救急から緩和ケアまで学べる 〜 長岡赤十字病院の教育 〜
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インタビュー

9ヶ月前

救急から緩和ケアまで学べる 〜 長岡赤十字病院の教育 〜

救急から緩和ケアまで学べる 〜 長岡赤十字病院の教育 〜
長岡赤十字病院は、 県内でも高いマッチング率を誇ります。 その特徴は「幅広い診療科と充実した指導体制」 が挙げられ、 中でも 「中越地区唯一の救命救急センターと緩和ケア科での研修」が人気です。 臨床研修部会の副委員長で呼吸器内科部長の古塩純先生に教育プログラムの特徴について聞きました。

病院の概要

長岡赤十字病院は27の専門科がある医療機関です。 幅広い一般疾患から最先端の専門医療まで、 100名以上の専門医による直接の指導が可能です。

中越地区で唯一の救命救急センターとして、 救急医療の初期対応を学べるほか、 2024年からは緩和ケア科の研修が必須化され、 終末期までの患者ケアにも深く関与できます。 研修医の学会発表にも力を入れており、 多くの研修医が各学会で高い評価を受けています。

研修の特徴

初期対応力を磨くための研修体制

ーー救命救急センターで得られる経験やスキルは?

古塩先生「研修医が初期対応力を磨くためのプログラムを組んでいます。 2年間で身に付けるべきcommon diseaseに対する初期診療に加えて、 救命救急センターならではの高エネルギー外傷や稀な疾患に対応する機会を持てることで、 多岐にわたる経験を積むことができます」

「救急当直は研修生活や病院のシステムに慣れた1年目の6月からスタートし、 上級医や専門医の支援を得ながら、 救急患者さんの初療にあたります。 長岡市は3つの急性期病院(当院、 長岡中央総合病院、 立川総合病院) による救急輪番体制が組まれており、 受け入れが多い救急当番日には、 優先的に研修医が担当します。 上級当直医の指導下で多様な症例を経験でき、 短期間で臨機応変な対応力を磨くことができます」

「2年目になると多くの疾患に自分自身で対応する能力が身についており、 1年目の研修医や学生に指導することでお互いに学び合う屋根瓦式の伝統が築かれています。 救急科に関心を持つ学生の見学を積極的に受け入れており、 見学を通じて、 救急科を志望する医学生の数も増えています」

緩和ケア科での研修が必須に:医師としての視野を広げる

ーー緩和ケア科を必須化した狙いについて。

古塩先生「高齢化社会で必要とされる全人的なケアを提供できる医師を育成するためです。 終末期の患者さんと向き合うことから、 緩和治療の知識や技術が得られるほか、 指導医の姿を通して『患者さんに寄り添うとはどういうことか』の大切さを学ぶことができます。 医師としての人生を歩んでいくときに、 必ず力になる、 未来の患者さんを救う助けになる、 そんな研修になると信じています」

研修医の声(Tさん) 「緩和ケア科で研修できる施設は県内でも限られています。 医学的な面はもちろん、 患者さんの接し方やご家族のケアといった面も学べるので、 長い医師人生において大きな財産になると思います」

救急から緩和ケアまで学べる 〜 長岡赤十字病院の教育 〜

「具体的な研修内容としては10~20人の患者さんのケアを担当し、 指導医との回診や薬剤調整を経験します。 誕生日パーティー、 記念日など患者さんの大切な瞬間にも参加することで、 一般病棟では得られない感動や患者さんとの深い関わりを通じた学びを得ることができます」

「医師として積み上げるべき真の財産は、 技術だけではなく患者さんの人生に深く寄り添う経験です。 病状を診るだけではなく、 患者さんの人生を理解し、 支えることを通じて、 医師としての洞察力と共感力が育まれます。 研修医の段階から経験することが大切で、 真の医師としての素養を培ってもらいたいと思っています」

学会発表に高い評価

学会発表で培われるプレゼン能力:手厚い指導医の教育体制

ーープレゼンテーションで多くの賞を受賞している。

古塩先生「内科学会信越地方会では当院の多くの研修医が若手奨励賞を受賞しております」

※実績:2017~2022 内科学会信越地方若手奨励賞(最優秀賞4名、 優秀賞4名 2017-2022県内最多受賞)

「各指導医が研修医と1つ1つの症例を深く考察し、 熱意を持って指導に当たっている結果です。 研修医はスライド作成や発表原稿の作成などを一から学べます。 100名を超える多様な医師が在籍しており、 予行練習では専門分野ごとに詳しいフィードバックを受けられます。 研修医は多角的な視点を養い、 より質の高いプレゼンテーションにつながっていきます」

「当院には経験豊富なベテラン、 中堅の指導医から、 毎年大学病院から派遣されてくる若手医師まで、 幅広い年齢層の医師が揃っており、 病院全体で研修医を育てていこうという気概に溢れています」

救急から緩和ケアまで学べる 〜 長岡赤十字病院の教育 〜

「研修医は様々な年齢やバッククラウンドを持った医師との関わりの中で、 自身の理想とするロールモデルになる医師と出会う機会もあるでしょう。 そのような出会いを通して将来像をより明確にし、 自身の目標に向かって成長していくことができます」

「当院のプログラムでは希望に添った包括的かつ専門的な研修ができます。 向上心をもったみなさまとの出会いを多くの指導医が心待ちにしています!」

先生のプロフィール

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長岡赤十字病院のホームページ

長岡赤十字病院の初期臨床研修医募集案内・病院見学

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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