治療スケジュール
概要
監修医師

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
1,200mg/m² 点滴静注1~Day 1

AraC:シタラビン(キロサイド®)

投与量コース投与日
2,000mg/m² 点滴静注1~Day 2、3

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
100mg/m² 点滴静注1~Day 1~3

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg/body 点滴静注1~Day 1~3

前投薬

Day 1~3:5-HT3受容体拮抗薬.
RIT併用時:解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬.
NK1受容体拮抗薬を考慮.

その他

1コースは21日間 or 28日間.
CD20陽性の場合、 Day0かDay1にRIT 375mg/m²投与を考慮.
DEX 40mg/bodyは、 エステル化物としての量.
レジメン
CHASE
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」の外部サイトに遷移します。

主な有害事象

Cancer Sci. 2008 Jan;99(1):179-84.¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 100%)
  • 好中球減少 (≧Grade3 100%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 78%)

重大な有害事象

  • 吐き気・嘔吐 (41%、 ≧Grade3 0%)
  • 下痢 (22%、 ≧Grade3 0%)
  • 肝酵素上昇 (63%、 ≧Grade3 6%)
  • 嘔吐 (16.9%、 ≧Grade3 1.5%)
  • 疼痛 (16%、 ≧Grade3 0%)
  • 浮腫 (13%、 ≧Grade3 0%)

その他

  • 末梢神経障害 (6%、 ≧Grade3 0%)
  • 失神 (3%、 ≧Grade3 3%)

特徴と注意点

  • CHASE療法は、 再発または難治性DLBCLに対するサルベージ療法の一つ.
  • CD20陽性の場合、 リツキシマブの併用を考慮.
  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.

感染対策

  • 発熱性好中球減少症のリスク (年齢>65歳、 Alb≤3.5g/dL、 好中球数<1500/µl、 肝疾患合併) に応じてG-CSF製剤の投与を考慮.
  • ST合剤の予防内服を考慮 (特にG-CSFやリツキシマブを使用する際).
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • リツキシマブはinfusion reactionのリスクが高いため、 予防薬の投与を行い、 バイタルサインのモニタリングを行った上で段階的に投与速度をあげる.
  • シクロフォスファミドは出血性膀胱炎のリスクがあるため、 水分摂取を励行し排尿を促す.
  • シタラビン大量療法に伴う角膜・結膜障害予防に ステロイド含有点眼薬を使用.
  • デキサメタゾンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病や出血性消化性潰瘍) に注意.

関連する臨床試験の結果

Cancer Sci. 2008 Jan;99(1):179-84.¹⁾

概要

  • 再発または難治性DLBCL患者32名に対する第2相試験.
  • 対象患者はCHOPベースの前治療を受けており、 うち63%はリツキシマブ投与歴あり.
  • サルベージ療法として、 CHASE-Rを用い、 ORR、 CR、 OS、 TTFを評価.
ORR:全奏効率 CR:完全奏功 CRu:不確定完全奏効 OS:全生存期間 TTF:治療成功期間

結果

  • ORR:84% (95%CI 67-95).
  • CR+CRu:75% (95%CI 57-89).
  • OS推定値:39.3ヵ月.
  • TTF推定値:24.5ヵ月.
  • B-NHL患者のORR、 CRにおいて、 リツキシマブの暴露歴による差は無かった (それぞれp=0.39、 p=0.38) .
  • CHASE-Rはリツキシマブの治療歴にかかわらず、 再発または難治性DLBCL患者において、 良好な忍容性、 有意な抗腫瘍活性、 および幹細胞動員効果を示した。

参考文献

  1. Cancer Sci. 2008 Jan;99(1):179-84.

最終更新:2021年12月25日
執筆:牛久愛和総合病院薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
CHASE
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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シクロホスファミド、 シタラビン、 エトポシド、 デキサメタゾン
2023年06月07日更新

CPA:シクロホスファミド(エンドキサン®)

投与量コース投与日
1,200mg/m² 点滴静注1~Day 1

AraC:シタラビン(キロサイド®)

投与量コース投与日
2,000mg/m² 点滴静注1~Day 2、3

ETP:エトポシド(ラステット®)

投与量コース投与日
100mg/m² 点滴静注1~Day 1~3

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg/body 点滴静注1~Day 1~3

前投薬

Day 1~3:5-HT3受容体拮抗薬.
RIT併用時:解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬.
NK1受容体拮抗薬を考慮.

その他

1コースは21日間 or 28日間.
CD20陽性の場合、 Day0かDay1にRIT 375mg/m²投与を考慮.
DEX 40mg/bodyは、 エステル化物としての量.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」の外部サイトに遷移します。

主な有害事象

Cancer Sci. 2008 Jan;99(1):179-84.¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 100%)
  • 好中球減少 (≧Grade3 100%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 78%)

重大な有害事象

  • 吐き気・嘔吐 (41%、 ≧Grade3 0%)
  • 下痢 (22%、 ≧Grade3 0%)
  • 肝酵素上昇 (63%、 ≧Grade3 6%)
  • 嘔吐 (16.9%、 ≧Grade3 1.5%)
  • 疼痛 (16%、 ≧Grade3 0%)
  • 浮腫 (13%、 ≧Grade3 0%)

その他

  • 末梢神経障害 (6%、 ≧Grade3 0%)
  • 失神 (3%、 ≧Grade3 3%)

特徴と注意点

  • CHASE療法は、 再発または難治性DLBCLに対するサルベージ療法の一つ.
  • CD20陽性の場合、 リツキシマブの併用を考慮.
  • 腫瘍量が多い場合、 腫瘍崩壊症候群が出現するため、 十分な予防が必要.

感染対策

  • 発熱性好中球減少症のリスク (年齢>65歳、 Alb≤3.5g/dL、 好中球数<1500/µl、 肝疾患合併) に応じてG-CSF製剤の投与を考慮.
  • ST合剤の予防内服を考慮 (特にG-CSFやリツキシマブを使用する際).
  • HBV再活性化リスクを考慮し、 適切なスクリーニング検査とモニタリングを行う.

各薬剤の副作用と対策

  • リツキシマブはinfusion reactionのリスクが高いため、 予防薬の投与を行い、 バイタルサインのモニタリングを行った上で段階的に投与速度をあげる.
  • シクロフォスファミドは出血性膀胱炎のリスクがあるため、 水分摂取を励行し排尿を促す.
  • シタラビン大量療法に伴う角膜・結膜障害予防に ステロイド含有点眼薬を使用.
  • デキサメタゾンによる各種合併症 (特にコントロール困難な糖尿病や出血性消化性潰瘍) に注意.

関連する臨床試験の結果

Cancer Sci. 2008 Jan;99(1):179-84.¹⁾

概要

  • 再発または難治性DLBCL患者32名に対する第2相試験.
  • 対象患者はCHOPベースの前治療を受けており、 うち63%はリツキシマブ投与歴あり.
  • サルベージ療法として、 CHASE-Rを用い、 ORR、 CR、 OS、 TTFを評価.
ORR:全奏効率 CR:完全奏功 CRu:不確定完全奏効 OS:全生存期間 TTF:治療成功期間

結果

  • ORR:84% (95%CI 67-95).
  • CR+CRu:75% (95%CI 57-89).
  • OS推定値:39.3ヵ月.
  • TTF推定値:24.5ヵ月.
  • B-NHL患者のORR、 CRにおいて、 リツキシマブの暴露歴による差は無かった (それぞれp=0.39、 p=0.38) .
  • CHASE-Rはリツキシマブの治療歴にかかわらず、 再発または難治性DLBCL患者において、 良好な忍容性、 有意な抗腫瘍活性、 および幹細胞動員効果を示した。

参考文献

  1. Cancer Sci. 2008 Jan;99(1):179-84.

最終更新:2021年12月25日
執筆:牛久愛和総合病院薬剤センタ- 秋場孝則
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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