【NEJM】ICIで治療後のFGFR変異陽性尿路上皮癌、erdafitinibでOS改善
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海外ジャーナルクラブ

6ヶ月前

【NEJM】ICIで治療後のFGFR変異陽性尿路上皮癌、erdafitinibでOS改善

【NEJM】ICIで治療後のFGFR変異陽性尿路上皮癌、erdafitinibでOS改善
Loriotらは、 抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体による治療歴があり、 汎線維芽細胞増殖因子受容体 (FGFR) 変異陽性の転移性尿路上皮癌患者を対象に、 erdafitinibの有効性および安全性を国際第Ⅲ相試験で検討した。 その結果、 erdafitinibは、 化学療法群に比し、 全生存期間 (OS) を有意に延長した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Erdafitinib or Chemotherapy in Advanced or Metastatic Urothelial Carcinoma. N Engl J Med. 2023 Oct 21. PMID: 37870920

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

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背景

Erdafitinibは、 FGFR阻害薬であり、 FGFR3遺伝子変異またはFGFR2もしくはFGFR3遺伝子が関与する遺伝子融合を有する局所進行性または転移性尿路上皮癌治療薬として承認されている。 しかし、 抗PD-1/PD-L1抗体による治療後に進行したFGFR変異陽性の転移性尿路上皮癌患者に対する効果は明らかではなかった。

研究デザイン

対象

抗PD-1または抗PD-L1治療後に進行したFGFR3/2変異を有する転移性尿路上皮癌患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け。

  • Erdafitinib群:136例
  • 化学療法群:130例
ドセタキセルまたはvinflunineを投与

主要評価項目

OS

研究結果

有効性評価

OS中央値

  • Erdafitinib群:12.1ヵ月
  • 化学療法群:7.8ヵ月
死亡のHR:0.64 (95%CI 0.47-0.88、 p=0.005) 

PFS中央値

  • Erdafitinib群:5.6ヵ月
  • 化学療法群:2.7ヵ月
増悪または死亡のHR:0.58 (95%CI 0.44-0.78、 p<0.001) 

安全性評価

有害事象の発生率

Grade3または4の治療関連有害事象の発現率は両群とも同程度であった。

治療関連有害事象による死亡

Erdafitinib群の治療関連有害事象による死亡率は化学療法群よりも少なかった。

  • Erdafitinib群:0.7%
  • 化学療法群:5.4%

結論

抗PD-1または抗PD-L1治療歴がありFGFR変異のある転移性尿路上皮癌患者において、 FGFR阻害薬erdafitinibは化学療法と比較してOSを有意に延長させた。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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