インフレに弱い医師、絶対してはいけないこと
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寄稿ライター

5ヶ月前

インフレに弱い医師、絶対してはいけないこと

インフレに弱い医師、絶対してはいけないこと
物価高が続く中、 医師という職業がインフレに弱いことを前回お話しました。 連載「医師による医師のための財テク術」の4回目では、 医師がどのように資産を守ればいいのか、 具体的に考えていきましょう。 

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※本記事は執筆者の個人的な意見であり、 特定の投資方法の効果を保証するものではありません。 投資は自己責任でお願いします。

過去200年間のリターンを比較

株式投資のバイブルとされている本の1つに、 ジェレミー・シーゲル氏の「株式投資の未来」という本があります。 その中で最も有名な図が以下になります。

インフレに弱い医師、絶対してはいけないこと

米国において、 1801年からの200年間に渡る各資産の実質トータルリターンを示したものです。 実質トータルリターンとは、 配当金を再投資 (複利の力を利用) した上で、 インフレによる貨幣価値の下落を織り込んで、 どのようなリターンが得られるのかというものです。

この図は対数グラフになっていることにご注意下さい。 縦の目盛りが1つあがると、 数値が10倍になっています。 こちらは非常に重要な内容ですので、 詳しく見ていきましょう。

株は、 長期でみると年率6.5~7%で一直線に伸びています。 短期的には少し外れてしまうこともありますが、 しばらくすると戻ってきています。 これを「株は平均回帰性がある」といいます。 世界恐慌など様々な危機がありましたが、 それでも確実に経済は拡大し続けているのです。

個別にみると大きく稼いでいる企業から、 赤字を垂れ流している企業までたくさんあります。 ただ、 ダメな会社が淘汰されて、 イケイケな企業がどんどん出てきて市場を引っ張ってくれるので、 株式指数全体を押し上げられます。 また、 株価は元本が保証されない投資商品であり、 その分のリスクプレミアムが乗っているのもリターンが高くなる要因となっています。

インフレ調整後のリターンが (対数表示で) 一直線になる原因として、 株はインフレを吸収する性質があるということがあります。 第3回で学んだように、 インフレによってモノの値段が上がると、 企業の収益が上がるため、 それが株価に反映されるようになるのです。

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債券

債券とは、 一定期間保有することによって、 決められた額の配当を得られる商品です。 代表格は米国債などの国債です。 原則として、 償還されるまでの年限が長いもの (長期国債) が利率は高いです。 株式のようなリスクプレミアムが乗っていない分、 債券のリターンは株式を下回ります

債券は決められた「額」の配当が得られるため、 インフレで貨幣の価値が下がると、 実質的にマイナスになってしまうことすらあります。 つまり、 株式とは逆で、 債券はインフレを吸収する性質がない、 といえます。

インフレに弱い医師、絶対してはいけないこと

古来より、 その希少性から金は価値の保存手段として利用されてきました。 インフレ調整後の価値は200年経過してもほぼ横ばいです。 最近、 「金が最高値を更新した」といったニュースがありますが、 これは貨幣の価値 (特に円の価値) がインフレによって落ちただけで、 金の本質的価値が上がったわけではありません。

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ドル

グラフでは1ドルの価値が200年で0.07ドルにまで激減しているので、 驚かれた方もいるかもしれません。 第3回で見たように、 仮に米国が目標としている年2%のインフレが200年間続くと、 1ドルの価値は0.0017ドルになるので、 これでも実際のインフレ目標は達成していないといえます。

資産の全額を貯金している人は、 こうして価値が毀損していく貨幣 (特に円) に全力投資しているのと同じ、 ということを認識する必要があります。

つまり、 インフレに対抗するためには貯金だけではダメで、 株や債券、 金などに投資をする、 特に株は必須だといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 今回のTake Home Messageは

  • 株は超長期では年率5~7%で成長し、 インフレも吸収する性質がある
  • 債権のリターンは株に劣り、 インフレに弱い
  • 金は価値の保存手段として効果を発揮する
  • 現金の価値はインフレにより毀損する

となります。 実際には、 これらに分散投資を行うことによって、 資産の拡大を目指していく形になります。 次回以降、 さらに詳しく投資手法についてみていきましょう。

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こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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