンジで、プレミックス液(カバジタキセル濃度10mg/mL)の必要量を無菌的に抜き取る。

例として、カバジタキセル45mgの投与には、プレミックス液4.5mLが必要となる。

投与量により複数バイアル分のプレミックス液が必要となる場合もある。

ステップ1で調製したプレミックス液はバイアル壁に泡が残っていることがあるので、抜き取る際は注射針で中央から抜くのが望ましい。

2−2. 点滴用容器への注入:抜き取ったプレミックス液を、ポリ塩化ビニルを含まない容器に入った輸液(生理食塩液又は5%ブドウ糖液)に混和する。点滴用溶液の最終濃度は0.10〜0.26mg/mLとなるよう調製すること。

<参考>調製例

①. カバジタキセル投与量<25mg:輸液バッグの容量100mL。

②. カバジタキセル投与量25〜65mg:輸液バッグの容量250mL。

③. カバジタキセル投与量>65mg:輸液バッグの容量500mL。

2−3. 混和:シリンジを外し、輸液バッグ又はボトルを転倒混和する。

2−4. 点滴用溶液の確認:他の注射剤と同様、使用前に点滴用溶液を目視で確認し、沈殿物が認められた場合は使用しないこと。

3). その他の注意事項:ポリ塩化ビニル製の輸液バッグ及びポリウレタン製の輸液セットの使用は避けること[ポリ塩化ビニル製の輸液バッグでは、カバジタキセル含量の低下及び可塑剤DEHPの溶出が認められ、また、ポリウレタン製の輸液セットではカバジタキセルの吸着が認められた]。

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