多発性骨髄腫、 DLd併用療法で全生存期間が改善 (MAIA試験アップデート中間解析)
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海外ジャーナルクラブ

2年前

多発性骨髄腫、 DLd併用療法で全生存期間が改善 (MAIA試験アップデート中間解析)

多発性骨髄腫、 DLd併用療法で全生存期間が改善 (MAIA試験アップデート中間解析)

概要

  • 自家幹細胞移植の適応がない多発性骨髄腫患者において、 ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン併用療法は、 レナリドミド+デキサメタゾンの単独療法と比較して、 無増悪生存期間および全生存期間を延長した.
  • 安全性に関する新たな懸念はなかった.

方法

  • MAIA試験は多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験で、 北米、 欧州、 中東、 アジア太平洋地域の14カ国、 176の病院で、 新たに多発性骨髄腫と診断され自家幹細胞移植に適応のない患者737例を対象として実施された.
  • 主要評価項目は無増悪生存期間で、 副次的評価項目は全生存期間.

結果

  • 追跡期間中央値56.2カ月において、 無増悪生存期間中央値は、 ダラツムマブ群では到達しなかったのに対し、 対照群では34.4カ月であった (ダラツムマブ群 95%CI 54.8-未到達 vs. 対照群 95%CI 29.6-39.2; ハザード比0.53、 95%CI 0.43-0.66、 P>0.0001) .
  • 全生存期間の中央値は、 いずれの群でも到達しなかった (ダラツムマブ群 95%CI 未到達-未到達 vs. 対照群 95%CI 55.7-未到達; ハザード比0.68、 95%CI 0.53-0.86、 P=0.0013) .
  • 頻度の高かったGrade3以上の有害事象は、 好中球減少症 (ダラツムマブ群54% vs. 対照群37%) 、 肺炎 (19% vs. 11%) 、 貧血 (17% vs. 22%) であった.
  • 重篤な有害事象は、 ダラツムマブ群で281例 (77%) 、 対照群で257例 (70%) に発生した.
  • 治療関連の死亡は、 ダラツムマブ群で13名 (4%) 、 対照群で10名 (3%) に発生した.

👨‍⚕️編集部コメント

自家移植非適応の未治療多発性骨髄腫に対するレナリドミド、 デキサメタゾン療法 (Ld療法)に対するダラツムマブ上乗せ (DLd療法) を検証するMAIA試験のアップデート中間解析の結果が公表され、 無増悪生存期間だけでなく、 全生存期間でもDLd療法の優位性が示されました.

🗒原著論文

Daratumumab, lenalidomide, and dexamethasone versus lenalidomide and dexamethasone alone in newly diagnosed multiple myeloma (MAIA): overall survival results from a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2021 Nov;22(11):1582-1596. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00466-6. Epub 2021 Oct 13. PMID: 34655533.

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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