概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ゾーフィゴ® (添付文書/適正使用情報*)

アルファ線放出放射性医薬品 > 塩化ラジウム(223Ra) 注射液
*バイエル薬品株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量 (1コース4週間)

適応:骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌

通常、 成人には、 1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで、 緩徐に静脈内投与する。

投与開始基準

ALSYNPCA試験¹⁾より抜粋

減量基準

全投与量を投与、 単回での投与量調節は不可¹⁾

休薬・中止基準

CTCAEv3.0に準じる

主な有害事象

ALSYNPCA試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~5)

主な有害事象

  • 貧血 31.2% (12.7%)
  • 血小板減少 11.5% (6.5%)
  • 好中球減少 5.0% (2.2%)
  • 便秘 18.0% (1.0%)
  • 下痢 25.2% (1.5%)
  • 吐き気 35.5% (1.7%)
  • 嘔吐 18.5% (1.7%)
  • 倦怠感 25.7% (4.0%)
  • 発熱 6.3% (0.5%)
  • 体重減少 11.5% (0.7%)
  • 食欲減退 5.8% (0.3%)

注意すべき有害事象

  • 血尿 5.0% (1.2%)

特徴と注意点

新規ホルモン薬との併用は骨折リスクが増大するため行わない。 

関連する臨床試験|ALSYNPCA試験¹⁾

骨転移を有する症候性の去勢抵抗性前立腺癌患者において、 塩化ラジウム (223Ra) の効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相比較試験ALSYNPCAの結果より、 全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

OS中央値

  • 223Ra群:14.9ヵ月
  • プラセボ群:11.3ヵ月
HR 0.70  (95%CI 0.58-0.83)、 p<0.001

OSのサブグループ解析

ドセタキセルの使用歴、 ALP値、 ビスホスホネート併用の有無に関わらず、 223Ra群においてOSの延長が認められた。

SSE発現までの期間中央値

  • 223Ra群:15.6ヵ月
  • プラセボ群:9.8ヵ月
HR 0.66 (95%CI 0.52-0.83)、 p<0.001

ALP上昇までの期間中央値

  • 223Ra群:7.4ヵ月
  • プラセボ群:3.8ヵ月
HR 0.17 (95%CI 0.13-0.22)、 p<0.00001

PSA上昇までの期間中央値

  • 223Ra群:3.6ヵ月
  • プラセボ群:3.4ヵ月
HR 0.64 (95%CI 0.54-0.77)、 p<0.00001

ALP奏効率

  • 223Ra群:47%
  • プラセボ群:3%
p<0.001

ALP正常化率

  • 223Ra群:34%
  • プラセボ群:1%
p<0.001

参考文献

  1. Alpha emitter radium-223 and survival in metastatic prostate cancer. N Engl J Med. 2013 Jul 18;369(3):213-23. PMID: 23863050
最終更新日:2023年10月2日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
Radium-223
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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Radium-223

Radium-223

塩化ラジウム (223Ra)
2023年11月14日更新
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適応:骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌

通常、 成人には、 1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで、 緩徐に静脈内投与する。

投与開始基準

ALSYNPCA試験¹⁾より抜粋

減量基準

全投与量を投与、 単回での投与量調節は不可¹⁾

休薬・中止基準

CTCAEv3.0に準じる

主な有害事象

ALSYNPCA試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~5)

主な有害事象

  • 貧血 31.2% (12.7%)
  • 血小板減少 11.5% (6.5%)
  • 好中球減少 5.0% (2.2%)
  • 便秘 18.0% (1.0%)
  • 下痢 25.2% (1.5%)
  • 吐き気 35.5% (1.7%)
  • 嘔吐 18.5% (1.7%)
  • 倦怠感 25.7% (4.0%)
  • 発熱 6.3% (0.5%)
  • 体重減少 11.5% (0.7%)
  • 食欲減退 5.8% (0.3%)

注意すべき有害事象

  • 血尿 5.0% (1.2%)

特徴と注意点

新規ホルモン薬との併用は骨折リスクが増大するため行わない。 

関連する臨床試験|ALSYNPCA試験¹⁾

骨転移を有する症候性の去勢抵抗性前立腺癌患者において、 塩化ラジウム (223Ra) の効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相比較試験ALSYNPCAの結果より、 全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

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OS中央値

  • 223Ra群:14.9ヵ月
  • プラセボ群:11.3ヵ月
HR 0.70  (95%CI 0.58-0.83)、 p<0.001

OSのサブグループ解析

ドセタキセルの使用歴、 ALP値、 ビスホスホネート併用の有無に関わらず、 223Ra群においてOSの延長が認められた。

SSE発現までの期間中央値

  • 223Ra群:15.6ヵ月
  • プラセボ群:9.8ヵ月
HR 0.66 (95%CI 0.52-0.83)、 p<0.001

ALP上昇までの期間中央値

  • 223Ra群:7.4ヵ月
  • プラセボ群:3.8ヵ月
HR 0.17 (95%CI 0.13-0.22)、 p<0.00001

PSA上昇までの期間中央値

  • 223Ra群:3.6ヵ月
  • プラセボ群:3.4ヵ月
HR 0.64 (95%CI 0.54-0.77)、 p<0.00001

ALP奏効率

  • 223Ra群:47%
  • プラセボ群:3%
p<0.001

ALP正常化率

  • 223Ra群:34%
  • プラセボ群:1%
p<0.001

参考文献

  1. Alpha emitter radium-223 and survival in metastatic prostate cancer. N Engl J Med. 2013 Jul 18;369(3):213-23. PMID: 23863050
最終更新日:2023年10月2日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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