治療スケジュール
概要
監修医師

エベロリムス:エベロリムス(アフィニトール®)

投与量コース投与日
10mg/日 経口1日1回1~連日投与
レジメン
Everolimus
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

アフィニトール® (添付文書/適正使用情報*)

*ノバルティス ファーマ株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量 (連日投与)

減量・休薬・中止基準

間質性肺疾患に対する減量・休薬・中止基準

初回基準量と増量及び減量レベル

特徴と注意点

1剤の血管新生阻害薬後においてプラセボと比較しPFSの改善を示したmTOR阻害薬である。

注意すべき副作用

  • 口腔粘膜炎をおこしやすい。 治療開始時より含嗽や歯科受診による積極的な口腔ケアに心がける。 
  • 高血糖や高脂血症などの代謝異常の有害事象にも注意が必要
  • 長期投与では貧血が問題となりやすい。

関連する臨床試験|RECORD-1試験¹⁾

スニチニブ、 ソラフェニブ、 またはその両剤を投与後に進行した転移性腎細胞癌患者において、 エベロリムス投与の効果を、 プラセボ投与を対照に検証した比較試験RECORD-1の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

PFS中央値

  • エベロリムス群:4.9ヵ月
(95%CI 4.0-5.5ヵ月)
  • プラセボ群:1.9ヵ月
(95%CI 1.8-1.9ヵ月)
HR 0.33 (95%CI 0.25-0.43)、 p<0.001

前治療による分類

  • スニチニブ投与歴あり (184例)
  • エベロリムス群:3.9ヵ月
  • プラセボ群:1.8ヵ月
HR 0.34 (95%CI 0.23-0.51)
  • ソラフェニブ投与歴あり (124例)
  • エベロリムス群:5.9ヵ月
  • プラセボ群:2.8ヵ月
HR 0.25 (95%CI 0.16-0.42)
  • スニチニブおよびソラフェニブ投与歴あり (108例)
  • エベロリムス群:4.0ヵ月
  • プラセボ群:1.8ヵ月
HR 0.32 (95%CI 0.19-0.54)

ORR

  • エベロリムス群:66.8 %
  • プラセボ群:32.4%

OS中央値

  • エベロリムス群:14.8ヵ月
  • プラセボ群:14.4ヵ月
HR 0.87 (95%CI 0.65-1.17)、 p=0.162

二重盲検治療を終了する前に、 プラセボ群で進行が認められた139例の患者のうち106例 (76.2%) がエベロリムスに移行した。 移行後のPFS中央値は5.1ヵ月 (95%CI 3.7-7.6ヵ月) 、 OS中央値は10.0ヶ月であった。

サブグループ解析

  • Memorial Sloan-Kettering Cancer Center risk scoreによりfavorable、 intermediate、poorリスク群に分類すると、favorable群と比較し、 intermediate群 (HR 1.54、 95%CI 1.08-2.19) とpoor群 (HR 3.38、 95%CI 2.21-5.16) で有意にOS率が低下した。
  • 肝転移、 骨転移、 好中球上昇、 スニチニブによる前治療歴がある場合、 PFSとOSが短縮された。

参考文献

  1. Efficacy of everolimus in advanced renal cell carcinoma: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase III trial. Lancet. 2008 Aug 9;372(9637):449-56. PMID: 18653228
最終更新日:2023年11月21日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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Everolimus
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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エベロリムス (アフィニトール®)
2023年11月22日更新

エベロリムス:エベロリムス(アフィニトール®)

投与量コース投与日
10mg/日 経口1日1回1~連日投与

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用法用量 (連日投与)

減量・休薬・中止基準

間質性肺疾患に対する減量・休薬・中止基準

初回基準量と増量及び減量レベル

特徴と注意点

1剤の血管新生阻害薬後においてプラセボと比較しPFSの改善を示したmTOR阻害薬である。

注意すべき副作用

  • 口腔粘膜炎をおこしやすい。 治療開始時より含嗽や歯科受診による積極的な口腔ケアに心がける。 
  • 高血糖や高脂血症などの代謝異常の有害事象にも注意が必要
  • 長期投与では貧血が問題となりやすい。

関連する臨床試験|RECORD-1試験¹⁾

スニチニブ、 ソラフェニブ、 またはその両剤を投与後に進行した転移性腎細胞癌患者において、 エベロリムス投与の効果を、 プラセボ投与を対照に検証した比較試験RECORD-1の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) に対する有益性が示された。

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PFS中央値

  • エベロリムス群:4.9ヵ月
(95%CI 4.0-5.5ヵ月)
  • プラセボ群:1.9ヵ月
(95%CI 1.8-1.9ヵ月)
HR 0.33 (95%CI 0.25-0.43)、 p<0.001

前治療による分類

  • スニチニブ投与歴あり (184例)
  • エベロリムス群:3.9ヵ月
  • プラセボ群:1.8ヵ月
HR 0.34 (95%CI 0.23-0.51)
  • ソラフェニブ投与歴あり (124例)
  • エベロリムス群:5.9ヵ月
  • プラセボ群:2.8ヵ月
HR 0.25 (95%CI 0.16-0.42)
  • スニチニブおよびソラフェニブ投与歴あり (108例)
  • エベロリムス群:4.0ヵ月
  • プラセボ群:1.8ヵ月
HR 0.32 (95%CI 0.19-0.54)

ORR

  • エベロリムス群:66.8 %
  • プラセボ群:32.4%

OS中央値

  • エベロリムス群:14.8ヵ月
  • プラセボ群:14.4ヵ月
HR 0.87 (95%CI 0.65-1.17)、 p=0.162

二重盲検治療を終了する前に、 プラセボ群で進行が認められた139例の患者のうち106例 (76.2%) がエベロリムスに移行した。 移行後のPFS中央値は5.1ヵ月 (95%CI 3.7-7.6ヵ月) 、 OS中央値は10.0ヶ月であった。

サブグループ解析

  • Memorial Sloan-Kettering Cancer Center risk scoreによりfavorable、 intermediate、poorリスク群に分類すると、favorable群と比較し、 intermediate群 (HR 1.54、 95%CI 1.08-2.19) とpoor群 (HR 3.38、 95%CI 2.21-5.16) で有意にOS率が低下した。
  • 肝転移、 骨転移、 好中球上昇、 スニチニブによる前治療歴がある場合、 PFSとOSが短縮された。

参考文献

  1. Efficacy of everolimus in advanced renal cell carcinoma: a double-blind, randomised, placebo-controlled phase III trial. Lancet. 2008 Aug 9;372(9637):449-56. PMID: 18653228
最終更新日:2023年11月21日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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