治療スケジュール
概要
監修医師

OBI:オビヌツズマブ(ガザイバ®)

投与量コース投与日
1000mg/body1Day 1、8、15
1000mg/body2~Day 1

BEN:ベンダムスチン(トレアキシン®)

投与量コース投与日
90mg/m²1~Day 2、3

前投薬

オビヌツズマブ投与60分~12時間前に副腎皮質ホルモン薬、 30~60分前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬を投与.

その他

1コースは28日間.
オビヌツズマブとベンダムスチンの併用療法を導入療法とし、 6コース終了後は維持療法としてオビヌツズマブ単剤投与により2ヵ月に1回、 最長2年間投与を繰り返す.
他の化学療法と併用する場合は「特徴と注意点」を参照.
レジメン
GB(OB)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ガザイバ®適正使用ガイドは「中外製薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

*トレアキシン®適正使用ガイドは「シンバイオ製薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

GADOLIN試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 15.5%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 6.5%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (69.7%、 ≧Grade3 8.4%)
  • 感染症 (63.2%、 ≧Grade3 7.7%)
  • 心障害 (12.3%、 ≧Grade3 3.9%)

その他重要な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (4.5%、≧Grade3 4.5%)
  • 急性血小板減少症 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 消化管穿孔 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)

特徴と注意点

オビヌツズマブ (Obinutuzumab:OBI)

  • CD20陽性の濾胞性リンパ腫に保険適用.
  • OBIによる導入療法は併用する化学療法によりコース数や休薬期間が異なる.
  • OBIによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応は添付文書を参照.
  • OBIは0.2または0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.

併用する化学療法と休薬期間

  • CHOP:1コース 3週間、 計8コース
  • CVP:1コース 3週間、 計8コース
  • BEN:1コース 4週間、 計6コース

ベンダムスチン (Bendamustine:BEN)

  • BENによりリンパ球減少が起こる.
  • 抗ウイルス薬、 ST合剤の予防投与を考慮.
  • 脱毛は起こらないが、 消化器毒性に注意.

関連する臨床試験の結果

GADOLIN試験¹⁾

概要

  • リツキシマブ(RIT)を含む前治療に抵抗性の低悪性度非ホジキンリンパ腫に対する海外第3相試験.
  • ベンダムスチン単剤(B)に対するオビヌツズマブの上乗せ(OB)効果を評価.

結果

  • 追跡期間中央値:21.9ヵ月.
  • 無増悪生存期間中央値:OB群 未到達 vs B群 13.8ヵ月 (HR 0.55、 95%CI 0.40-0.74、 p=0.0001).
  • 全生存期間中央値:両群 未到達 (HR 0.82、 95%CI 0.52-1.30、 p=0.40).
  • 全奏効率 (CR or PR):OB群 79% vs B群 77% (p=0.74).

GALLIUM試験²⁾

概要

  • 未治療進行期濾胞性リンパ腫を対象とした国際共同第3相比較試験.
  • RIT+化学療法→RIT維持(RIT群)に対する、 OBI+化学療法→OBI維持(OBI群)の有効性と安全性.

結果

  • 追跡期間中央値:34.5ヵ月.
  • 無増悪生存期間中央値:OBI群 80.0% vs RIT群 73.3% (HR 0.66、 95%CI 0.51-0.85、 p=0.001).
  • 全生存期間中央値:OBI群 94.0% vs RIT群 92.1% (HR 0.75、 95%CI 0.49-1.17、 p=0.21).
  • 全奏効率 (CR/PR):OBI群 88.5% vs RIT群 86.9% (p=0.33).
  • 完全寛解率 (CR):OBI群 19.5% vs RIT群 23.8% (p=0.07).

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2016 Aug;17(8):1081-93.
  2. N Engl J Med. 2017 Oct 5;377(14):1331-44.

最終更新:2021年8月13日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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オビヌツズマブ、 ベンダムスチン
2023年05月27日更新

OBI:オビヌツズマブ(ガザイバ®)

投与量コース投与日
1000mg/body1Day 1、8、15
1000mg/body2~Day 1

BEN:ベンダムスチン(トレアキシン®)

投与量コース投与日
90mg/m²1~Day 2、3

前投薬

オビヌツズマブ投与60分~12時間前に副腎皮質ホルモン薬、 30~60分前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬を投与.

その他

1コースは28日間.
オビヌツズマブとベンダムスチンの併用療法を導入療法とし、 6コース終了後は維持療法としてオビヌツズマブ単剤投与により2ヵ月に1回、 最長2年間投与を繰り返す.
他の化学療法と併用する場合は「特徴と注意点」を参照.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ガザイバ®適正使用ガイドは「中外製薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

*トレアキシン®適正使用ガイドは「シンバイオ製薬株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

GADOLIN試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 15.5%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 6.5%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (69.7%、 ≧Grade3 8.4%)
  • 感染症 (63.2%、 ≧Grade3 7.7%)
  • 心障害 (12.3%、 ≧Grade3 3.9%)

その他重要な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (4.5%、≧Grade3 4.5%)
  • 急性血小板減少症 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)
  • 消化管穿孔 (0.6%、 ≧Grade3 0.6%)

特徴と注意点

オビヌツズマブ (Obinutuzumab:OBI)

  • CD20陽性の濾胞性リンパ腫に保険適用.
  • OBIによる導入療法は併用する化学療法によりコース数や休薬期間が異なる.
  • OBIによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応は添付文書を参照.
  • OBIは0.2または0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.

併用する化学療法と休薬期間

  • CHOP:1コース 3週間、 計8コース
  • CVP:1コース 3週間、 計8コース
  • BEN:1コース 4週間、 計6コース

ベンダムスチン (Bendamustine:BEN)

  • BENによりリンパ球減少が起こる.
  • 抗ウイルス薬、 ST合剤の予防投与を考慮.
  • 脱毛は起こらないが、 消化器毒性に注意.

関連する臨床試験の結果

GADOLIN試験¹⁾

概要

  • リツキシマブ(RIT)を含む前治療に抵抗性の低悪性度非ホジキンリンパ腫に対する海外第3相試験.
  • ベンダムスチン単剤(B)に対するオビヌツズマブの上乗せ(OB)効果を評価.

結果

  • 追跡期間中央値:21.9ヵ月.
  • 無増悪生存期間中央値:OB群 未到達 vs B群 13.8ヵ月 (HR 0.55、 95%CI 0.40-0.74、 p=0.0001).
  • 全生存期間中央値:両群 未到達 (HR 0.82、 95%CI 0.52-1.30、 p=0.40).
  • 全奏効率 (CR or PR):OB群 79% vs B群 77% (p=0.74).

GALLIUM試験²⁾

概要

  • 未治療進行期濾胞性リンパ腫を対象とした国際共同第3相比較試験.
  • RIT+化学療法→RIT維持(RIT群)に対する、 OBI+化学療法→OBI維持(OBI群)の有効性と安全性.

結果

  • 追跡期間中央値:34.5ヵ月.
  • 無増悪生存期間中央値:OBI群 80.0% vs RIT群 73.3% (HR 0.66、 95%CI 0.51-0.85、 p=0.001).
  • 全生存期間中央値:OBI群 94.0% vs RIT群 92.1% (HR 0.75、 95%CI 0.49-1.17、 p=0.21).
  • 全奏効率 (CR/PR):OBI群 88.5% vs RIT群 86.9% (p=0.33).
  • 完全寛解率 (CR):OBI群 19.5% vs RIT群 23.8% (p=0.07).

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2016 Aug;17(8):1081-93.
  2. N Engl J Med. 2017 Oct 5;377(14):1331-44.

最終更新:2021年8月13日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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