概要
計算
監修医師

Fスケール (FDDG) とは?

Frequency Scale for the Symptoms of GERD (FSSG : 胃食道逆流症症状頻度尺度) の略で、 2004年にKusanoらにより開発された。

GERDの症状を評価するための簡便な質問票で¹⁾、 内視鏡的にGERDと診断された患者の症状評価や治療効果の追跡に用いられる。 12の質問から構成され、 スコア総和はGERDの症状の頻度や重症度を示す。

スコア項目¹⁾²⁾ 

以下の12の症状について、 0~4点で評価 (0点 なし、1点 まれに、 2点 時々、  3点 しばしば、 4点 いつも)
  • 胸やけはしますか?
  • お腹が張ることはありますか?
  • 食後、 胃が重く感じることがありますか?
  • 無意識のうちに手で胸をさすることはありますか?
  • 食後に気持ち悪くなることはありますか?
  • 食後に胸焼けはありますか?
  • のどに違和感 (焼けるような感じなど) を感じることはありますか?
  • 食事中に満腹感を感じることはありますか?
  • 飲み込むときに詰まることはありますか?
  • 喉の奥から酸っぱいもの (胃酸) が出てきますか?
  • ゲップはよく出ますか?
  • 前かがみになると胸焼けしますか?

エビデンス

オリジナル文献

124名のGERD患者を対象にFスケールの感度、 特異度、 精度を評価¹⁾。

  • cutoff score:8点 (感度62%、 特異度59%、 精度60%)
  • cutoff score:10点 (感度55%、 特異度69%、 精度63%)

プロトンポンプ阻害薬で8週間治療した26名の他のGERD患者を対象に、 この質問票の有用性が評価され、 Fスケールは、 軽症・重症のGERD患者における内視鏡的改善度合いと相関関係が見られた¹⁾。

使用上の注意点

  • Fスケールは、 症状の評価や治療効果の追跡に便利なツールであるが、 診断には用いられない¹⁾。
  • Fスケールは、 患者の自己申告に基づくため、 回答の信頼性や正確性は患者の自己認識や理解に大きく依存する¹⁾。
  • Fスケールのcutoff scoreが8点の場合と10点の場合で、 感度と特異度に差が生じるため、 結果の解釈には注意が必要である¹⁾。
  • Fスケールは、 GERDに特化したツールであるため、 他の上部消化管疾患の評価には適していない可能性がある¹⁾。

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📘胃食道逆流症 (GERD) 診療ガイドライン2021 (改訂第3版)

日本消化器病学会

参考文献

  1. Development and evaluation of FSSG: frequency scale for the symptoms of GERD. J Gastroenterol. 2004 Sep;39(9):888-91. PMID: 15565409
  2. Development and evaluation of a modified Frequency Scale for the Symptoms of Gastroesophageal Reflux Disease to distinguish functional dyspepsia from non-erosive reflux disease. J Gastroenterol Hepatol. 2012. PMID: 22414314
最終更新:2023年7月20日
監修医師:HOKUTO編集部医師

Fスケール (FSSG)
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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逆流性食道炎、GERD症状の評価尺度
2023年11月23日更新
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Frequency Scale for the Symptoms of GERD (FSSG : 胃食道逆流症症状頻度尺度) の略で、 2004年にKusanoらにより開発された。

GERDの症状を評価するための簡便な質問票で¹⁾、 内視鏡的にGERDと診断された患者の症状評価や治療効果の追跡に用いられる。 12の質問から構成され、 スコア総和はGERDの症状の頻度や重症度を示す。

スコア項目¹⁾²⁾ 

以下の12の症状について、 0~4点で評価 (0点 なし、1点 まれに、 2点 時々、  3点 しばしば、 4点 いつも)
  • 胸やけはしますか?
  • お腹が張ることはありますか?
  • 食後、 胃が重く感じることがありますか?
  • 無意識のうちに手で胸をさすることはありますか?
  • 食後に気持ち悪くなることはありますか?
  • 食後に胸焼けはありますか?
  • のどに違和感 (焼けるような感じなど) を感じることはありますか?
  • 食事中に満腹感を感じることはありますか?
  • 飲み込むときに詰まることはありますか?
  • 喉の奥から酸っぱいもの (胃酸) が出てきますか?
  • ゲップはよく出ますか?
  • 前かがみになると胸焼けしますか?

エビデンス

オリジナル文献

124名のGERD患者を対象にFスケールの感度、 特異度、 精度を評価¹⁾。

  • cutoff score:8点 (感度62%、 特異度59%、 精度60%)
  • cutoff score:10点 (感度55%、 特異度69%、 精度63%)

プロトンポンプ阻害薬で8週間治療した26名の他のGERD患者を対象に、 この質問票の有用性が評価され、 Fスケールは、 軽症・重症のGERD患者における内視鏡的改善度合いと相関関係が見られた¹⁾。

使用上の注意点

  • Fスケールは、 症状の評価や治療効果の追跡に便利なツールであるが、 診断には用いられない¹⁾。
  • Fスケールは、 患者の自己申告に基づくため、 回答の信頼性や正確性は患者の自己認識や理解に大きく依存する¹⁾。
  • Fスケールのcutoff scoreが8点の場合と10点の場合で、 感度と特異度に差が生じるため、 結果の解釈には注意が必要である¹⁾。
  • Fスケールは、 GERDに特化したツールであるため、 他の上部消化管疾患の評価には適していない可能性がある¹⁾。

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日本消化器病学会

参考文献

  1. Development and evaluation of FSSG: frequency scale for the symptoms of GERD. J Gastroenterol. 2004 Sep;39(9):888-91. PMID: 15565409
  2. Development and evaluation of a modified Frequency Scale for the Symptoms of Gastroesophageal Reflux Disease to distinguish functional dyspepsia from non-erosive reflux disease. J Gastroenterol Hepatol. 2012. PMID: 22414314
最終更新:2023年7月20日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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