薬剤情報
後発品
薬効分類副腎皮質ホルモン
一般名プレドニゾロンリン酸エステルナトリウム注腸剤
薬価416.3
メーカー杏林製薬
最終更新2024年01月改訂(第2版)

用法・用量

通常、成人は、1回量プレドニゾロンリン酸エステルナトリウムとして22mg(プレドニゾロンリン酸エステルとして20mg)を注腸投与(直腸内注入)する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

潰瘍性大腸炎、限局性腸炎。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 誘発感染症、感染症増悪(いずれも頻度不明):B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある〔8.1.3、8.2、9.1.1、9.1.2、9.1.9参照〕。

11.1.2. 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病(いずれも頻度不明)〔9.1.3参照〕。

11.1.3. 消化管潰瘍、消化管穿孔、消化管出血(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.4. 膵炎(頻度不明)。

11.1.5. 精神変調、うつ状態、痙攣(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.6. 骨粗鬆症、大腿骨頭無菌性壊死及び上腕骨頭無菌性壊死等の骨頭無菌性壊死、ミオパシー(いずれも頻度不明)〔9.1.4参照〕。

11.1.7. 緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症、多発性後極部網膜色素上皮症(いずれも頻度不明)〔8.3、9.1.1参照〕。

11.1.8. 血栓症(頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.9. 心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤(いずれも頻度不明):長期投与を行う場合には、観察を十分に行うこと。

11.1.10. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.11. 喘息発作(頻度不明)〔9.1.10参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 内分泌:(頻度不明)月経異常、クッシング症候群様症状等。

2). 消化器:(頻度不明)下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進。

3). 精神神経系:(頻度不明)多幸症、不眠、頭痛、めまい。

4). 筋・骨格:(頻度不明)筋肉痛、関節痛。

5). 投与部位:(頻度不明)局所的刺激症状。

6). 脂質・蛋白質代謝:(頻度不明)満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝。

7). 体液・電解質:(頻度不明)浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス。

8). 眼:(頻度不明)網膜障害、眼球突出等。

9). 血液:(頻度不明)白血球増多。

10). 皮膚:(頻度不明)ざ瘡、多毛、脱毛、皮膚色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚線条、皮膚そう痒、発汗異常、顔面紅斑、脂肪織炎。

11). その他:(頻度不明)発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数増減及び精子運動性増減、尿路結石、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・皮膚脆弱化・結合組織菲薄化・結合組織脆弱化。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化管潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。

8.1.1. 投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。

8.1.2. 投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。

8.1.3. 本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である〔11.1.1参照〕。

(1). 本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。

(2). 水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。水痘又は麻疹への感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。

(3). 水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。

8.1.4. 連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること)。

8.2. 本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと〔11.1.1参照〕。

8.3. 連用により眼圧上昇、緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症・多発性後極部網膜色素上皮症を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい〔9.1.1、11.1.7参照〕。

8.4. リンパ系腫瘍を有する患者にプレドニゾロン製剤(経口剤及び注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群があらわれたとの報告がある(本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し、適切な処置を行うこと)。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。

(1). 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

(2). 消化性潰瘍の患者:粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある〔11.1.3参照〕。

(3). 精神病の患者:中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある〔11.1.5参照〕。

(4). 結核性疾患の患者:免疫抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

(5). 単純疱疹性角膜炎の患者:免疫抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

(6). 後嚢白内障の患者:水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがある〔8.3、11.1.7参照〕。

(7). 緑内障の患者:眼圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある〔8.3、11.1.7参照〕。

(8). 高血圧症の患者:ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。

(9). 電解質異常のある患者:ナトリウム・水貯留作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。

(10). 血栓症の患者:血液凝固能が亢進し、血栓症が増悪するおそれがある〔11.1.8参照〕。

(11). 最近行った内臓の手術創のある患者:創傷治癒を遅延するおそれがある。

(12). 急性心筋梗塞を起こした患者:心破裂を起こしたとの報告がある。

9.1.2. 感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

9.1.3. 糖尿病の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。

9.1.4. 骨粗鬆症の患者:骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより、骨粗鬆症が増悪するおそれがある〔11.1.6参照〕。

9.1.5. 甲状腺機能低下のある患者:血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。

9.1.6. 脂肪肝の患者:脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。

9.1.7. 脂肪塞栓症の患者:脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。

9.1.8. 重症筋無力症の患者:使用当初、一時症状が増悪することがある。

9.1.9. B型肝炎ウイルスキャリアの患者:本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと(B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある)。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている〔11.1.1参照〕。

9.1.10. 薬物に過敏な喘息、食物に過敏な喘息、添加物に過敏な喘息等の患者:副腎皮質ホルモン剤の投与により、気管支喘息患者の喘息発作を増悪させたとの報告がある〔11.1.11参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 腎不全の患者:症状が増悪するおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 肝硬変の患者:慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.2参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(機序不明)]。

10.2. 併用注意:

1). バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)、フェニトイン、リファンピシン[本剤の作用が減弱することが報告されている(これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)]。

2). サリチル酸誘導体(アスピリン)[併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸中毒を起こすことが報告されている(本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する)]。

3). 抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は、血液凝固促進作用がある)]。

4). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP−4阻害剤、GLP−1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)[これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する)]。

5). 利尿剤<カリウム保持性利尿剤を除く>(トリクロルメチアジド、フロセミド)[併用により、低カリウム血症があらわれることがある(本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある)]。

6). 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール等)[高カルシウム尿症、尿路結石があらわれることがあるので、併用する場合には、定期的に検査を行うなど観察を十分行い、また、用量に注意すること(機序は不明、本剤は尿細管でのカルシウムの再吸収阻害、骨吸収促進等により、また、活性型ビタミンD3製剤は腸管からのカルシウム吸収促進により尿中へのカルシウム排泄を促進させる)]。

7). シクロスポリン[副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある(シクロスポリンの代謝を阻害する)]。

8). マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)[副腎皮質ホルモン剤で作用が増強されるとの報告がある(本剤の代謝が阻害されるおそれがある)]。

高齢者

長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット、マウス、ウサギ、ハムスター)で催奇形性(口蓋裂)が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中に移行することがある)。

小児等

9.7.1. 観察を十分に行うこと。小児等の発育抑制があらわれることがある。

9.7.2. 頭蓋内圧亢進症状や高血圧性脳症があらわれることがある。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

本剤は光に不安定なため、アルミピロー包装開封後は速やかに使用するよう患者に指導すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

直腸粘膜を傷つけるおそれがあるので、慎重に挿入すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。

15.1.2. プレドニゾロン経口製剤の投与中に、腸管嚢胞様気腫症、縦隔気腫が発現したとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(補足情報)

<プレドネマ注腸20mgの使用方法>

1. (必要に応じて)湯せんで加温

室温によっては、薬液が冷たくお腹を刺激することがあるので、その場合はアルミピロー包装のまま、お湯につけて体温程度に温める。

2. アルミピロー包装からの取り出し

使用直前にアルミピロー包装から容器を取り出す(本剤は光に不安定なため、アルミピロー包装開封後は速やかに使用する)。

3. (必要に応じて)ストッパーの装着

ノズルが入る長さには個人差があるため、過挿入により直腸粘膜を傷つけるおそれがある(初めて使用する場合などはストッパーを装着して使用する)。

ストッパーの使い方

円盤状のストッパー1枚を添付文書の図のようにノズルの先端から約4−6cmを目安に差し込む。

4. (必要に応じて)潤滑剤の塗布

ノズルが挿入しづらい場合は、潤滑剤(ワセリン、オリーブ油等又は水)を塗って使用する。

5. 開栓時の容器の持ち方

添付文書の図のように「プレドネマ」の文字が入っている面を手前にし、ノズルを上に向け胴体部分を軽く持つようにする。

開栓時に容器を強く握りしめると、薬液が飛び出すおそれがあるので、軽く持つようにする。

6. チップの切り離し方

円形つばを持ち、「くびれ」部分を一回ゆっくり前後に折り曲げると、通常チップが外れ、薬液が出るようになる。

また、チップが完全に切り離されなくてもチップがずれて薬液が出るようになる。

左右(横)方向・斜め方向に折り曲げると、液漏れを起こすことがある。

7. ノズルの挿入と薬液の注入

(1). ノズル部を肛門からゆっくりと慎重に挿入する(決して無理には挿入しない)。無理に挿入すると直腸粘膜を傷つけるおそれがある。

(2). 左腰を下にした状態で薬液をゆっくりと注入した後、容器を握りしめたまま、ゆっくり引き抜く。

8. (必要に応じて)体位変換

必要に応じて体位変換を行う。

プレドネマ注腸20mg
後発品はありません
プレドネマ注腸20mg
プレドネマ注腸20mg

プレドネマ注腸20mg

副腎皮質ホルモン
2024年01月改訂(第2版)
薬剤情報
後発品
薬効分類副腎皮質ホルモン
一般名プレドニゾロンリン酸エステルナトリウム注腸剤
薬価416.3
メーカー杏林製薬
最終更新2024年01月改訂(第2版)

用法・用量

通常、成人は、1回量プレドニゾロンリン酸エステルナトリウムとして22mg(プレドニゾロンリン酸エステルとして20mg)を注腸投与(直腸内注入)する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

効能・効果

潰瘍性大腸炎、限局性腸炎。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. 誘発感染症、感染症増悪(いずれも頻度不明):B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある〔8.1.3、8.2、9.1.1、9.1.2、9.1.9参照〕。

11.1.2. 続発性副腎皮質機能不全、糖尿病(いずれも頻度不明)〔9.1.3参照〕。

11.1.3. 消化管潰瘍、消化管穿孔、消化管出血(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.4. 膵炎(頻度不明)。

11.1.5. 精神変調、うつ状態、痙攣(いずれも頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.6. 骨粗鬆症、大腿骨頭無菌性壊死及び上腕骨頭無菌性壊死等の骨頭無菌性壊死、ミオパシー(いずれも頻度不明)〔9.1.4参照〕。

11.1.7. 緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症、多発性後極部網膜色素上皮症(いずれも頻度不明)〔8.3、9.1.1参照〕。

11.1.8. 血栓症(頻度不明)〔9.1.1参照〕。

11.1.9. 心筋梗塞、脳梗塞、動脈瘤(いずれも頻度不明):長期投与を行う場合には、観察を十分に行うこと。

11.1.10. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.1.11. 喘息発作(頻度不明)〔9.1.10参照〕。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 内分泌:(頻度不明)月経異常、クッシング症候群様症状等。

2). 消化器:(頻度不明)下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進。

3). 精神神経系:(頻度不明)多幸症、不眠、頭痛、めまい。

4). 筋・骨格:(頻度不明)筋肉痛、関節痛。

5). 投与部位:(頻度不明)局所的刺激症状。

6). 脂質・蛋白質代謝:(頻度不明)満月様顔貌、野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝。

7). 体液・電解質:(頻度不明)浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス。

8). 眼:(頻度不明)網膜障害、眼球突出等。

9). 血液:(頻度不明)白血球増多。

10). 皮膚:(頻度不明)ざ瘡、多毛、脱毛、皮膚色素沈着、皮下溢血、紫斑、皮膚線条、皮膚そう痒、発汗異常、顔面紅斑、脂肪織炎。

11). その他:(頻度不明)発熱、疲労感、ステロイド腎症、体重増加、精子数増減及び精子運動性増減、尿路結石、創傷治癒障害、皮膚菲薄化・皮膚脆弱化・結合組織菲薄化・結合組織脆弱化。

禁忌

2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

2.2. デスモプレシン酢酸塩水和物投与中<男性における夜間多尿による夜間頻尿>の患者〔10.1参照〕。

重要な基本的注意

8.1. 誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化管潰瘍、糖尿病、精神障害等の重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の注意が必要である。

8.1.1. 投与に際しては特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できる場合には、本剤を投与しないこと。

8.1.2. 投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。

8.1.3. 本剤投与中に水痘又は麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要である〔11.1.1参照〕。

(1). 本剤投与前に水痘又は麻疹の既往や予防接種の有無を確認すること。

(2). 水痘又は麻疹の既往のない患者においては、水痘又は麻疹への感染を極力防ぐよう常に十分な配慮と観察を行うこと。水痘又は麻疹への感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診するよう指導し、適切な処置を講ずること。

(3). 水痘又は麻疹の既往や予防接種を受けたことがある患者であっても、本剤投与中は、水痘又は麻疹を発症する可能性があるので留意すること。

8.1.4. 連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること)。

8.2. 本剤の長期あるいは大量投与中の患者、又は投与中止後6ヵ月以内の患者では、免疫機能が低下していることがあり、生ワクチンの接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、これらの患者には生ワクチンを接種しないこと〔11.1.1参照〕。

8.3. 連用により眼圧上昇、緑内障、後嚢白内障、中心性漿液性網脈絡膜症・多発性後極部網膜色素上皮症を来すことがあるので、定期的に検査をすることが望ましい〔9.1.1、11.1.7参照〕。

8.4. リンパ系腫瘍を有する患者にプレドニゾロン製剤(経口剤及び注射剤)を投与した際に腫瘍崩壊症候群があらわれたとの報告がある(本剤投与後に急激な電解質異常や急性腎障害等が認められた場合は、腫瘍崩壊症候群の可能性を考慮し、適切な処置を行うこと)。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しないこと。

(1). 有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

(2). 消化性潰瘍の患者:粘膜防御能の低下等により、消化性潰瘍が増悪するおそれがある〔11.1.3参照〕。

(3). 精神病の患者:中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがある〔11.1.5参照〕。

(4). 結核性疾患の患者:免疫抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

(5). 単純疱疹性角膜炎の患者:免疫抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

(6). 後嚢白内障の患者:水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがある〔8.3、11.1.7参照〕。

(7). 緑内障の患者:眼圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがある〔8.3、11.1.7参照〕。

(8). 高血圧症の患者:ナトリウム・水貯留作用等により、高血圧症が増悪するおそれがある。

(9). 電解質異常のある患者:ナトリウム・水貯留作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。

(10). 血栓症の患者:血液凝固能が亢進し、血栓症が増悪するおそれがある〔11.1.8参照〕。

(11). 最近行った内臓の手術創のある患者:創傷治癒を遅延するおそれがある。

(12). 急性心筋梗塞を起こした患者:心破裂を起こしたとの報告がある。

9.1.2. 感染症<有効な抗菌剤の存在しない感染症・全身の真菌症を除く>の患者:免疫抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある〔11.1.1参照〕。

9.1.3. 糖尿病の患者:糖新生促進作用(血糖値上昇)等により、糖尿病が増悪するおそれがある〔11.1.2参照〕。

9.1.4. 骨粗鬆症の患者:骨形成抑制作用及びカルシウム代謝の障害を起こすことにより、骨粗鬆症が増悪するおそれがある〔11.1.6参照〕。

9.1.5. 甲状腺機能低下のある患者:血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。

9.1.6. 脂肪肝の患者:脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがある。

9.1.7. 脂肪塞栓症の患者:脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがある。

9.1.8. 重症筋無力症の患者:使用当初、一時症状が増悪することがある。

9.1.9. B型肝炎ウイルスキャリアの患者:本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意し、異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと(B型肝炎ウイルス増殖による肝炎があらわれることがある)。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている〔11.1.1参照〕。

9.1.10. 薬物に過敏な喘息、食物に過敏な喘息、添加物に過敏な喘息等の患者:副腎皮質ホルモン剤の投与により、気管支喘息患者の喘息発作を増悪させたとの報告がある〔11.1.11参照〕。

(腎機能障害患者)

9.2.1. 腎不全の患者:症状が増悪するおそれがある。

(肝機能障害患者)

9.3.1. 肝硬変の患者:慢性肝疾患患者では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすい。

相互作用

10.1. 併用禁忌:

デスモプレシン酢酸塩水和物<男性における夜間多尿による夜間頻尿><ミニリンメルト>〔2.2参照〕[低ナトリウム血症が発現するおそれがある(機序不明)]。

10.2. 併用注意:

1). バルビツール酸誘導体(フェノバルビタール)、フェニトイン、リファンピシン[本剤の作用が減弱することが報告されている(これらの薬剤はチトクロームP450を誘導し、本剤の代謝が促進される)]。

2). サリチル酸誘導体(アスピリン)[併用時に本剤を減量すると、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が増加しサリチル酸中毒を起こすことが報告されている(本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する)]。

3). 抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は、血液凝固促進作用がある)]。

4). 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP−4阻害剤、GLP−1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、インスリン製剤等)[これらの薬剤の作用を減弱させることが報告されている(本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害する)]。

5). 利尿剤<カリウム保持性利尿剤を除く>(トリクロルメチアジド、フロセミド)[併用により、低カリウム血症があらわれることがある(本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある)]。

6). 活性型ビタミンD3製剤(アルファカルシドール等)[高カルシウム尿症、尿路結石があらわれることがあるので、併用する場合には、定期的に検査を行うなど観察を十分行い、また、用量に注意すること(機序は不明、本剤は尿細管でのカルシウムの再吸収阻害、骨吸収促進等により、また、活性型ビタミンD3製剤は腸管からのカルシウム吸収促進により尿中へのカルシウム排泄を促進させる)]。

7). シクロスポリン[副腎皮質ホルモン剤の大量投与により、併用したシクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告がある(シクロスポリンの代謝を阻害する)]。

8). マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン)[副腎皮質ホルモン剤で作用が増強されるとの報告がある(本剤の代謝が阻害されるおそれがある)]。

高齢者

長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット、マウス、ウサギ、ハムスター)で催奇形性(口蓋裂)が報告されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中に移行することがある)。

小児等

9.7.1. 観察を十分に行うこと。小児等の発育抑制があらわれることがある。

9.7.2. 頭蓋内圧亢進症状や高血圧性脳症があらわれることがある。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤交付時の注意

本剤は光に不安定なため、アルミピロー包装開封後は速やかに使用するよう患者に指導すること。

14.2. 薬剤投与時の注意

直腸粘膜を傷つけるおそれがあるので、慎重に挿入すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

15.1.1. 副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告がある。

15.1.2. プレドニゾロン経口製剤の投与中に、腸管嚢胞様気腫症、縦隔気腫が発現したとの報告がある。

貯法

(保管上の注意)

室温保存。

保険給付上の注意、その他上記以外の使用上の注意

(補足情報)

<プレドネマ注腸20mgの使用方法>

1. (必要に応じて)湯せんで加温

室温によっては、薬液が冷たくお腹を刺激することがあるので、その場合はアルミピロー包装のまま、お湯につけて体温程度に温める。

2. アルミピロー包装からの取り出し

使用直前にアルミピロー包装から容器を取り出す(本剤は光に不安定なため、アルミピロー包装開封後は速やかに使用する)。

3. (必要に応じて)ストッパーの装着

ノズルが入る長さには個人差があるため、過挿入により直腸粘膜を傷つけるおそれがある(初めて使用する場合などはストッパーを装着して使用する)。

ストッパーの使い方

円盤状のストッパー1枚を添付文書の図のようにノズルの先端から約4−6cmを目安に差し込む。

4. (必要に応じて)潤滑剤の塗布

ノズルが挿入しづらい場合は、潤滑剤(ワセリン、オリーブ油等又は水)を塗って使用する。

5. 開栓時の容器の持ち方

添付文書の図のように「プレドネマ」の文字が入っている面を手前にし、ノズルを上に向け胴体部分を軽く持つようにする。

開栓時に容器を強く握りしめると、薬液が飛び出すおそれがあるので、軽く持つようにする。

6. チップの切り離し方

円形つばを持ち、「くびれ」部分を一回ゆっくり前後に折り曲げると、通常チップが外れ、薬液が出るようになる。

また、チップが完全に切り離されなくてもチップがずれて薬液が出るようになる。

左右(横)方向・斜め方向に折り曲げると、液漏れを起こすことがある。

7. ノズルの挿入と薬液の注入

(1). ノズル部を肛門からゆっくりと慎重に挿入する(決して無理には挿入しない)。無理に挿入すると直腸粘膜を傷つけるおそれがある。

(2). 左腰を下にした状態で薬液をゆっくりと注入した後、容器を握りしめたまま、ゆっくり引き抜く。

8. (必要に応じて)体位変換

必要に応じて体位変換を行う。

後発品はありません
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