治療スケジュール
概要
監修医師

DTX:ドセタキセル(ワンタキソテール®)

投与量コース投与日
75mg/m² 点滴1~Day1

DAR:ダロルタミド(ニュベクオ®)

投与量コース投与日
1200mg/日 1日2回 経口投与連日服用Day1

その他

1コース21日間
レジメン
DTX+DAR
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*サノフィ株式会社の外部サイトへ遷移します
*バイエル薬品株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

投与開始基準

ARASENS試験¹⁾より抜粋

減量・延期・休薬・中止基準

ドセタキセルの延期基準

  • ビリルビン:>正常値上限
  • AST及び / 又はALT:>正常値上限の1.5倍

ドセタキセルの減量・中止基準

以下の場合、 75mg/m²ら60mg/m²に減量。 減量後も持続する場合、 ドセタキセル投与中止

  • 発熱性好中球減少症
  • <500/mm³の好中球数が1週間を超えて持続
  • 重度又は累積的皮膚反応
  • 重度末梢性ニューロパチー

ダロルタミドの減量・休薬基準

Grade3以上又は忍容できない副作用があらわれた場合、 回復するまで休薬。 

回復後、 1回300mg1日2回に減量で再開を考慮。

患者の状態により、 通常用量に増量も可

主な有害事象

ARASENS試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 28.4% (4.8%)
  • 好中球数減少 26.2% (23.3%)
  • 白血球数減少 23.8% (16.9%)
  • ALT増加 15.8% (2.8%)
  • 疲労 33.9% (1.7%)
  • 下痢 25.9% (1.2%)
  • 便秘 22.9% (0.3%)
  • 食欲減退 18.6% (0.2%)
  • 悪心 17.9% (0.5%)
  • 体重増加 17.8% (2.1%)
  • 体重減少 3.7% (0%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 40.8% (0.2%)
  • 糖尿病・高血糖 15.3% (3.7%)
  • 高血圧 13.8% (6.7%)

特徴と注意点

ADT開始後12週以内にダロルタミドを開始する。 

ダロルタミド開始後6週以内にDTXを開始する。

DTXは6サイクルで終了

関連する臨床試験|ARASENS試験¹⁾

転移性ホルモン感受性前立腺癌患者において、 アンドロゲン除去療法 (ADT) +ドセタキセル (DTX) にダロルタミドを併用する効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相比較試験ARASENSの結果より、 全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

>臨床試験の詳細をみる

OS

  • ダロルタミド群において、 OSの有意な延長がみられた。
HR 0.68  (95%CI 0.57-0.80)、 P<0.001
  • 4年時のOS率は、 ダロルタミド群で62.7% (95%CI 58.7-66.7) 、 プラセボ群で50.4% (95%CI 46.3-54.6) であった。

OSのサブグループ解析

年齢や人種などの事前に規定された全てのサブグループにおいて、 ハザード比の点推定値が1を下回った。

去勢抵抗性前立腺癌となるまでの期間

HR 0.36  (95%CI 0.30-0.42)、 P<0.001

疼痛増悪までの期間

HR 0.79  (95%CI 0.66-0.95)、P=0.01

SSE無発症生存期間

HR 0.61  (95%CI 0.52-0.72)、 P<0.001

SSEの初回発現までの期間

HR 0.71  (95%CI 0.54-0.94)、 P=0.02

後治療開始までの期間

HR 0.39  (95%CI 0.33-0.46)、 P<0.001

参考文献

  1. Darolutamide and Survival in Metastatic, Hormone-Sensitive Prostate Cancer. N Engl J Med. 2022 Mar 24;386(12):1132-1142. PMID: 35179323
最終更新日:2023年11月21日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ドセタキセル (ワンタキソテール®)+ダロタミド
2023年11月22日更新

DTX:ドセタキセル(ワンタキソテール®)

投与量コース投与日
75mg/m² 点滴1~Day1

DAR:ダロルタミド(ニュベクオ®)

投与量コース投与日
1200mg/日 1日2回 経口投与連日服用Day1

その他

1コース21日間

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

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用法用量

投与開始基準

ARASENS試験¹⁾より抜粋

減量・延期・休薬・中止基準

ドセタキセルの延期基準

  • ビリルビン:>正常値上限
  • AST及び / 又はALT:>正常値上限の1.5倍

ドセタキセルの減量・中止基準

以下の場合、 75mg/m²ら60mg/m²に減量。 減量後も持続する場合、 ドセタキセル投与中止

  • 発熱性好中球減少症
  • <500/mm³の好中球数が1週間を超えて持続
  • 重度又は累積的皮膚反応
  • 重度末梢性ニューロパチー

ダロルタミドの減量・休薬基準

Grade3以上又は忍容できない副作用があらわれた場合、 回復するまで休薬。 

回復後、 1回300mg1日2回に減量で再開を考慮。

患者の状態により、 通常用量に増量も可

主な有害事象

ARASENS試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 貧血 28.4% (4.8%)
  • 好中球数減少 26.2% (23.3%)
  • 白血球数減少 23.8% (16.9%)
  • ALT増加 15.8% (2.8%)
  • 疲労 33.9% (1.7%)
  • 下痢 25.9% (1.2%)
  • 便秘 22.9% (0.3%)
  • 食欲減退 18.6% (0.2%)
  • 悪心 17.9% (0.5%)
  • 体重増加 17.8% (2.1%)
  • 体重減少 3.7% (0%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 40.8% (0.2%)
  • 糖尿病・高血糖 15.3% (3.7%)
  • 高血圧 13.8% (6.7%)

特徴と注意点

ADT開始後12週以内にダロルタミドを開始する。 

ダロルタミド開始後6週以内にDTXを開始する。

DTXは6サイクルで終了

関連する臨床試験|ARASENS試験¹⁾

転移性ホルモン感受性前立腺癌患者において、 アンドロゲン除去療法 (ADT) +ドセタキセル (DTX) にダロルタミドを併用する効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相比較試験ARASENSの結果より、 全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

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OS

  • ダロルタミド群において、 OSの有意な延長がみられた。
HR 0.68  (95%CI 0.57-0.80)、 P<0.001
  • 4年時のOS率は、 ダロルタミド群で62.7% (95%CI 58.7-66.7) 、 プラセボ群で50.4% (95%CI 46.3-54.6) であった。

OSのサブグループ解析

年齢や人種などの事前に規定された全てのサブグループにおいて、 ハザード比の点推定値が1を下回った。

去勢抵抗性前立腺癌となるまでの期間

HR 0.36  (95%CI 0.30-0.42)、 P<0.001

疼痛増悪までの期間

HR 0.79  (95%CI 0.66-0.95)、P=0.01

SSE無発症生存期間

HR 0.61  (95%CI 0.52-0.72)、 P<0.001

SSEの初回発現までの期間

HR 0.71  (95%CI 0.54-0.94)、 P=0.02

後治療開始までの期間

HR 0.39  (95%CI 0.33-0.46)、 P<0.001

参考文献

  1. Darolutamide and Survival in Metastatic, Hormone-Sensitive Prostate Cancer. N Engl J Med. 2022 Mar 24;386(12):1132-1142. PMID: 35179323
最終更新日:2023年11月21日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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