薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 抗CD38モノクローナル抗体
一般名ダラツムマブ (遺伝子組換え) ・ボルヒアルロニダーゼアルファ (遺伝子組換え) 注射液
薬価445064
メーカーヤンセンファーマ
最終更新2023年11月改訂(第6版)

用法・用量

〈多発性骨髄腫〉

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30000単位(2000単位/mL))を、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、次のA法又はB法の投与間隔で皮下投与する。

A法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

B法:1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

〈全身性ALアミロイドーシス〉

他の薬剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30000単位(2000単位/mL))を皮下投与する。

投与間隔は、1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与とする。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。

7.2. 〈効能共通〉本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるために、本剤投与開始1〜3時間前に副腎皮質ホルモン、解熱鎮痛剤及び抗ヒスタミン剤を投与すること。また、遅発性infusion reactionを軽減させるために、必要に応じて本剤投与後に副腎皮質ホルモン等を投与すること〔11.1.1参照〕。

7.3. 〈効能共通〉Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の投与中止、投与速度の変更等、適切な処置を行うこと。なお、GradeはNCI−CTCAE v4.0に準じる〔11.1.1参照〕。

・ 〈効能共通〉Grade3のinfusion reactionが3回発現した場合は本剤の投与を中止すること。

・ 〈効能共通〉Grade4のinfusion reactionが発現した場合は本剤の投与を中止すること。

7.4. 〈多発性骨髄腫〉本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17.臨床成績」の項及びダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の添付文書の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.1−17.1.9参照〕。

7.5. 〈多発性骨髄腫〉ボルテゾミブ及びデキサメタゾン併用、又はボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン併用の場合、併用投与終了後も本剤単独投与を継続すること。

7.6. 〈全身性ALアミロイドーシス〉本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する薬剤等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.10参照〕。

効能・効果

1). 多発性骨髄腫。

2). 全身性ALアミロイドーシス。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈多発性骨髄腫〉「17.臨床成績」の項及びダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の添付文書の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1−17.1.9参照〕。

5.2. 〈全身性ALアミロイドーシス〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.10参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. Infusion reaction:アナフィラキシー、鼻閉、咳嗽、悪寒、眼障害(脈絡膜滲出、急性近視、急性閉塞隅角緑内障等)、気管支痙攣、低酸素症、呼吸困難等のinfusion reaction(24.9%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められているので、異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重度infusion reactionが認められた場合、本剤の投与中止等の適切な処置を行うこと〔7.2、7.3参照〕。

11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少(15.8%)、血小板減少(12.8%)、リンパ球減少(9.2%)及び発熱性好中球減少症(1.2%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.1、9.1.3参照〕。

11.1.3. 感染症:肺炎(7.4%)や敗血症(0.7%)等の重篤な感染症や、B型肝炎ウイルス再活性化があらわれることがある〔8.4、9.1.2参照〕。

11.1.4. 腫瘍崩壊症候群(頻度不明):異常が認められた場合には適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.3参照〕。

11.1.5. 間質性肺疾患(0.3%):異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染症及び寄生虫症:(10%未満5%以上)上気道感染、(5%未満)気管支炎、インフルエンザ、尿路感染、サイトメガロウイルス感染。

2). 血液及びリンパ系障害:(10%以上)貧血、(10%未満5%以上)白血球減少。

3). 免疫系障害:(5%未満)低γグロブリン血症。

4). 代謝及び栄養障害:(5%未満)食欲減退、低カルシウム血症、高血糖、(頻度不明)脱水。

5). 精神障害:(頻度不明)不眠症。

6). 神経系障害:(5%未満)浮動性めまい、頭痛、末梢性感覚ニューロパチー、錯感覚、失神。

7). 心臓障害:(5%未満)心房細動。

8). 血管障害:(5%未満)高血圧。

9). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(5%未満)呼吸困難、咳嗽、(頻度不明)肺水腫。

10). 胃腸障害:(10%未満5%以上)下痢、(5%未満)便秘、悪心、嘔吐。

11). 皮膚および皮下組織障害:(5%未満)皮膚そう痒症、発疹。

12). 筋骨格系及び結合組織障害:(5%未満)筋痙縮、関節痛、背部痛、筋骨格系胸痛。

13). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%未満5%以上)疲労、発熱、注射部位反応、(5%未満)無力症、悪寒、注射部位紅斑、末梢性浮腫。

警告

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍又は全身性ALアミロイドーシスの治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること〔9.1.3、11.1.2参照〕。

8.2. 本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験結果が偽陽性となる可能性があり、当該干渉は本剤最終投与より6ヵ月後まで持続する可能性があるため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査の実施をすること。輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること〔12.1参照〕。

8.3. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.4参照〕。

8.4. 本剤の投与によりB型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと〔9.1.2、11.1.3参照〕。

8.5. 本剤の使用にあたっては、ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤との取り違えに注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 慢性閉塞性肺疾患若しくは気管支喘息のある患者又はそれらの既往歴のある患者:本剤の投与後処置として気管支拡張剤及び吸入ステロイド剤の投与を考慮すること(本剤投与後に遅発性気管支痙攣を含む気管支痙攣の発現リスクが高くなるおそれがある)。

9.1.2. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗原陰性でHBs抗体陽性の患者:本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(本剤の投与によりB型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがある)〔8.4、11.1.3参照〕。

9.1.3. 体重65kg以下の患者:好中球減少等の骨髄抑制の発現が増加することがある〔8.1、11.1.2参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性:妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。男性の受胎能に対する影響は検討されておらず不明である〔9.5妊婦の項参照〕。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者では一般に生理機能が低下している)。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、65歳未満と比較して65歳以上の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎、敗血症であった。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、75歳未満と比較して75歳以上の造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎であった。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、65歳以上の未治療の全身性ALアミロイドーシス患者における主な重篤な有害事象は肺炎であった。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られている)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

臨床検査結果に及ぼす影響

12.1. 本剤は赤血球上のCD38と結合し、抗体スクリーニングや交差試験等の適合性試験に干渉する。本剤による間接クームス試験への干渉を回避するために、ジチオスレイトール(DTT)処理(本剤と赤血球上のCD38との結合を阻害する)を考慮すること。Kell血液型抗原はDTT処理で変性するので、不規則抗体スクリーニングにおいてKell血液型抗原に対する抗体の評価が不能となることに注意すること〔8.2参照〕。

12.2. 本剤はヒトIgGκ型モノクローナル抗体であり、血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び血清免疫固定法の結果に干渉する可能性があり、IgGκ型多発性骨髄腫細胞を有する患者における完全奏効(CR)の評価及びCRからの再発の評価に影響を及ぼす可能性があるため注意すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 本剤の投与には、ポリプロピレン又はポリエチレンのシリンジとステンレス鋼製の注射針を用いること(翼状針で投与する場合は、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリ塩化ビニル(PVC)のチューブ、コネクター等を用いること)。

14.1.2. 本剤は、無菌環境下において、調製すること。

14.1.3. 本剤を冷蔵庫から取り出し、15〜30℃に戻しておくこと(未穿刺バイアルは、室温及び室内光下で最長24時間保管ができる)。

14.1.4. 注射針の詰まりを避けるために、投与直前に皮下注射針又は皮下投与セットをシリンジに取り付ける。

14.1.5. 薬液入りシリンジを直ちに使用しない場合は、本剤調製後、室温及び室内光下で7時間まで保存できる(本剤調製後直ちに冷蔵庫に保存した場合は、最長24時間保存の後、室温及び室内光下で7時間まで保存できる)。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 本剤投与前に粒子や変色の有無を目視で確認すること(不透明粒子や変色又は異物が認められた場合は使用しないこと)。

14.2.2. 臍から左又は右に約7.5cmの腹部皮下に、本剤15mLを約3〜5分かけて投与する(他の部位への投与はデータが得られていないため行わない)。

14.2.3. 同一部位への反復注射は行わないこと。

14.2.4. 皮膚の発赤・挫傷・圧痛・硬結又は瘢痕がある部位には注射しないこと。

14.2.5. 患者が痛みを感じた場合は、注射速度を減速又は注射を中断する(減速しても痛みが軽減しない場合は、残りを左右逆側の腹部に投与することができる)。

14.2.6. 本剤投与中は、同一部位に他剤を皮下投与しないこと。

14.2.7. 本剤は1回使い切りである(未使用残液については適切に廃棄すること)。

(取扱い上の注意)

20.1. 激しく振盪しないこと。

20.2. 外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

本剤投与によりダラツムマブ(遺伝子組換え)に対する抗体産生が認められた患者の割合は、0.2%(1例)であり、この1例においては、ダラツムマブ(遺伝子組換え)に対する中和抗体を認めた。また、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する抗体産生が認められた患者の割合は、6.6%(41例)であった。

貯法

(保管上の注意)

2〜8℃保存。

ダラキューロ配合皮下注
後発品はありません
ダラキューロ配合皮下注
ダラキューロ配合皮下注

ダラキューロ配合皮下注

抗悪性腫瘍薬 > 抗CD38モノクローナル抗体
2023年11月改訂(第6版)
薬剤情報
後発品
薬効分類抗悪性腫瘍薬 > 抗CD38モノクローナル抗体
一般名ダラツムマブ (遺伝子組換え) ・ボルヒアルロニダーゼアルファ (遺伝子組換え) 注射液
薬価445064
メーカーヤンセンファーマ
最終更新2023年11月改訂(第6版)

用法・用量

〈多発性骨髄腫〉

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30000単位(2000単位/mL))を、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、次のA法又はB法の投与間隔で皮下投与する。

A法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

B法:1週間間隔、3週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。

〈全身性ALアミロイドーシス〉

他の薬剤との併用において、通常、成人には本剤1回15mL(ダラツムマブ(遺伝子組換え)として1800mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として30000単位(2000単位/mL))を皮下投与する。

投与間隔は、1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与とする。

用法・用量に関連する注意

(用法及び用量に関連する注意)

7.1. 〈効能共通〉本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。

7.2. 〈効能共通〉本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるために、本剤投与開始1〜3時間前に副腎皮質ホルモン、解熱鎮痛剤及び抗ヒスタミン剤を投与すること。また、遅発性infusion reactionを軽減させるために、必要に応じて本剤投与後に副腎皮質ホルモン等を投与すること〔11.1.1参照〕。

7.3. 〈効能共通〉Infusion reactionが発現した場合、次のように、本剤の投与中止、投与速度の変更等、適切な処置を行うこと。なお、GradeはNCI−CTCAE v4.0に準じる〔11.1.1参照〕。

・ 〈効能共通〉Grade3のinfusion reactionが3回発現した場合は本剤の投与を中止すること。

・ 〈効能共通〉Grade4のinfusion reactionが発現した場合は本剤の投与を中止すること。

7.4. 〈多発性骨髄腫〉本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等について、「17.臨床成績」の項及びダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の添付文書の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.1−17.1.9参照〕。

7.5. 〈多発性骨髄腫〉ボルテゾミブ及びデキサメタゾン併用、又はボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロン併用の場合、併用投与終了後も本剤単独投与を継続すること。

7.6. 〈全身性ALアミロイドーシス〉本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する薬剤等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.10参照〕。

効能・効果

1). 多発性骨髄腫。

2). 全身性ALアミロイドーシス。

効能・効果に関連する注意

(効能又は効果に関連する注意)

5.1. 〈多発性骨髄腫〉「17.臨床成績」の項及びダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の添付文書の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1−17.1.9参照〕。

5.2. 〈全身性ALアミロイドーシス〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.10参照〕。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

11.1. 重大な副作用

11.1.1. Infusion reaction:アナフィラキシー、鼻閉、咳嗽、悪寒、眼障害(脈絡膜滲出、急性近視、急性閉塞隅角緑内障等)、気管支痙攣、低酸素症、呼吸困難等のinfusion reaction(24.9%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められているので、異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。重度infusion reactionが認められた場合、本剤の投与中止等の適切な処置を行うこと〔7.2、7.3参照〕。

11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少(15.8%)、血小板減少(12.8%)、リンパ球減少(9.2%)及び発熱性好中球減少症(1.2%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.1、9.1.3参照〕。

11.1.3. 感染症:肺炎(7.4%)や敗血症(0.7%)等の重篤な感染症や、B型肝炎ウイルス再活性化があらわれることがある〔8.4、9.1.2参照〕。

11.1.4. 腫瘍崩壊症候群(頻度不明):異常が認められた場合には適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.3参照〕。

11.1.5. 間質性肺疾患(0.3%):異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

11.2. その他の副作用

1). 感染症及び寄生虫症:(10%未満5%以上)上気道感染、(5%未満)気管支炎、インフルエンザ、尿路感染、サイトメガロウイルス感染。

2). 血液及びリンパ系障害:(10%以上)貧血、(10%未満5%以上)白血球減少。

3). 免疫系障害:(5%未満)低γグロブリン血症。

4). 代謝及び栄養障害:(5%未満)食欲減退、低カルシウム血症、高血糖、(頻度不明)脱水。

5). 精神障害:(頻度不明)不眠症。

6). 神経系障害:(5%未満)浮動性めまい、頭痛、末梢性感覚ニューロパチー、錯感覚、失神。

7). 心臓障害:(5%未満)心房細動。

8). 血管障害:(5%未満)高血圧。

9). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(5%未満)呼吸困難、咳嗽、(頻度不明)肺水腫。

10). 胃腸障害:(10%未満5%以上)下痢、(5%未満)便秘、悪心、嘔吐。

11). 皮膚および皮下組織障害:(5%未満)皮膚そう痒症、発疹。

12). 筋骨格系及び結合組織障害:(5%未満)筋痙縮、関節痛、背部痛、筋骨格系胸痛。

13). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(10%未満5%以上)疲労、発熱、注射部位反応、(5%未満)無力症、悪寒、注射部位紅斑、末梢性浮腫。

警告

本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍又は全身性ALアミロイドーシスの治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

重要な基本的注意

8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は、定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること〔9.1.3、11.1.2参照〕。

8.2. 本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接クームス試験結果が偽陽性となる可能性があり、当該干渉は本剤最終投与より6ヵ月後まで持続する可能性があるため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査の実施をすること。輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接クームス試験への干渉について関係者に周知すること〔12.1参照〕。

8.3. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.4参照〕。

8.4. 本剤の投与によりB型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと〔9.1.2、11.1.3参照〕。

8.5. 本剤の使用にあたっては、ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤との取り違えに注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

9.1.1. 慢性閉塞性肺疾患若しくは気管支喘息のある患者又はそれらの既往歴のある患者:本剤の投与後処置として気管支拡張剤及び吸入ステロイド剤の投与を考慮すること(本剤投与後に遅発性気管支痙攣を含む気管支痙攣の発現リスクが高くなるおそれがある)。

9.1.2. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性若しくはHBs抗原陰性でHBs抗体陽性の患者:本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること(本剤の投与によりB型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれることがある)〔8.4、11.1.3参照〕。

9.1.3. 体重65kg以下の患者:好中球減少等の骨髄抑制の発現が増加することがある〔8.1、11.1.2参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性:妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。男性の受胎能に対する影響は検討されておらず不明である〔9.5妊婦の項参照〕。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者では一般に生理機能が低下している)。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、65歳未満と比較して65歳以上の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎、敗血症であった。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、75歳未満と比較して75歳以上の造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者で重篤な有害事象の発現頻度は高く、主な重篤な有害事象は肺炎であった。ダラツムマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の臨床試験において、65歳以上の未治療の全身性ALアミロイドーシス患者における主な重篤な有害事象は肺炎であった。

妊婦・授乳婦

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られている)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある)。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

臨床検査結果に及ぼす影響

12.1. 本剤は赤血球上のCD38と結合し、抗体スクリーニングや交差試験等の適合性試験に干渉する。本剤による間接クームス試験への干渉を回避するために、ジチオスレイトール(DTT)処理(本剤と赤血球上のCD38との結合を阻害する)を考慮すること。Kell血液型抗原はDTT処理で変性するので、不規則抗体スクリーニングにおいてKell血液型抗原に対する抗体の評価が不能となることに注意すること〔8.2参照〕。

12.2. 本剤はヒトIgGκ型モノクローナル抗体であり、血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び血清免疫固定法の結果に干渉する可能性があり、IgGκ型多発性骨髄腫細胞を有する患者における完全奏効(CR)の評価及びCRからの再発の評価に影響を及ぼす可能性があるため注意すること。

適用上の注意、取扱い上の注意

(適用上の注意)

14.1. 薬剤調製時の注意

14.1.1. 本剤の投与には、ポリプロピレン又はポリエチレンのシリンジとステンレス鋼製の注射針を用いること(翼状針で投与する場合は、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリ塩化ビニル(PVC)のチューブ、コネクター等を用いること)。

14.1.2. 本剤は、無菌環境下において、調製すること。

14.1.3. 本剤を冷蔵庫から取り出し、15〜30℃に戻しておくこと(未穿刺バイアルは、室温及び室内光下で最長24時間保管ができる)。

14.1.4. 注射針の詰まりを避けるために、投与直前に皮下注射針又は皮下投与セットをシリンジに取り付ける。

14.1.5. 薬液入りシリンジを直ちに使用しない場合は、本剤調製後、室温及び室内光下で7時間まで保存できる(本剤調製後直ちに冷蔵庫に保存した場合は、最長24時間保存の後、室温及び室内光下で7時間まで保存できる)。

14.2. 薬剤投与時の注意

14.2.1. 本剤投与前に粒子や変色の有無を目視で確認すること(不透明粒子や変色又は異物が認められた場合は使用しないこと)。

14.2.2. 臍から左又は右に約7.5cmの腹部皮下に、本剤15mLを約3〜5分かけて投与する(他の部位への投与はデータが得られていないため行わない)。

14.2.3. 同一部位への反復注射は行わないこと。

14.2.4. 皮膚の発赤・挫傷・圧痛・硬結又は瘢痕がある部位には注射しないこと。

14.2.5. 患者が痛みを感じた場合は、注射速度を減速又は注射を中断する(減速しても痛みが軽減しない場合は、残りを左右逆側の腹部に投与することができる)。

14.2.6. 本剤投与中は、同一部位に他剤を皮下投与しないこと。

14.2.7. 本剤は1回使い切りである(未使用残液については適切に廃棄すること)。

(取扱い上の注意)

20.1. 激しく振盪しないこと。

20.2. 外箱開封後は遮光して保存すること。

その他の注意

15.1. 臨床使用に基づく情報

本剤投与によりダラツムマブ(遺伝子組換え)に対する抗体産生が認められた患者の割合は、0.2%(1例)であり、この1例においては、ダラツムマブ(遺伝子組換え)に対する中和抗体を認めた。また、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)に対する抗体産生が認められた患者の割合は、6.6%(41例)であった。

貯法

(保管上の注意)

2〜8℃保存。

後発品はありません
薬剤情報

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