概要
計算
監修医師

SOSの重症度分類

2016年に欧州造血細胞移植学会 (EBMT) により定義された新しいSOSの重症度基準。 早期の治療介入が必要な患者を特定する目的に利用。

EBMT:European Society for Blood and Marrow Transplantation

評価項目

以下の6項目をそれぞれGrade1 (mild) ~ Grade 6 (Death) に分類する。 6項目中2項目を満たせば、 その重症度に該当する。 2つ以上の重症度にあてはまる場合は最も高い重症度を採用する。

VOD/SOSのEBMT重症度分類

注釈

  • Grade1または2の場合、 SOSのリスク因子が2つ以上ある場合は重症度を1つあげる。
  • MOD/MOFがあればvery severeとする。MOD/MOF, multi-organ dysfunction/multi-organ failure.

SOSのリスク因子¹⁾

HSCT関連因子

  • 非血縁ドナー
  • HLA型不一致ドナー
  • T細胞を除去しないHSCT法
  • 骨髄破壊的前処置
  • 経口または高用量ブスルファンを使用する前処置
  • 高用量全身放射線療法による前処置
  • 2回目のHSCT

患者側及び疾患に関連する因子

  • 高齢者
  • karnofskyスコア <90%
  • メタボリックシンドローム
  • ノルエチステロン (黄体ホルモン) 服用女性
  • 原疾患が進行 (2回目以上の寛解、 再発・再燃)
  • サラセミア
  • 遺伝学的因子 (GSTM1多型、 C282Yアレル、 MTHFR 677CC / 1298CCハプロタイプ)

肝臓関連因子

  • トランスアミナーゼ >2.5ULN
  • 血清ビリルビン >1.5ULN
  • 肝硬変
  • 活動性肝炎ウイルス感染者
  • 腹部または肝臓への放射線照射
  • マイロターグまたはべスポンサの投与歴あり
  • 肝毒性を有する薬剤の投与歴あり
  • 鉄過剰

注意事項

バイオマーカーや新しい画像診断法については検証されていないため、 この重症度分類は確定的なものでない可能性がある¹⁾。

関連コンテンツ

肝中心静脈閉塞症 (VOD/SOS)

📘 造血細胞移植ガイドライン|SOS,TA-TMA

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🔢 VOD/SOSのEBMT診断基準

🔢 VOD/SOSのHokUS-10

🔢 VOD/SOSのEBMT重症度分類

参考文献

  1. Revised diagnosis and severity criteria for sinusoidal obstruction syndrome/veno-occlusive disease in adult patients: a new classification from the European Society for Blood and Marrow Transplantation. Bone Marrow Transplant. 2016 Jul;51(7):906-12. PMID: 27183098
最終更新:2023年7月10日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
VOD/SOSのEBMT重症度分類
VOD/SOSのEBMT重症度分類

VOD/SOSのEBMT重症度分類

肝中心静脈閉塞症の欧州造血細胞移植学会による重症度分類
2023年11月23日更新
概要
計算

SOSの重症度分類

2016年に欧州造血細胞移植学会 (EBMT) により定義された新しいSOSの重症度基準。 早期の治療介入が必要な患者を特定する目的に利用。

EBMT:European Society for Blood and Marrow Transplantation

評価項目

以下の6項目をそれぞれGrade1 (mild) ~ Grade 6 (Death) に分類する。 6項目中2項目を満たせば、 その重症度に該当する。 2つ以上の重症度にあてはまる場合は最も高い重症度を採用する。

VOD/SOSのEBMT重症度分類

注釈

  • Grade1または2の場合、 SOSのリスク因子が2つ以上ある場合は重症度を1つあげる。
  • MOD/MOFがあればvery severeとする。MOD/MOF, multi-organ dysfunction/multi-organ failure.

SOSのリスク因子¹⁾

HSCT関連因子

  • 非血縁ドナー
  • HLA型不一致ドナー
  • T細胞を除去しないHSCT法
  • 骨髄破壊的前処置
  • 経口または高用量ブスルファンを使用する前処置
  • 高用量全身放射線療法による前処置
  • 2回目のHSCT

患者側及び疾患に関連する因子

  • 高齢者
  • karnofskyスコア <90%
  • メタボリックシンドローム
  • ノルエチステロン (黄体ホルモン) 服用女性
  • 原疾患が進行 (2回目以上の寛解、 再発・再燃)
  • サラセミア
  • 遺伝学的因子 (GSTM1多型、 C282Yアレル、 MTHFR 677CC / 1298CCハプロタイプ)

肝臓関連因子

  • トランスアミナーゼ >2.5ULN
  • 血清ビリルビン >1.5ULN
  • 肝硬変
  • 活動性肝炎ウイルス感染者
  • 腹部または肝臓への放射線照射
  • マイロターグまたはべスポンサの投与歴あり
  • 肝毒性を有する薬剤の投与歴あり
  • 鉄過剰

注意事項

バイオマーカーや新しい画像診断法については検証されていないため、 この重症度分類は確定的なものでない可能性がある¹⁾。

関連コンテンツ

肝中心静脈閉塞症 (VOD/SOS)

📘 造血細胞移植ガイドライン|SOS,TA-TMA

🔢 VOD/SOSの修正シアトル基準

🔢 VOD/SOSのボルチモア基準

🔢 VOD/SOSのEBMT診断基準

🔢 VOD/SOSのHokUS-10

🔢 VOD/SOSのEBMT重症度分類

参考文献

  1. Revised diagnosis and severity criteria for sinusoidal obstruction syndrome/veno-occlusive disease in adult patients: a new classification from the European Society for Blood and Marrow Transplantation. Bone Marrow Transplant. 2016 Jul;51(7):906-12. PMID: 27183098
最終更新:2023年7月10日
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