未治療mCRPCへのオラパリブ併用でOS中央値が42.1カ月に
著者

HOKUTO編集部

1年前

未治療mCRPCへのオラパリブ併用でOS中央値が42.1カ月に

未治療mCRPCへのオラパリブ併用でOS中央値が42.1カ月に
今月 (2023年2月16~18日)、米・サンフランシスコで開催された 「米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム (ASCO GU 2023) 」 の注目演題をまとめました。 ぜひご利用下さい。

📝 その他のASCO GUに関する特集はこちら

第Ⅲ相PROpelのOS最終解析

転移性去勢抵抗性前立腺がん (mCRPC) の一次治療において、 アンドロゲン合成阻害薬アビラテロンに対するPARP阻害薬オラパリブの併用効果を標準療法であるアビラテロン単独療法との比較により検証する二重盲検第Ⅲ相ランダム化比較試験PROpel。 同試験の事前に計画された全生存期間 (OS) の最終解析の結果から、 オラパリブ併用群でのOS中央値が42.1カ月と、 アビラテロン単独群に対し7カ月超の延長効果が報告された。

英・The Christie and Salford Royal Hospital NHS Foundation Trusts and University of ManchesterのNoel W. Clarke氏が、 米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム (2月16〜18日、 ASCO-GU 2023) で発表した。

対象と試験デザイン

  • 対象は、 ①アビラテロンによる治療歴なし②その他の新規ホルモン薬 (NHA) の投与は登録12カ月以上前に中止していれば許容③全身状態 (ECOG PS) が0〜1ーなどの適格基準を満たしたmCRPCの一次治療患者。
  • アビラテロン (1,000mg) +プレドニゾンまたはプレドニゾロン (1日2回5mg) をベースに、 オラパリブ (1日2回300mg) を併用する群 (399例) とプラセボ併用群 (397例) に1:1でランダムに割り付けた。
  • 主要評価項目は担当医評価による画像診断に基づく無増悪生存期間 (rPFS)。 主要な副次評価項目はOSだった。

主解析のrPFSでも有意に改善

既報の成績

  • 同試験の主解析の結果については、 昨年のASCO-GU 2022で報告。
  • rPFSにおいて、 相同組み換え修復 (HRR) 関連遺伝子変異の有無にかかわらず、 オラパリブ併用群 (24.8カ月) ではプラセボ群 (16.6カ月) に比べて有意に改善していた (HR 0.66、 95%CI 0.54〜0.81、 P<0.0001)。
  • OSにおいても、 主解析時およびその後の中間解析では、 オラパリブ併用群で予後改善傾向を認めていた。

HRR/BRCA変異の有無に関わらずOSを改善傾向

今回報告された最終解析 (データカットオフ日:2022年10月12日)

  • OSの最終解析において、 OS中央値はプラセボ群の34.7カ月に対し、 オラパリブ併用群では42.1カ月と有意に延長していた (HR 0.81、 95%CI 0.67〜1.00、 P=0.0544)。
  • HRR関連遺伝子変異およびBRCA遺伝子変異の有無別にみたOS解析においても、 オラパリブ群では予後改善傾向を認めた。
  • 最初の後治療の開始または死亡までの期間 (TFST) の中央値は、 プラセボ群の19.4カ月に対し、 オラパリブ併用群では24.6カ月だった (HR 0.76、 95%CI 0.64〜0.90)。
  • グレード3/4の有害事象で、 オラパリ併用群で最も多く認められたのは貧血 (16.1%)。 新たな有害事象は認められなかった。

ASCO GU2023特集

PARP阻害薬talazoparib+エンザルタミドで未治療mCRPCの予後改善

PARP阻害薬rucaparibでmCRPCの増悪・死亡リスクが半減

アテゾリズマブ、未治療尿路上皮がんのOS延長せず

こちらの記事の監修医師
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
QRコードから
アプリを
ダウンロード!
HOKUTOのロゴ
HOKUTOのロゴ
今すぐ無料ダウンロード!
様々な分野の医師
様々な分野の医師
未治療mCRPCへのオラパリブ併用でOS中央値が42.1カ月に