概要
計算
監修医師

CATCHとは?

Canadian Assessment of Tomography for Childhood Head injuryの略で、 カナダで提唱された小児頭部外傷のCT適応基準である¹⁾。

小児頭部外傷のCT適応基準にはアメリカのPECARN、 カナダのCATCHや、イギリスのCHALICEなどが知られている。 いずれも頭部CTの検査数を減らし、 放射線被爆を軽減させるとともに、 治療介入への効率化を目標としている。 CATCHは3つのルールの中でも最も対象が限定的である.

CATCHの対象症例¹⁾

  • 17歳未満で来院時GCS13~15 かつ
  • 外傷から24時間以内に病院を受診 かつ
  • 以下のいずれかを満たす症例
  • 意識消失の存在
  • 健忘や失見当識の存在
  • 2回以上の嘔吐
  • 2歳以下の小児例で易刺激性を認める

CATCHの除外症例¹⁾

  • 明らかな頭部を貫通創、頭蓋骨骨折
  • 神経学的な異常
  • 慢性的な発達遅滞
  • 虐待による頭部外傷
  • 頭部外傷の治療歴
  • 妊娠

CATCH

以下のいずれかに該当する場合、頭部CTの撮像が推奨される.

CATCH 小児頭部外傷ルール

エビデンス¹⁾

  • 高リスク群は脳神経外科的な治療介入が必要となる群.
  • 中リスク群は頭部CTを施行した場合に頭蓋内病変の検出率が高い群.
  • 高リスク因子に関して、感度97.9%(95%CI:97.8-97.9)、特異度70.2%(95%CI:70.1-70.3)
  • 7つの因子すべてに関して、感度98.1%(95%CI:98.0-98.2)、特異度50.0%(95%CI:50.0-50.1)

使用上の注意点

  • CATCHは3つのルールの中でも最も対象が限定的である (何かしらの症状が必要).
  • 陰性適中率は極めて高いとはいえ、100%ではなく一定の見逃しが起こる可能性がある.
  • 小児頭部外傷ルールの中では、 PECARNが最も広く検証されている (監修医記載).

関連コンテンツ

🔢 PECARN 小児頭部外傷ルール

🔢 CATCH 小児頭部外傷ルール

🔢 CHALICE 小児頭部外傷ルール

参考文献

  1. a clinical decision rule for the use of computed tomography in children with minor head injury. CMAJ. 2010 Mar 9;182(4):341-8. PMID: 20142371
最終更新:2023年8月18日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人

CATCH 小児頭部外傷ルール
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
CATCH 小児頭部外傷ルール
CATCH 小児頭部外傷ルール

CATCH 小児頭部外傷ルール

小児頭部外傷患者のCT適応基準
2023年09月09日更新
概要
計算

CATCHとは?

Canadian Assessment of Tomography for Childhood Head injuryの略で、 カナダで提唱された小児頭部外傷のCT適応基準である¹⁾。

小児頭部外傷のCT適応基準にはアメリカのPECARN、 カナダのCATCHや、イギリスのCHALICEなどが知られている。 いずれも頭部CTの検査数を減らし、 放射線被爆を軽減させるとともに、 治療介入への効率化を目標としている。 CATCHは3つのルールの中でも最も対象が限定的である.

CATCHの対象症例¹⁾

  • 17歳未満で来院時GCS13~15 かつ
  • 外傷から24時間以内に病院を受診 かつ
  • 以下のいずれかを満たす症例
  • 意識消失の存在
  • 健忘や失見当識の存在
  • 2回以上の嘔吐
  • 2歳以下の小児例で易刺激性を認める

CATCHの除外症例¹⁾

  • 明らかな頭部を貫通創、頭蓋骨骨折
  • 神経学的な異常
  • 慢性的な発達遅滞
  • 虐待による頭部外傷
  • 頭部外傷の治療歴
  • 妊娠

CATCH

以下のいずれかに該当する場合、頭部CTの撮像が推奨される.

CATCH 小児頭部外傷ルール

エビデンス¹⁾

  • 高リスク群は脳神経外科的な治療介入が必要となる群.
  • 中リスク群は頭部CTを施行した場合に頭蓋内病変の検出率が高い群.
  • 高リスク因子に関して、感度97.9%(95%CI:97.8-97.9)、特異度70.2%(95%CI:70.1-70.3)
  • 7つの因子すべてに関して、感度98.1%(95%CI:98.0-98.2)、特異度50.0%(95%CI:50.0-50.1)

使用上の注意点

  • CATCHは3つのルールの中でも最も対象が限定的である (何かしらの症状が必要).
  • 陰性適中率は極めて高いとはいえ、100%ではなく一定の見逃しが起こる可能性がある.
  • 小児頭部外傷ルールの中では、 PECARNが最も広く検証されている (監修医記載).

関連コンテンツ

🔢 PECARN 小児頭部外傷ルール

🔢 CATCH 小児頭部外傷ルール

🔢 CHALICE 小児頭部外傷ルール

参考文献

  1. a clinical decision rule for the use of computed tomography in children with minor head injury. CMAJ. 2010 Mar 9;182(4):341-8. PMID: 20142371
最終更新:2023年8月18日
監修医師:聖路加国際病院救急部 清水真人

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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最新トピックに関する独自記事を配信中

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